映画『アシュラ』暴力に始まり暴力で終わる(ネタバレあり)
バイオレンス系は見ないのですが、出演俳優にひかれてうっかり見てしまいました。やはり・・・苦手です、この分野。
キャスト
監督:キム・ソンス
デビュー作1995年の「ラン・アウェイ」は、イ・ビョンホン主演のアクション映画、その次1997年の「ビート」はチョン・ウソン主演のアクション映画なので、基本、男臭い映画を作る人ですね。
ファン・ジョンミン:パク・ソンべ(アンナム市長)
自分の利益のために人も平気で殺す怖いものなしの悪党。
クァク・ドウォン:キム・チャイン(検事)
パク・ソンベ反対派で、証拠を手に入れるためには手段を選ばない。
チョン・ウソン:ハン・ドギョン(警察官)
病気の妻のため、パク・ソンベの手下になって悪事を重ねる。
弱みを握られて、検察への協力を迫られ、板挟みに苦しむ。
チュ・ジフン:ムン・ソンモ(警察官)
ドギョンの後輩で、ドギョンに誘われパク・ソンベの手下に。
そのうちドギョンより残酷に悪に手を染めてしまう。
チョン・マンシク:ト・チャンハク(検事)
キム・チャインの部下。命じられれば暴力も振るう。
実は、同じ映画館で「哭声(コクソン)」もやっていたので、
連続で二本見るチャレンジも考えたのですが、やめました。
キャストが見事にかぶっているんですよね。ファン・ジョンミンにクァク・ドウォン。
悪いファン・ジョンミンの顔。
簡単な感想
とにかく、人を殺す、拷問する、血しぶきが飛ぶシーンが続き、
共感や感情移入できる人が一人もいなくて、
そういう「ザ・悪」を描きながら、それを正す希望がないまま、
登場人物、もれなく全員死んで終わる。
確かに、宣伝文句にあるように、
役者たちの演技は見事でした。
カー・アクションの迫力はものすごいのですが。
また、
暴力や残虐性は、人間の本質で、
芸術として人間の本質を描いている、
とも言われますが、
仮に、そうだとしても、
私は「人間の本質」より、映画で見たいのは、
希望や夢かなー、と思いました。
映画のタイトルが「阿修羅」ですから、
夢や希望は、期待していませんでしたが。
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いろいろな評価
そんなわけで、韓国での『アシュラ』レビューを見てみました。
中央日報2016年10月15日の記事からいくつか抜粋します。
他の犯罪映画との違い
『ベテラン』や『インサイダーズ内部者たち』なども犯罪映画で、
主人公もいわゆる善人ではないが、権力もつ悪を相手に頭脳で戦い、
最後には痛快さがあった。
『アシュラ』も、市長・検事・警察というエリートらが集まるが、
頭脳戦などはない。キャラクターのすべての行為は暴力に始まり暴力に終わる。
カン・ユジョン映画評論家
「すべての行為が暴力によるものに描写されるので、あとにいくほどさらに残忍な状況を作らざるを得なかった」
「目的を失った暴力の過剰さは見るだけで物理的疲労感がつのる。」
「主人公の葛藤が観客に響いてこない辞典で失敗だといえる。共感をえず、孤独な映画だ。」
イ・ジヘ映画ジャーナリスト
「ノワール(犯罪映画)というジャンルの映画なのだから、アシュラがそれほど暴力的だとか残忍な映画ではない」
「青少年観覧不可の映画で、暴力性と残酷性があるのは当然。ジャンル的文法のなかでよくできている」
悪いチョン・ウソンの顔。
豪華な出演陣
チョン・ウソン、ファン・ジョンミン、チュ・ジフン、クァク・ドウォン、
それぞれが主役級の俳優だ。
だからこそ、彼らはすでに様々な「悪役」を演じており、
とりたてて、新鮮味はない。
イ・ジヘ映画ジャーナリスト
「俳優たちは、十分に新しい姿を作っているが見慣れた姿だ。俳優を十分に活用できていない」
キム・ヒョンソク映画ジャーナリスト
「男性的なイメージが強い個性的な俳優がぶつかり、攻撃的効果を起こす。劇中の風景をさらに地獄度を高めている」
悪いチュ・ジフンの顔。
作家性と既存の枠
『アシュラ』を評価する声で目立つのが、
「正義の主人公が問題を解決するありふれた話でないのがよかった」
という感想。
勧善懲悪というありふれた枠を超えた結末が好評を得ているという点だ。
キム・ヒョンソク映画ジャーナリスト
「キム監督のデビュー作ランナウェイとビートでも資本の欲望が支配する都市の裏側の話を扱った。ここからロマンを排除し過酷な現実を加えたのがアシュラだ。」
ホ・ナムン映画ジャーナリスト
「売れる映画の作り方が定着している今、一人の監督が自分の世界観を十分にこめた映画をつくったことだけでも評価すべき」
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表現が極端なので、好き嫌いが分かれるとは思いますが、
映画専門家の間でも評価が分かれているようですね。
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コメント
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2020年 4月 14日
こんにちは(´∀`)
私も以前、字幕なしですが観ました。
細かいセリフをもう一度、大画面で確認したい作品ではないかな~と…映画館に行くのを迷ってます(´艸`)
チョン・ウソンさんのグラスを食べちゃうシーンには引きましたね( ̄∀ ̄)
でも残忍な映画ですが、メンバーの仲はものすごくいいみたいで、
キム・ウォネさんを含むメンバーが『無限に挑戦』に出演してはじけてるのを見ましたよ~。
『哭声』も字幕なしで観ましたが、キャストがかぶっているのは何ら気にならないと思いますけど、
この二本立てで観るような作品ではないですかね~(´艸`)
クァク・ドウォンさんはこの映画が初主演ということで、ヒットするかどうか、ものすごく心配していたのが可愛かったです(´艸`)
この映画は怖いとの韓国での噂でしたが、怖いと言うより気持ち悪い映画だと友達と意見が一致しました。
そして難解です!
ドウォンさんもジョンミンさんも國村さんもチョン・ウヒさんも、そして子役のキム・ファニちゃんまで
演技がものすごくいいんですけど、最終的なストーリーが難解という映画でしたね~
ジョンミンさんのファンの友達によると、監督以外、誰も結論がわからない映画だそうです( ̄∀ ̄)
ドウォンさんは、夫婦役を演じたチャン・ソヨンさんとこの映画をきっかけに、実際にお付き合いが始まりましたよね(´艸`)
ジョンミンさん、次回は『軍艦島』だし、その次は『工作』という北朝鮮絡みの映画だそうですし、
なかなかしんどい映画が続きますね~ㅠㅠ
NICOさま
コメントありがとうございます!
覚悟を決めて見に行きましたが、何度か目をつぶってしまいました。
『アシュラ』キャストが勢ぞろいした『無限に挑戦』、
私も見ました!
みんな芸達者で楽し人たちで、血みどろで死んだ人たちとは思えませんよね(笑)。
『哭声』、難解なんですね・・・。
『アシュラ』で疲れたので、見るのやめようかと思っています。
話題作なので、いろいろな映画館でロングラン上映でしょうから、
そのうち気が変わるかもしれませんけれど。
クァク・ドウォンさんの交際ニュースをみて、
意外と若かったのか!と思ったら、今年44歳で、普通に見た目通りでした。
「食えない人物」の役が多いですが、バラエティ番組みると面白そうな人ですよね。
韓国映画は、話題作がつぎつぎ出てくるので、
なかなか全部は見られませんが、楽しみが続いてうれしいです。
いつも、いろいろな情報ありがとうございます!