『六龍が飛ぶ』の登場人物-実在と架空と、モデルのある架空の人物と-
『六龍が飛ぶ』のイ・バンジが格好よすぎて、にわか변요한(ピョン・ヨハン)ファンになっています。
ドラマ『六龍が飛ぶ』の登場人物について、解説している記事がいくつかありましたので、概略を紹介します。
実際の六龍と、ドラマの六龍
SBS時代劇『六龍が飛ぶ』のタイトルは、「龍飛御天歌」1章にある文言
「海東、六龍が飛び立ち 事ごとに天福があふれる」
からとったものです。(くわしくは、「タイトルの由来」)
ここでいう六龍は、李成桂(イ・ソンゲ)とその直系5人。
목조 穆祖(李成桂の祖父の祖父)、
익조 翼祖(李成桂の曽祖父)
도조 度祖(李成桂の祖父)
환조 桓祖(李成桂の祖父)
태조 太祖(李成桂)
태종 太宗(李芳遠)
『六龍が飛ぶ』のイ・ソンゲ
ドラマ『六龍が飛ぶ』での六龍は、これとは異なり、
実在の3名、
이성계(李成桂)、정도전(鄭道伝)、 이방원(李芳遠)
架空の3名
이방지(イ・バンジ):鄭道伝の護衛武士
분이(プニ):イ・バンジの妹
무휼(ムヒュル):李芳遠の護衛武士
と言われています。
イ・バンジとムヒュルは『根の深い木』にも登場していたので、
馴染みの人物です。
格好いいイ・バンジは六龍の方。
格好いいムヒュルは『根の深い木』の方。
モデルのいる人物
ドラマで悪役といえる、当時の権力者、李仁謙(イ・イムギョム)と吉太味(キル・テミ)には、実在の人物がモデルになっているそうです。
SBSドラマ局のエグゼクティブ・プロデューサー、ハン・ジョンファンさんは、
「李仁謙は、歴史上の李仁任(イ・イニム)を、その側近の吉太味と洪仁訪にはそれぞれ、林堅味(イム・ギョンミ)、廉興邦(ヨム・フンバン)というモデルがいる」
と述べています。
権力者、李仁謙。
李仁任(イ・イニム)は、親元制作を取り、親明派を追放したあと、林堅味、廉興邦、지윤(チ・ユン)らの従者を要職につけ、売官売職(金銭・財物の代償に官職を与えること)など、好き勝手な政治を行ったそうです。
これらのうち、吉太味は特に、武士であるのに化粧をしていたり、派手な装身具、女っぽい話し方など、独特な人物として描かれているのも、モデルがいるとはいえ名前をかえて架空の人物として登場させているからでしょう。
派手な吉太味。
時代劇における架空の人物の功罪
時代劇に出てくる架空の人物は「ジレンマ」があるといいます。事実だけの物語だと退屈になるところを、視聴者の興味を引き付け、新鮮な素材となる劇的な装置として期待されます。しかし、時代劇を見て、その内容をうっかり事実として受け入れてしまうと、歴史を見る視点が偏ってしまうという危険もあります。
これについて、ドラマ『鄭道伝』のカン・ビョクテク監督は、
「ドキュメンタリーではないので、フィクションが付け加えられるのは当然のこと。その目的がどこにあるのかが重要です。すべて時代考証されているわけではないので、歪曲とはいいきれない歪曲はありえます」
と説明しています。
しかし、ある歴史研究家は、
「ドラマに対する解釈について、歴史の専門家同士で話題にすることはない。単なるフィクションだと思って見ているからだ」
確かに、私自身『根の深い木』を見て、密本が実在の組織だと思って調べたことがあります。
受験科目は日本史選択だったから、というのは言い訳になりませんが、
朝鮮史を細かく学んでいないので、韓国の時代劇を見る時には、とりあえず、
「すべてフィクション」くらいの前提で見た方がよさそうですね。
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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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コメント
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太祖の2代上の度祖は닥조であり、도조ではありません。
これは、僅かながら漢字の読みに例外があり、二つの読み方をするのがあるのです。
度祖を닥조と読むのは日本語でも支度(したく)と読むのがあるのと同じです。
『度祖=タッ(ク)チョ』です。
lea jaeseongさま
コメント、ありがとうございます。
ご指摘の度祖ですが、ネットで検索すると、
通常도조で、탁조が併記されています。
ネット検索のみで、歴史学的にはどうなのかわかりませんが、
韓国ウィキペディアには
조선도조(朝鮮度祖)
조선탁조(朝鮮度祖)
と出ているので、도조が広く知られていると判断し、
とりあえず、記事では도조のままにしておきます。
ご指摘、ありがとうございました。