『トッケビ(鬼)』第4話に出てくるガム(껌)とかコル(콜)とか
市民講座の教材が『トッケビ』になったので、場面の細かい所まであれこれ気になります。
コンユが酔っぱらっている場面
900年を生きているトッケビ。胸に刺さった剣を抜けば「無」に戻れます、つまり死ねます。その剣を抜くことができるのは「鬼の花嫁」のみ。
ウンタクが「鬼の花嫁」だとわかり、つまりトッケビは死ぬことができるわけですが、いざ死ねるとなると、残念なようなもっと生きたいような、怖いような。
トッケビはウンタクを無視して遠ざけていたのですが、酔っぱらった勢いでウンタクと親しく夜道を散歩しています。
ウンタク:飛べる?
날 수 있어요?
トッケビ:もちろん。
껌이지.
ウンタク:今度見せて。
다음에 보여주세요.
トッケビ:ああ。
콜.
ドラマに良く出てくるガム
「もちろん」というセリフ、
껌이지.
直訳すると「ガムだろ」。
「ガムをかむほど簡単なこと、朝飯前」
という意味で使われているようです。
日本語に、「赤子の手をひねるより簡単」という言葉があり、
韓国語にも
식은 죽 먹기 冷めたお粥を食べること
누워서 떡 먹기 寝転んで餅を食べること
ということわざがありますが、
若者にとっては、お粥より餅より、ガムなんですね。
ガムといえば!
「君の声が聞こえる」のスハですね~~。
チャン・ヘソン弁護士は、スハのことを
「ガム君」껌딱지と呼んでいました。
껌:ガム
딱지:紙片,紙きれ,切手,証紙,レッテル.
ちなみに、スハはヘソンのことを
「ジャンヌダルク」 짱다르크 と呼んでいました。
通常は、잔 다르크と書く方が一般的なようです。
ギャンブル用語の콜(コル)
ウンタク:今度飛んでみせて
다음에 보여주세요.
トッケビ:ああ
콜.
콜(コル)って若者がよく使っていますね。
英語のCall、「OK、そうしよう」の意味で使われていますが、
もとは、ポーカーゲームの用語で、相手の提案に乗る、という意味だそうです。
콜で一番印象に残っているのは「ヒーラー」チ・チャンウクのセリフ。
요즘 내가 좀 바빠서 나중에 시간이 펑펑 남아돌면 그때 사부 뼛가루는 좋은 데 뿌려줄게. 남태평야? 콜?
最近忙しいから、あとで時間ができたら、師匠の骨の粉はいいところに撒いてあげるよ。南太平洋?OK?
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『トッケビ』この場面の動画
動画と、韓国語のセリフをつけておきます。
은탁: 그 동안 어떻게 살았어요? 뭐 하면서.
今までどうやって生きてきたの?
김신: 너를 기다리며 살았지.
君を待ちながら生きてきた。
은탁: 시끄럽고요.
うるさいわね。
김신: 작게 말했어.
小声で言った。
은탁: 우울할 때는 비 오고 기분 좋을 때 뭐 해요?
憂鬱な時は雨が降るけど、気分のいい時は?
김신: 패스
パス
설마 뭐 꽃 피고 그러는 거 아니야?
花が咲くとか?
김신: 아니야, 다음 질문.
違うよ。次の質問。
은탁: 날 수 있어요?
飛べる?
김신: 껌이지
もちろん。
은탁: 다음에 보여 주세요.
今度みせて。
은탁: 나 몇번째 신부예요?
私は何番目の花嫁?
김신: 처음이자 마지막.
最初で最後。
은탁: 처음은 그렇다 쳐요. 마지막인 거 어떻게 아는데요?
最初は分かるけど、なんで最後なの?
김신: 내가 그렇게 정했으니까.
俺がそう決めたから。
은탁: 마약에 내가 신부 안 하겠다고 하면 어떻게 되는데요?
もし私が花嫁にならないっていったら?
김신: 검을 못 뽑아. 그건 너 밖에 못 하거든. 검을 뽑아야지 내가…
예뻐져, 지금은 안 예쁘잖아.
剣が抜けない。これを抜けるのは君だけだ。剣が抜けないと…きれいになれない。
은탁: 아, 혹시 그거예요? 동화 보면 왜 저주 걸린 왕자가 진정한 사랑 만나면 원래 모습으로 돌아가는 그거? 개구리 왕자는 개구리에서 왕자, 미녀와 야수는 야수에서 왕자, 도깨비는 도깨비에서 빗자…, 다음에 뺍시다, 다음에. 빗자루가 필요한 순간에.
ああ、童話に良く出てくるよね。真実の愛で元の姿に戻るあれ?カエルから王子に、野獣が王子に。鬼は、ほうき?あ、今度にしましょう、ほうきが必要な時に。
김신: 니가 몰라서 그런데, 내가 지금 이 상황에서 웃으면 미친놈이거든. 그래, 다음에. 오늘은 말고. 오늘은 그냥 너랑 웃고.
君には分からないだろうけど、本当は笑えない場面なんだよ。今度にしよう。今日は君と笑っていたい。
은탁: 첫눈이 오면?
初雪が降ったときにする?
김신: 첫눈?
初雪?
은탁: 빗자루 필요하잖아요.
ほうきが必要でしょ?
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コメント
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はじめまして!
私は韓国に住んでいる韓国人です。
日本でもブログ活動を始めて色んな方々のブログを見学している内にここまでたどり着きました。
私は日本の映画やドラマなどを韓国語に訳す仕事をやってますが、さすがに韓国語から日本語への翻訳は無理ですね。
私としても日本語の勉強に役に立ちそうな記事が盛り沢山ですね。
ちょくちょくお邪魔してもよろしいでしょうか?^^;
あ、あと「짱다르크」は「最高あるいは頭」の意味を持つ俗語の「짱」と「잔다르크」の合成語です。
カワトシさま
コメントありがとうございます!
映像翻訳を専門にやっていらっしゃるんですね。
ジャンヌダルクの、짱다르크の部分の字幕を確認してみたら、
「チャンヌ・ダルク」となっていました。
짱のニュアンスを字幕で表現するのは難しいですね。
ぜひぜひ、またいらしてください。お手柔らかにお願いします(笑)。
歓迎(・・・かな?^^;)ありがとうございます。
確かに「짱다르크」は日本語に訳しづらいでしょうね。
韓国と日本ではいわゆる外来語の表記法にも違いがありますし、私自身も映像翻訳に携わらせてもらってる一人としてそういう部分の苦衷は察するに余りあります。(涙)
ではまたお邪魔しますね。
カワトシさま
もちろん、大歓迎しております!
翻訳は、異なる文化背景を含めて言葉にするので、
そもそも無理なことなんですよね。
映像の場合は文字数制限もありますし、なおさらですね。
また、ぜひ!お立ち寄りください。