『インサイダーズ内部者たち』果てしなく下品だけど、見ごたえ十分のチンピラのイ・ビョンホンと腐敗した韓国社会

don-1264858_640

どのサイトを見ても高い評価の『インサイダーズ』。でも、予告編でも血まみれシーン満載なので、見るかどうか迷ったのですが・・・、見てよかったです。

スポンサーリンク

スタッフ・キャスト

監督ウ・ミンホ
原作ユン・テホ

チンピラのアン・サング  :イ・ビョンホン
検事のウ・ジャンフン  :チョ・スンウ
新聞社のイ・ガンヒ   :ペク・ユンシク
大統領候補のチャン・ピル:イ・ギョンヨン
財閥会長のオ・ヒョンス :キム・ホンパ

1in1
写真は公式HPより

あらすじ

財閥から大統領候補へ多額の裏金が流れ、それを裏で協力しているのが、大手新聞社の主幹、イ・ガンヒ。イ・ガンヒにいいように使われた挙句に裏切られたチンピラのアン・サングは復讐をたくらむ。一方、アン・サングに邪魔されて裏金スクープを逃した検事のウ・ジャンフンは、巻き返しのためにアン・サングに近づく。

スポンサーリンク

腐敗懲らしめモノ

『ベテラン』もそうでしたが、「腐敗懲らしめモノ」でした。
財閥の横柄なふるまい、権力に歯向かえない警察や検察、
権力と癒着した言論。
『ベテラン』ではヒラの刑事が、『インサイダーズ』ではチンピラと
コネのない検事が、腐敗した権力に一矢報いるわけです。
『ベテラン』を見た時には、爽快感がありましたが、
「腐敗懲らしめモノ」2作目ともなると、これってガス抜き?と思えてきます。
現実社会の腐敗がなんら解決しなくても、映画館で爽快感味わえればいいや、
ってならないようにしなくては。
『ベテラン』の感想はこちら

ものすごく悪い人イ・ガンヒ
1in4

二転三転のどんでん返し

新聞社主幹のイ・ガンヒは、自分たちの悪事が暴かれた時、
「チンピラが言うことは、みんな疑わしく思うものだ」
といって、世論操作しました。
それが事実であっても、伝え方や伝える人によってバイアスがかかる。
「バイアス」で陥れられたチンピラのアン・サングは、それを逆手にとるわけです。

検事のウ・ジャンフンは自分に「学閥やバックがないこと」をいつも恨んでいます。
正義漢なようでいて、手柄を上司にとられる、中央庁に行けない、
という不満を聞いていると、
「学閥やバックがないから出世できない」のか
「学閥やバックがないから正義を実現できない」のか、
最後まで信用させてくれない、ニクい奴でした。

検事ウ・ジャンフ
1in2

見たくないところ

「見どころ」より「見たくないところ」を先に。
秘密を吐かせるために、裏切りを制裁するため、暴力シーンは欠かせないのでしょうけれど、
のこぎりで腕を切るとか、鉛筆で手の甲を刺したり、斧を振り回したり・・・。
恨みや憎しみ、もしくは「やらなきゃやられる」というのがあるにしても、
血しぶき見るたびに寿命が縮まりそうでした。

1in3

そして性接待のえげつなさ。人間、ここまで下品になれるのか。
これを見ちゃうと、
イ・ビョンホンのトイレシーンや、ラーメン吐き出すシーンなんかは、
かわいいもんです。

見どころ

とにかくイ・ビョンホンの存在感がものすごかったです。
チンピラもはまり役だったとは。

best1

もちろん、検事役も悪役たちも、妙にリアリティ感じさせる芸達者ぶりでした。

前半は人間関係が把握しきれず、不安になりましたが、
後半に突入するころには、気にならなくなりました。
(最後まで、これ誰だっけ?という人がいました・・・)

韓国でこういう映画が大ヒットするということは、それだけ
財閥や公権力に対する不満を社会全体で共有している
ということだと思います。
それを告発しつつ、上級のエンターテイメントにしてしまう
というのも、すごいパワーです。

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

カテゴリー

ページ上部へ戻る