映画『顔』美醜の基準をめぐる居心地の悪さ

韓国で2025年9月に公開された映画『顔』、日本上陸まで1年もかかるなんて…。見たい作品は事前に評価やらレビューなど検索してしまうのですが、今回は余裕なくて、珍しく事前知識なく見てきました。
映画『顔』
「釜山行」(新感染ファイナル・エクスプレス)で有名な
ヨン・サンホ監督の作品です。
「念力」「半島」などは、面白くなかったけれど、
アニメの「サイビ」、ドラマ「地獄」シリーズは面白かったです。
そして、パク・ジョンミンさんとクォン・ヘヒョさんの名演技。
特に、パク・ジョンミンさんが演じる「お父さん」、
本当にクォン・ヘヒョさんの若いころという感じで、まさに怪演の域でした。
あらすじ
視覚障害をもつ篆刻職人のヨンギュは「生きている奇跡」と呼ばれ、
息子のドンファンと二人で暮らしている。
ある日、警察から「母親とみられる白骨が見つかった」と連絡を受ける。
予告編はこちら。
ヨンギュ・ドンファン親子を含め、
ほとんどの登場人物が「嫌な奴」なんですね。
取材記者は「より刺激的な素材」を求めて取材相手の気持ちなんかお構いなしだし
母親(ヨンヒ)の姉妹たちは葬式の場で「父親の遺産相続を放棄しろ」とか言うし
ヨンヒが生前働いていた会社の同僚たちも社長の本当に無礼だし。
でも「こういう人いるよな」と思わせるリアルさがあるので、
さらに、自分の中にもそういう面があるな、という居心地の悪さを感じます。
ヨン・サンホ監督のテーマが、こういう人間の暗い面なのでしょうね。
美醜の基準
白骨となって発見されたドンファンの母親ヨンヒについて、
その姉妹も、かつての同僚もみなが、
아주 못생겼다 アジュ モッセンギョッタ
とても醜かった
괴물 같았다 クェムル カタッタ
怪物のようなだった
と言います。
「どんなように?」と聞いても、
誰も具体的には説明せず、
とにかく、醜い顔だったとだけ言います。
映画を見ながら、
どんな顔をしているのだろう
どれほど不細工なのだろうか
最後、ヨンヒの顔は映るのか
顔は映らないまま終わるのか
などなど、好奇心を持ってしまいます。
ヨンヒが生きていた40年前。
ちょうど「漢江の奇跡」と言われた経済成長まっさかりの中
ヨンヒは紡績工場で働いていました。
少し知的障害があるような感じで
おどおどとしたしゃべり方と
のろのろした動作。
いつも怒鳴られ、からかわれていました。
最後、ヨンヒの顔は明らかになるのですが、
どれほど不細工なんだろう、と好奇心を持っていた私は
ドンファンと一緒に、泣きたくなりました。
「役立たず」の烙印を押されると
実際の見た目と関係なく「ブス」と言われる。
昔から学校や職場のイジメはそうでした。
イジメの対象になると、
外見についてもボロクソに言われてしまうという
残酷な現実・・・。
言われる側が受けるダメージは計り知れないのに。
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今よりはるかに障碍者に厳しかった40年前、
視覚障害のヨンギュは、
美しいハンコを作ることで認められようとしていました。
努力するほどに、美しさへの執着が強くなったのかも。
役立たずだから醜いと言われる。
醜いから役立たずなのだ。
社会の役に立つものは美しい。
美しいから社会の役に立つのだ。
だからヨンギュは、
美しいハンコを作る存在として生きたくて、
役立たずの笑いものの象徴である醜いものを排除した。
でもヨンヒは、
視覚障害のヨンギュに温かく接し、
職場の不当な人事に正面から抗議する
心の美しい人でした。
見終わって、いろいろ語りたくなるよい映画でした。
主演以外の登場人物たちも、
顔なじみの俳優さんがたくさん出ていました。
ヨンヒを演じたのが
シン・ヒョンビンさん
「賢い医師生活」のチャン・キョウル
ヨンギュをインタビューしている記者が
ハン・ジヒョンさん
「ペントハウス」でチュ・ダンテの娘でした。
ヨンヒが働いていた工場の社長が
イム・ソンジェさん
「ウ・ヨンウ」でドン・グラミのアルバイト先のヒゲの社長でした。
みなさんそれぞれいい味だしていました。
よろしかったらお願いします!

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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