映画『善惡の刃』十数年前の事件なのに、警察の腐敗っぷりがすさまじい

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シネマート新宿で「反逆の韓国ノワール2017」の一つ、『善悪の刃』を見てきました。ノワールって「闇社会、犯罪、暴力」という意味らしいです。

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キャストなど

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タイトル:善惡の刃(原題재심 再審)
監督:キム・テユン
弁護士ジュニョン:チョン・ウ
冤罪ヒョヌ:カン・ハヌル
ヒョヌ母:キム・ヘスク
弁護士仲間:イ・ドンフィ
弁護士ボス:イ・ギョンヨン
悪い刑事:ハン・ジェヨン

予告編

出演者について

カン・ハヌルが演じるヒョヌ
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刑事らの暴力で無理やり殺人者にさせられてしまう。
落ちこぼれ感、不信感、怒りを全身にまとっています。

「ミセン」でのエリート役のイメージが強いですが、
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エリートでも落ちこぼれでも、まったく違和感ありません。天才ですね。

主人公の弁護士を演じるチョン・ウ。
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予告編では「レッドファミリー」のチョン・ウと出ていますが、
ファン・ジョンミンの「ヒマラヤ」で死んでしまった仲間を演じていました。
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今回の弁護士さんも、「ヒマラヤ」のムテクも、
お調子者で憎めないキャラクターです。

ヒョヌのお母さん役のキム・ヘスクさん
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今回は糖尿病で目が見えないけれど、海で貝や海藻をとって生計をたてているお母さん役です。
財閥の会長だったこともある(ドラマ『ピノキオ』)とは信じられないくらい違和感ありません。

他にも、どこかで見たことのある役者さんばかりなのに、
みんなこの映画で初めて見るように感じるほど、演じ切っています。

あらすじなど

殴る蹴るの暴力で殺人犯にしたてられ、10年も刑務所で過ごした青年が、
再審請求して無罪を勝ち取ったという、実際にあった事件をもとにした作品です。

実際の事件が起きたのが2000年。つい最近です。
そんな最近にも、警察で殴る蹴るの暴力で冤罪を生んでいたとは。

実際にあった事件がもとになっているので、
再審が実現し、
ヒョヌの濡れ衣を晴らすことができた、
という前提があるわけですから、映画の目玉は、

金儲け第一の弁護士ジュニョンが正義の人に変わり、
不信感の塊ヒョヌがジュニョンに出会って変わり、
その変化のプロセスに重点が置かれています。

映画もドラマも「濡れ衣モノ」が多いですね。
しかも実話をもとにしている、つまり、
実際に、暴力捜査などの弱い者いじめが珍しくないのか。

この映画でも、
弁護士がやるべきことをやる、
当たり前の仕事をして、勝利を勝ち取ります。

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トリビアねた

映画のメイキング動画に出ていた情報です。
物語に出てくる「場所」の名前にそれぞれ意味が込められているそうです。

警察が拷問につかっていた
명성 모텔 ミョンソンモーテル
「ミョンソン」は、「名声」だと思われます。
名声のために、不正腐敗が起きるという・・・。

登場人物たちが相談したりするカフェの名前が
판도라 パンドラ
人間の悪と災いが詰め込まれた箱で、
その最後に、希望だけが箱の底に残っていた。

ジュニョンが所属した法律事務所の名前が
테미스 로펌  テミス法律事務所
立法と正義をつかさどる女神で、
目隠しをして天秤を手に持つ姿で描かれます。

特に捻りはなく、直球の命名ですね、
法律と希望
映画のテーマにずばりです。

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コメント

    • NICO
    • 2017年 7月 11日

    こんにちは(´∀`)

    私もこの映画、字幕なしですが観ました。
    字幕なしなので理解できていないところ(ヒョヌオンマが糖尿病で見えなくなったとことか…)もありますけど、胸が痛む映画でしたよね。
    私は事件自体もですが、この事件の再審の結審が昨年の11月だったことも衝撃でした。
    その頃は、この映画の撮影も終わるか終らないかくらいの微妙な時期だったでしょうし…。
    胸が痛む作品ではありますが、多くの方に観てほしい映画でもあるかな~?と思います。
    そして、どこの国でもこのようなことは起こらないでほしい。
    無罪になったとしても、もう二度と人生は戻ってこないのですから。
    私も字幕なしでもう一度観たいです。

    ヒョヌを演じたカン・ハヌルさんは、若いですけど本当に俳優としての引き出しの多い方ですよね。
    歌も上手だし、彼が出演しているというだけで、映画でもドラマでも観ようと思ってしまうくらいです(´艸`)
    そして実際にも何作か観ることになりましたが…ふふふ。
    チョンウさんとも普段から仲がいい間柄ですし、あの、悪い刑事の筆頭役を演じたハン・ジェヨンさんも、
    ハヌルさんと同じ事務所で、歳は離れていますが飲み友達なんだそうですよ。
    『ハッピートゥゲザー3』に一緒に出演されて言ってました。
    そして、去年末のSBS演技大賞にハヌルさんもですが、キム・ヘスクさんも出席されてたんですよね。
    年が明けてすぐ、ハヌルさんは少し離れた席に座っていたヘスクさんの元へ飛んでいって、新年?の挨拶されている様子が映っていました(´艸`)
    そんなチームワークの良さも画面に現れていたような、そんな気もしました。

    ハヌルさんの最新作は来月公開の映画『青年警察』ですが、こちらもとても楽しみです♪
    予告編を見ましたが、パク・ソジュンさんと二人、とても楽しんで演じてる感じです。
    ハヌルさん、ソジュンさんが出演するから、とこの作品を選んだんだそうですよ。
    そして、映画『記憶の夜』と、これから撮るドラマ『バッドガイズ2』の撮影が終わったら入隊だそうですね。
    しばらく演技が見られないかと思うと寂しいですけど、無事に帰ってきてほしいです~
    長くなってしまって…すみません…(´艸`)

      • sokjon2016
      • 2017年 7月 12日

      NICO様
      本当に、この事件、最近のことなんですよね、まさに「今」の問題。
      国家権力の腐敗と、それに抵抗する物語が、韓国映画には多くて、
      そういう現実があるんだなあ、と厳しい気分になりますが、
      それをテーマに映画を作り、観客が入るという現実もすごいと思います。
      告発できる土壌があるわけですからね。

      悪役を演じている俳優さんは、(演技がうますぎて)本当に悪い人じゃないかと思ってしまうので、インタビューなどをみると、ほっとしますね(笑)。
      今、GYAO!で「キルミーヒルミー」を見ていて、パク・ソジュンに惚れているので、
      「青年警察」がとても待ち遠しいです。
      見たい映画が多くて、映画みる目的で韓国行ってきたいですが、なかなか・・・。

      韓国ドラマを見るようになったのがここ数年なので、なじんだ俳優さんが次々に入隊していくのでさびしくて仕方がありません。
      イ・ミンホ、ソ・イングク、イム・シワン、そしてチ・チャンウクもそろそろですし(泣)。
      涙をこらえて、2年後、どんな姿で、どんな作品で復帰するのか、楽しみにしています。
      コメント、ありがとうございます!

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