映画『済州島四・三事件 ハラン』に描かれた事実

韓国で2025年11月に公開された映画『ハラン』。日本では2026年4月3日に公開されました。日本でのタイトルも『済州島四・三事件 ハラン』とずばり日にちが入って。日本には済州島ルーツの在日韓国朝鮮の人たちが多くいるので、それだけ強い思いが込められています。
『済州島四・三事件 ハラン』
2025年11月26日 韓国で公開
監督・脚本:ハ・ミョンミ
キャスト
コ・アジン:キム・ヒャンギ
20代のヘセンの母親。海女。
ヘセン:キム・ミンチェ
アジンの娘。6歳
あらすじ
1948年の済州島では、討伐隊が共産主義者を追っている。
討伐隊は村人たちまで「共産主義者をかくまっているはずだ」と
容赦なく打ち殺すので、山に登って身を隠し、
一部男性たちは武装する。
そんななか、アジンは討伐隊が村に火を放ったと聞き、
娘のヘセンを助けに行くが・・・。
予告編はこちら。
ところで映画タイトル「ハラン」ですが、
漢字で「寒蘭」、花の名前ですね。
日本にも自生していて
韓国では済州島にのみ咲いているそうです。
「寒蘭」は韓国語で한란
発音は[할란] ハルランです。
hal-lanを「ハラン」にしてしまうのは、
ちょっと、乱暴な気もしますが、仕方ないのでしょう。
四・三事件とは
1910年から1945年までの足かけ36年の
日本による植民地支配がおわったあと
これで自由になるとの喜びもつかの間
アメリカが後ろ盾になっている李承晩が
南だけの単独選挙を推進します。
そんなことをしたら南北に分断されてしまうと
最後まで単独選挙に反対したのが、
済州島の人々でした。
南北分断を防ぐために、選挙をボイコットしたのです。
若者を中心に力づくで抵抗しようと武装した人々もいました。
これに対して南側の政府は
共産主義者の仕業だ
と主張し、済州島全体を武力で制圧しようとしました。
これが済州島四・三事件です。
当時の済州島の人口が30万のうち
少なくとも3万人の人々が亡くなったと言われています。
10人に1人。
済州島の人々は、みな、家族や友だちに犠牲者がいる
と言っても過言でありません。
映画に描かれた事実
討伐隊は、村に残っていた年寄りたちを銃殺しました。
その中に6歳のヘセンもいたのですが、
祖母の胸に守られてただ一人生き残ります。
これは、実際の被害者が語った
お母さんの胸に抱かれて生き残った
という記録があるそうです。
また、政府軍が村を焼き尽くす場面が出てきますが、
これも「吾羅里放火事件」として記録に残っている事実だそうです。
当時、一瞬、平和協定の話し合いがあったのですが、
政府と警察が吾羅里に火をつけておきながら
それを「共産主義武装隊の仕業」と発表し
その後、一般人への虐殺を本格化させた、とか。
映画の後半に、若いムン一等兵が上官らを射殺する場面があります。
これも「パク・チンギョン連隊長被殺事件」
をモデルにしているようです。
映画は、実際にあった出来事をつなぎ合わせて、
それをアジンとヘセンの視点から描いています。
政府側の虐殺はもちろん、
抵抗隊たちが主張する「正義」の暴力についても、
どちらからも痛めつけられた住民の視点です。
スポンサーリンク
そういえば、
ちょうど韓国で『ハラン』が公開された時期に、
済州島住民を虐殺したパク・チンギョン連隊長を
国家有功者にするという決定を、
四・三事件の被害者たちが批判して取消す
という騒動がありました。
韓国で四・三事件は長らくタブーだったので、
事件や関連人物に対する評価も
はっきり定まっていない部分があるのでしょう。
どうでもいい感想
この映画を最初に知ったときにまず思ったのが
キム・ヒャンギがお母さん役???
でした。
映画「無垢なる証人」で自閉症の少女
映画「神と共に」であの世の使い
など、本当に少女のイメージだったのに。
アジンたちが山の洞窟に避難しているとき、
巫堂(무당)が先祖たちに祈る場面があります。
そこで「先祖の皆さま、お疲れ様です」のようなセリフがあり、
폭싹 속았수다 ポクサク ソガッスダ
って言っていました。
アイユとパク・ボゴム主演の「おつかれさま」の
韓国語タイトルですね。
悲しい物語なのですが、一瞬「キャッ」となってしまいました。
そして、その巫堂役のキム・チェヨンさんは
『Missホンは潜入調査中』でミスクを演じていました。
なじみの俳優さんが出てくるとちょっとうれしいですね。
よろしかったらお願いします!

韓国語ランキング
自己紹介はこちら
最後まで読んでいただきありがとうございます。
スポンサーリンク
コメント
この記事へのトラックバックはありません。







この記事へのコメントはありません。