チョン・ヘイン主演『D.P脱走兵追跡官』衝撃的な現実
一瞬、時間が空いたので、ネットフリックスがしきりにお薦めしてくる「D.P」を見ました。全6話ですが1話が45分と短いので、一気に見てしまいました。見終わって茫然自失… ドラマを見てこんなに衝撃を受けたのは久しぶりです。
『D.P脱走兵追跡官』
2021年8月27日公開 ネットフリックス
キャスト
アン・ジュンホ:チョン・ヘイン
ハン・ホヨル:ク・ギョファン
パク・ボムグ:キム・ソンギュン
あらすじ
軍に入隊したジュンホは、ボムグの元で、
ホヨルとともに脱走兵を捕まえる任務につく。
ちなみに、
「脱走」という漢字を韓国語読みすると탈주(タルチュ)です。
予告編でもわかるように、軍を脱走するのは、
탈영(タリョン)と言います。
漢字で、脱営
辞書には
所属する兵営を無断で抜け出すこと
と出ています。軍用語なんですね。
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なくならない軍内のいじめ
ドラマの中で出てくる言葉に
苛酷行為
가혹행위
というのがあります。
軍の訓令で禁じられている行為で、
軍内部で他の軍人に対して苦痛、侮辱または羞恥心を感じさせる違法的な暴力行為を言う。
と定義されているそうです。
罰則対象になっているにも関わらず、
なくならない苛酷行為。
最終話は、
いじめられた兵士が、銃を乱射するシーンで
終わりますが、
これは2014年6月に実際に起きた陸軍銃乱射事件です。
ドラマでは、こうした軍内の人権侵害事件の原因として、
周囲の傍観
を指摘しています。
そして、ラストシーンで、
チョン・ヘイン演じるジュンホが、
整列する群れから外れて、逆方向に走っていきます。
「傍観する群れ」から外れる存在
というのを象徴しているのか?と解釈できます。
傍観。
ドラマを見ている私たちにも突き刺さる問題です。
衝撃だった理由
最初は「いじめ」の描写が、
そんなひどいことが・・・!!!
と衝撃的でした。
次に、こういう素材をドラマにしたこと自体に驚きました。
社会の「負の側面」から目をそらさず直視して、
さらにエンターテイメントとして昇華させている・・・
そのエネルギーに圧倒されました。
今年起きた事件
ドラマ『D.P』は、主要登場人物がすべて男性です。
軍隊=男性社会
と考えがちですが、女性もいるんですよね。
時々、KBSのニュースを聞いているのですが、
最近あったとてもつらくて印象的なニュースが、
軍隊内で立て続けに起きた女性の自殺事件でした。
今年(2021年)、3月に空軍の女性兵士が同僚男性から性的暴行を受けて5月に自殺。
そして8月に、海軍の女性兵士が上官から性的暴行を受けたことから自殺。
いずれも、被害を訴えても上層部が対応しなかったり、
「なかったことにしてくれ」と握りつぶされたり、
という組織的な問題が指摘されています。
現在進行形で問題が起きている、
今も誰かが苦しんでいる、と考えると本当につらいです。
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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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