映画『君と私』最後の「サランヘ」が耳から離れない

俳優さんが監督した作品、セウォル号事件を扱った作品、同性愛を描いた作品・・・などなど何かと話題作ですが、韓国での上映から丸2年たってからの日本上陸です。
映画『君と私』
原題:너와 나(君と私)2023年10月公開
監督:チョ・ヒョンチョル
俳優として「D.P」でいじめられ役が印象的で、
最近では「エマ」でクァク監督役を演じていました。
今作が長編映画のデビュー作となります。
キャスト
セミ:パク・ヘス
今年30歳!なのに、高校2年生役がまったく違和感ありません。
「スウィングキッズ」「サムジンカンパニー1995」などに出演
ハウン:キム・シウン
「ランオン」「イカゲーム2」などに出演
あらすじ
セウォル号事件の前日、セミは縁起の悪い夢を見て、
大好きなハウンが自分の思い通りにならないことにイライラする。
予告編はこちら。
2022年の「プサン国際映画祭」、「ソウル独立映画祭」で公開されたあと
2023年10月に正式に公開されました。
商業映画ではないので、観客動員数は4万人程度でしたが、
2024年、ちょうどセウォル号事件の10年目の年に
百想芸術大賞でGUCCIインパクト賞を受賞
青龍映画賞で新人監督賞を受賞
しています。
ざっくり感想
2014年4月16日、安山市の檀園高等学校2年生たちが
修学旅行のために乗船していた船が沈没しました。
それを知って映画を見ているので、修学旅行の前日に
洋服を選んでいたり、
床屋で髪を切っていたり、
スーツケースに荷物を入れていたり
という高校生たちの姿を見るだけで涙が出ます。
そして、スクリーンに映る
日差し、花、草原などが、
これでもか!
というほどに若々しく、みずみずしいんです。
高校2年生の若さ、青春、希望なんでしょうね。
セミがハウンのことが「大好き」という感情が先走って
なんで私の気持ちに応えてくれないの!!!
という不満が強すぎて、相手の立場を慮れない
というのも、16、7歳くらいにありがちなことですよね。
生命力があふれている本当によくある日常が
2014年4月16日に突然おわってしまう。
そして一人取り残されてしまう。
あまりにあまりに辛すぎて、想像しきれない感じが
抜け出た魂が自分を眺めているような
まさに悪い夢をみているような映像でした。
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セウォル号沈没事故は、
運行会社の過積載や管理不備などが原因で
さらに事故直後の政府の対応が悪くて、
助かったはずの命さえ助かりませんでした。
まさに人災です。
犠牲になった子どもたちを決して忘れてはならない
と改めて思いました。
同性愛というほどではなく
この映画は、
同性愛を扱っているといわれますが、
女性同士の同性愛を描いた映画といえば、
2019年の『ユンヒへ』(原題:윤희에게)
大学生の娘をもつ母親が、若かりし頃に愛し合っていたのに
大人たちによって無理やり別れさせられ、大人になって再会するまでのお話
2021年の『あの夏』(原題:그 여름)
高校生の女の子二人が愛し合い、別れるまでのお話
などが思い浮かびますが、これらと比べると
『君と私』は、同性愛というほどではないかな
という感じがします。
自分の気持ちが強すぎると相手の気持ちより
自分の気持ちが先走って、とても自己中心的になる
という程度かなと思います。
チョ・ヒョンチョル監督さん、この映画を
6年かけて準備した
と言っていました。
つらいけど、良い作品です。
よろしかったらお願いします!

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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