一番好きなドラマは「根の深い木」

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これまで見てきた韓国ドラマで一番好きなのは?と聞かれれば、迷わず「根の深い木」をあげます。

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ハングル創製のお話

ハングルという文字を作った世宗大王のお話ですが、朝鮮独自の文字を作ることに反対する勢力との闘いを描いています。

世宗が文字を作ろうとした動機や、反対勢力の主張も興味深いのですが、全24回のうちの第19回で繰り広げられた、世宗と反対勢力の首領チョン・ギジュンとの激論が、最大の見所です。

何のための文字か

画面は少しみずらいのですが、音声はきちんと聞こえると思います。
1分23秒のところから、見てみましょう。

世宗: 私の作った文字を見たのか?

ギジュン:みた。素晴らしい。だからこそ、命をかけて阻む。
なぜ文字を作ろうなどとバカなことを?

世宗:君の伯父、三峰先生と同じ考えだ。三峰先生は言路の解放を解いた。
三峰先生がいうには、尭舜時代には、庶民が王をいさめていた。
しかし、諌官という役職ができてから言路が狭められた。
民は為政者に物を申す道を失った。
だから、私は文字をつくって、言路ではなく字路をひらくつもりだ。
  諌官を通した対話でなく、文字で直接対話するのだ。
これが性理学に反していると言うのか。

ギジュン:三峰の思想から文字の創製を思いつくとは、見上げたものだ。
しかし、私が文字に反対するのは別に理由がある。

 

エリートが民衆を支配すべきか

世宗: 身分秩序の混乱か?君ら士大夫の既得権が惜しいのか。

ギジュン:既得権ではない!
既得権ではなく、秩序、調和、均衡だ。
我々士大夫は高麗時代の貴族とは違う。
王は血筋ゆえに王だ。しかし士大夫は生まれと関係なく、身体を鍛え、
科挙試験で能力を認められたものだ。
士大夫は「身分」ではない、資質と努力と能力だ。
既得権などという軽々しいものではない。

世宗:しかし、士大夫も腐敗していくだろう。
その能力とともに欲望をもち、既得権を得る。
その既得権を世襲させようとする。
それをけん制できるのは、誰だ。王は逆にけん制される立場だ。
だから民に力が必要なのだ。民と権力を分かちあう、
それが新しい調和、秩序、均衡だ。文字がまずその第一歩だ。

ギジュン:士大夫の欲望だと?では民の欲望は?民は巨大だ。その民の欲望だ。
仏教も儒教もキリスト教も、民の欲望を統制するためのものだ。
それを、お前の文字は統制された欲望を、地獄の門をあけるものだ。

世宗: なぜそれが地獄なのだ?民が学べば人の道を知るだろう。

ギジュン:民が文字を学んで知恵をつけたら、どうなる?
彼らの欲望は政治に向かう。
政治に関与し、自分たちの指導者を自分たちで選ぼうとする。

世宗:なぜそれが地獄だと?

ギジュン:古今東西、そんな無責任なことがあるか?
   政治は責任だ。民が選んだ指導者が失政をしたら、誰が責任をとる?
指導者を選んだ民を皆殺しか?

世宗:なぜそんなに民を信じない?

ギジュン:自分が民として生きてきたからだ。彼らに希望はない。
   歴史を発展させるのは、無知な群衆ではなく、責任を追える数人だ。

世宗:本気でそう思うなら、痛ましい事だ。

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自己責任か、管理社会か

ギジュン:痛ましいのはお前だ。
お前の本心は、民に責任を押し付けたいだけだろう。
疫病がはやれば、すみずみまで薬を届けるのが為政者の仕事だろう?
それを、文字を作って、あとは自力でなんとかしろというのか。
民の面倒をみて守るのが王だろう。
お前の本心は、民が面倒なのだ。
民が面倒になったから文字を作ろうとしているのではないか?
お前は民を愛してなんかいない。
   男は愛している女を家まで送るものだ。
    それが面倒だから、刀を与えて自分で守れと言っているようなものだ。
それが愛といえるのか?
文字を与えたから、あとは自力で解決しろ、
それでもだめなら自分の責任だ、それが本心だろう。

世宗: なんだと?

 

民衆は無能だから、能力のある士大夫が権力を持ち、支配するのが理想とするギジュンと、
民衆の力を信じ、民衆が自ら行動できるようになるべきだとする世宗。

この場面の最後は、世宗がやり込められています。
ギジュンは潜伏生活を、白丁という被差別身分で過ごしました。
「群衆は無能だ」と断言したのは、経験に基づくからで、
世宗が「民を信じる」といっても「お前は民衆の何をしっているのだ」と反論されれば、何も言えません。

世宗の主張が正論でしょう。でも、ギジュンの言い分を聞いていると、管理される方が楽かな?と思ってしまいます。

あからさまに「群衆は無能だ」とは言わないまでも、今の時代でも、「管理社会」というテーマで議論が続いているのではないでしょうか。

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