初回で離脱したけれど最後まで見ると秀作だった『誰だって無価値な自分と闘っている』

ネットフリックスで公開中の『誰だって無価値な自分と闘っている』。1話と2話で離脱した人が多かったですね。でも、その後見続けている人から「ものすごくいい」と言われてまた見始めたら、感動に包まれた最終回だったという感想があふれています。
『誰だって無価値な自分と闘っている』
2026年4月18日~5月24日 JTBC
脚本:パク・ヘヨン
キャスト
ファン・ドンマン:ク・ギョファン
ピョン・ウナ:コ・ユンジョン
パク・ギョンセ:オ・ジョンセ
あらすじ
監督を目指しながらも20年以上デビューできない不安を抱えるドンマンは、
SNSで新作映画を貶したり愚痴を書き連ねることで自分を守っている。
一方、ウナは母親から捨てられた過去や社内でのいじめに苦しみながら
沈黙を続けることで自分を守っている。
ウナと出会ったドンマンは、長年温めているシナリオを見てもらう…。
予告編はこちら。
ドラマのタイトルが、長いですね。
韓国語の原題も同じです。
みんなが自分の無価値さと闘っている
모두가 자기의 무가치함과 싸우고 있다
長いので略して
모자무싸
モジャムサ
と呼んでいます。
脚本家パク・ヘヨンさんの作品
このドラマ、脚本がパク・ヘヨンさん
ということで、最初から期待値が高かったです。
前作が「私の解放日誌」
前前作が「私のおじさん」
多くの人の「たからもの」になっている作品です。
人間の深くに根付く寂しさや不安や厭世を
とても共感できる形で表現してくれて、
同じように傷ついている人が、
希望や信頼のようなものを差し出してくれる。
今回の「モジャムサ」も、過去作同様に
いや過去作を超える名作だ!
という声も上がりました。
私も「モジャムサ」は非の打ちどころない名作
と思いますが、
個人的には、やっぱり「私のおじさん」がベスト作。
「私のおじさん」の主人公ドンフンが、
ちょっとエリートで感情を表にださなくて融通きかなくて
という、どこにでもいる「おじさん」設定が、
私には一番共感できるからです。
友だちは「私の解放日誌」がベスト作と言っていました。
刺さるポイントは同じだけど、一番刺さる作品が異なる
というのも面白いです。
『誰だって無価値な自分と闘っている』残念な点
あえて「残念な点」ですが、
12部作という短さですねえ(笑)
永遠に続いてほしいと思うほど、終わるのが残念すぎて。
12部という短さにも関わらず、伏線はすべて回収したうえで、
最後に曖昧さを残さずわかりやすい「閉じられたハッピーエンド」
という完璧なエンディング。
ドンマンは苦しみながらも映画を成功させ
ウナは母親から「立派な娘」と認められ
ギョンセはドンマンと和解してコンプレックスを受け入れ
ドンマン兄は娘の健在を確認して希望を持つことができて
最終回の1時間ですべての懸案事項をすっきりさせたなんて
すごい力技!
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『誰だって無価値な自分と闘っている』見事な点
いろいろありますが、
この作品で憎まれキャラだった
ウナの実の母、オ・ジョンヒ
→自分の成功のためには娘も捨てるし、他人の配役も奪う
制作会社のチェ代表
→理念や正義よりも金儲けを優先させる
この2人が、何らかの形で奈落に落ちるか、
せめてこれまでの生き方を反省するような場面があるのかと思いきや。
オ・ジョンヒは、大女優オ・ジョンヒとして
実の娘を認めて、今一緒に暮らす娘ミランを守った。
言っていることがいちいち正しくて、脱帽。
チェ代表は、最後まで資本主義の申し子として、
あれだけ貶していたドンマンが成功したとたん、すり寄っていった。
金の成る木は無条件受け入れる態度をここまで徹底していると、もはや脱帽。
「天気をお作りします」のメッセージ
最後に、ドンマンが温めていた作品、
「天気をお作りします」
気まぐれな天気をコントロースできるようになった時代のお話で、
最後の、コントロールに反対する子どものセリフ。
통제될 수 없는게 존재하는 게 좋아요.
コントロールできないものが存在するのがいい。
나도 통제될 수 없는 무언가일 것 같은 느낌.
自分もコントロールされない何かであるような気分。
晴れても、雨でも、嵐でも、天気はそのままの天気として受け入れるように、
思い通りにならない自分も、そのままでいいような気分。
ああ、そういう映画だったのか
と、何一つ無駄のないドラマでした。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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コメント
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私はいろいろ思うところがありましたが、石田先生と同様、
>どこにでもいる「おじさん」設定が、私には一番共感できる
という点で、「私のおじさん」には(個人的には)遥かに及ばなかったです。
と申しますか、著名な映画祭や賞典で受賞した作品でも、
自分には難解すぎてよくわからなかったという経験も多くあるので、
芸術的なセンスの問題かもしれません(苦笑)。
感想のまとめは下記をご参照ください。
https://x.com/tsukidamasaya/status/2059243231184142602
津木田さま
いつもありがとうございます!
note、拝見しました。なるほど、演出もダメだったんですね。
この作品、好き嫌いがかなり分かれますね、たしかに。
私のまわりでも「ドンマンのキャラがどうしてもだめ」という人がいましたし
逆に、あの海苔巻きシーンがとってもラブリーだった、という人もいました。
私は、もともとク・ギョファン氏が好きなので、受け入れOKでした。
ドラマ配信サイトが増えて、たくさんある作品の中からどれを見るか
自分の好みを把握して、無駄なく?見るものを選ぶのもなかなか大変です。
おっしゃるように世間的に高い評価をえていても、自分に合わないものって結構ありますよね。
「国宝」、面白かったけれど「そんなに騒ぐほど??」でした。
自分のコンディションも確かに関係しますね。
若いころにつまらないと思ったものを年取ってから見たら感銘受けた、とかその逆とか。
作品見て、いろんな人と「面白かった」「私はダメだった」とわいわい語り合うのが
何より楽しいです。
note、ときどきチェックさせていただきます!