映画『監獄の首領』ハン・ソッキュが完全な悪人に(ネタバレなし)

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『根の深い木』では思慮深い世宗大王を演じていたハン・ソッキュさんは、気品があるように見えたのですが、この映画を見ると根っからの悪人で、汚らしく見えてくるから不思議です。

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『監獄の首領』あらすじ

公式HP(写真をクリックするとHPに飛びます)
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あらすじ
ソウルのとある刑務所では夜になると囚人たちが塀の外に飛び出し、証拠も痕跡も残さず完全犯罪を犯していた。そんな刑務所の中で首領のように君臨する囚人チョン・イクホ(ハン・ソッキュ)は、犯罪組織のボスで囚人たちを指揮する張本人だった。そこに、検挙率100%を誇った元刑事ソン・ユゴン(キム・レウォン)が、ひき逃げ・証拠隠滅・収賄の容疑で収監されてくる。負けん気が強く、血気盛んなユゴンはトラブルを繰り返すが何度もイクホに助けられたことがきっかけで、徐々に犯罪の世界に足を踏み入れるようになる。そしてユゴンに目をつけたイクホは、計画していた新しい犯罪にユゴンを利用しようとするのだが・・・
(公式HPより)

この「あらすじ」を読むと、
ユゴンがイクホの「事情」を知ると、イクホ一味は実は「義賊」で・・・みたいな展開を予想していたのですが、全然違いました。

トランプとか石とかワイングラスとかを綺麗に積み上げて作ったお城を、音を立てて一気に壊す快感。破壊の快感を感じさせる作品でした。

予告編

ドラマ『被告人』の刑務所

映画の大部分の場面が刑務所。
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この見張り塔。なんか、目になじんでいるような、
と思ったら、やはりドラマ『被告人』の刑務所と同じでした。

撮影が行われたのは、全羅南道長興郡にある長興(チャンフン)刑務所ですが、2年前に移転していて、移転前に使われていた旧刑務所建物だそうです。

撮影のために、雑草を刈り、電気・水道・配管なども整備し、現役の刑務所のように蘇らせたわけですが、この『監獄の首領」の撮影が終わった後に、ドラマ『被告人』の撮影が始まったそうです。

せっかく整備もされたことですし、今後も刑務所を舞台にした映画やドラマの、撮影聖地になりそうですね。

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男ばかりの映画

見事に男しか出てこない映画です。
舞台が刑務所だから仕方がないにしても、冒頭に通りすがりの女性が、途中に電話で女性の声が聞こえるだけ。

このたった2回だけだからこそなのか、「女性の扱われ方」についての意見もあったそうです。

ナヒョン監督はインタビューで、
「女性を性的な象徴物として扱うつもりはまったくなかった。しかし観客から指摘されたのを機に、次回作では女性キャラクターについてもっとよく考えてみる」
と話しています。

チョン・イクホの過去

映画を見る前、どうして刑務所の人々が刑務所外で犯罪を犯すのか、その理由やプロセスが描かれるのだろうと思っていました。
つまり、主人公イクホが刑務所に入るまでの過去がからんでくるのだろうと。

結局、イクホという人物については「今」しかありませんでした。
ユゴンについては、刑務所に入った理由や目的が詳細に語られていたので、対照的でした。

これについても、インタビューで監督は、
「最初に書いたシナリオでは、イクホの過去と刑務所内で権力を掴むまでの過程を書いていたが、最終バージョンのシナリオですべて削った。
イクホにカリスマを与えるためだ。過去を背負わせると人物が弱くなる。
それと、ユゴンの過去の話もあるので、回想シーンが増えて複雑になりすぎるのも避けたかった」ということでした。

これは破壊の物語であって、人間の物語を書きたいわけじゃない、ということなのでしょう。

でも、私はイクホの過去を入れてほしかったと思います。この映画の好き嫌いが分かれるポイントですね。人間の物語を描いた映画を好む人には、不満が残るかもしれません。

ストーリーに対する不満が残るとしても、
ハン・ソッキュとキム・レウォンの二人の演技力は、やはりさすがだなあ、という満足感で、不満は相殺されます。

2018年1月日本公開です。

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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!

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