映画『セシボン』韓国の60‐70年代フォークソングを描いた青春映画
かなり前に見たまま、感想が書けなかった映画『セシボン』です。韓国で公開後、わずか2か月後に日本でも公開されてびっくりでした。
『セシボン』韓国70年代フォークソング映画
チン・グが出てるというので、映画みながら探しましたが、最後までわかりませんでした…。
この写真でわかりますか?うそでしょ、ソ・デヨン!
キャストなど
監督:キム・ヒョンソク
オ・グンテ: チョン・ウ→キム・ユンソク
ミン・ジャヨン: ハン・ヒョジュ→キム・ヒエ
イ・ジャンヒ: チン・グ→チャン・ヒョンソン
ソン・チャンシク:チョ・ボンネ
ユン・ヒョンジュ:カン・ハヌル
あらすじ
韓国フォークソングの神!ともいえるソン・チャンシク、ユン・ヒョンジュら、実在の人物、存命中の人物を扱った映画です。
当時の歌をたっぷりきかせるミュージック映画と期待しますが、
60年代の音楽喫茶で誕生したソンとユンの「ツインフォリオ」がもとは3人グループで、いなくなったオ・グンテとミン・ジャヨンの出会いと別れ、そして再会の物語です。
予告編
韓国と日本の評価
韓国では「失敗作」と言われました。映画の評価は、個人の好みもありますし、商業的な成功・失敗をもとに良い映画、悪い映画と言えるものではないと思いながらも、野次馬根性でちょっと気になります。
韓国での感想を見ると、音楽映画を期待したのに恋愛モノだったというのがありますが、これは逆に韓国70年代フォークになじみのない日本の観客にはプラスに働いたようです。
日本の個人ブログなどで感想をいくつか読んだところでは、オ・グンテの恋心に泣いた、というものが多かったです。
私は韓国留学が80年代だったので、ソン・チャンシクの歌は耳になじんでいるということもあり、「ツインフォリオ」誕生秘話と、映画で歌われる歌に「おお!」と鳥肌立ちました。
いい映画だと思うんですが・・・。
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30年で変わりすぎ!
まず、主人公のチョン・ウとキム・ユンソク
ヒロインのハン・ヒョジュとキム・ヒエ
問題のチン・グとチャン・ヒョンソン
写真で並べると、まぁアリかなとも思えてきますが、映画でみていると「これ、だれ?」となってしまいました。演技力のある3人ですから、もとの役者さんのままでもよかったのに。
ちなみに、現在のソン・チャンシク、映画ではチョ・ボンネ。
現在のユン・ヒョンジュ、映画ではカン・ハヌル。
韓国で不評だった理由
前評判もよかった『セシボン』は、観客動員数170万人、損益分岐点の300万にはるか及びませんでした。
伝説のフォークスターを演じる、カン・ハヌルとチョ・ボンネさんは、ものすごいプレッシャーだったでしょうけれど、歌がとても上手でした。だからこそ、もっと歌ってもいいのに、という不満が残ったのかもしれません。
でも、一番の原因として挙げられているのが、なぜかハン・ヒョジュ。しかも演技とは関係のない部分で…。
2013年に軍隊内で若い軍人が自殺するという事件があり、軍では事件そのものを隠していたのですが、その後に自殺の原因は精神病だったと発表しました。しかし本当の原因はいじめで、その張本人の中尉がハン・ヒョジュの弟だったということが判明。
これに関して、ハン・ヒョジュが態度を明らかにしなかったということもあって、「ヒョジュが憎いから映画も憎い」みたいになってしまったようです。
「家族が起こした事件」に関して、その親兄弟にまで責任を追及するというのはどうだろうか、とも思いますが、軍での事件、韓国で重視される家族の絆など、気安くコメントできない問題ですね。
事実部分とフィクション部分
音楽喫セシボンも、ソン・チャンシクら登場人物も実在するので、オ・グンテの悲恋など、どこまで実際にあったことなのだろうかと気になったので、調べてみました。
韓国ウィキペディア、ナムウィキの「セシボン」のページから、映画と事実の相違点の部分を紹介します。
まず肝心の、主人公オ・グンテとミン・ジャヨンは架空の人物だそうです。
ソン・チャンシクらが結成した「ツインフォリオ」が、もとは3人グループだったというのは本当で、イ・イクキュンという人がいたそうです。
そして、イ・イクキュンが抜けたのは兵役で入隊するためだったとか。
映画では、セシボンの社長がグループ結成を提案していますが、実際にはソン・チャンシクの提案だそうです。
そして大麻事件。これは実際にユン・ヒョンジュが大麻で逮捕されています。でも、大学の学業のために「ツインフォリオ」を抜けて、その後に逮捕されたということです。
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かなり違いますね…。
「ツインフォリオ結成秘話」というと、実際の話と錯覚してしまいます。
実在の人物を素材にしているのに、フィクションが多すぎる
韓国で不評だった原因かなあ、と思います。
実在の人物があまり知られていない日本だと「まったくの作り話」として映画を見られるので、むしろ楽しめるのではないでしょうか。
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コメント
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2017年 9月 13日
私もこの映画は観てませんが、この映画が失敗した理由の一つとして、ハン・ヒョジュの弟の影響、正確には悪影響が多かったと思います。空軍の将校の弟が一般兵士をイジメて自殺に追い込む事件が韓国を騒がせましたが、ハン・ヒョジュはそれについて 一言半句のなっかたことが人々を怒らせたのです。その事件でハンに対する人々の敵愾心や失望感が募っている中での公開だったため興行の失敗は目に見ていたと言っても過言ではないでしょう。
あ、そうだ!
普段気になってたことですが、この言葉がでたついでですから質問させていただいます。
日本でも韓国でも「一言半句」って四字熟語がありますね。ところで、日本でも「一言半句もない(一言もない、コメント一つない)」って形で用いられるのでしょか?
カワトシさま
「一言半句」(イチゲンハンク、イチゴンハンク)は、辞書には載っていますが、まあ、あまり耳にしませんね。
四字熟語などの漢字語は、便利ですが日韓で意味や使われ方が違うのがありますし、
ことわざは、同じ意味だけど微妙に表現が違っていたり、
故事成語は、日本は書き下し文、韓国では漢語を漢字そのまま読むなど、
それぞれ、似て非なるところが面白さですかね。
역시 그렇군요!
질문하기를 잘 했네요.
사실은 이 ‘일언반구’도 제 블로그에서 다룰 소재들 목록에 있는 단어인데, 일본에서는 쓰이지 않는 것 같아서 확인차 질문했던 겁니다.
덕분에 애매하게 알고 있던 걸 확실히 알게 됐네요.
감사합니다!
カワトシさま
どういたしまして。
まったく使われないわけではなく、
「一言半句さえ聞き漏らすまいと」
「一言半句の助言すらなく」
「一言半句さえ述べる余地なく」
など、検索すると書いている人がいますね。
文字を見れば意味が分かるので、もっと使われてもよさそうですよね。
カワトシ様
コメント、ありがとうございます。
日本でも、芸能人の息子や娘が問題を起こすと騒ぎになりますが、そもそも子供とはいえ成人しているのだから、その親に責任を問うのはいかがなものか、という問題提起もされます。
それぞれの国ごとに価値観も異なりますし、事件が軍隊のことなので、本文にも書いた通り、日本からはコメントしずらい問題です。
「セシボン」が韓国での興行成績が芳しくなかったのは、映画そのものの出来とは別の要因があった、というなんですよね。
아, 한국에서도 가족이나 친척이 한 잘못의 책임을 엉뚱한 연예인에게 묻거나 하지는 않습니다.
다만, 가족이 그런 물의를 빚었으면 사과까지는 아니더라도 최소한의 의견 표명이나 유감 표현 정도는 해야 ‘공인(한국에선 연예인을 공인으로 간주합니다)’으로서의 도리라는 게 한국 사람들의 보편적인 인식이자 정서거든요.
하다못해 요즘 대유행인 SNS 정도에서라도 유감의 뜻을 표했다면 사람들의 반응이 그렇게 싸늘하진 않았을 텐데, 그냥 ‘쌩깠다’고 느낀 거죠, 일반인들은.
특히 군대에서의 가혹 행위 문제는 한국 사람들에겐 어마어마하게 민감한 문제이자 실제로 심각한 사회 문제로서 늘 이슈화되는 거거든요. ^^’;
네, 아무튼 한효주의 그런 대응이 영화의 흥행 실패에 큰 영향을 미친 건 사실입니다. 영화가 잘 됐냐, 못 됐냐를 떠나서요.
カワトシさま
そうですね、「公人」として、
気にしている人、心配してくれている人に対して
なんらかのアクションがあってもよかったのでしょうね。
まあ、前にも書きましたが、なんともコメントしにくいです。
映画は、そこそこよかったので、残念でした。
こんにちは(´∀`)
えー!チン・グさん、わかりませんでしたか?(*≧∀≦*)
私は結構前から好きな俳優さんだったので、割と彼らしい演技だな~と思いながら観てました。
最も、字幕なしでしか観ていないので、理解できていない部分もあるんですけども。
私も30年後の俳優さんの方がもっとビックリでした(´艸`)
うーん。やはり事実と違うと言われても、事実そのままで映画やドラマにするわけにもいきませんよね~
やはりフィクションも入りますし、モデルはいても実際とは違う人物設定もされているわけですし、
そこは作品としてとらえてもらった方がいいように思いますけどね~
私はよく、大好きな小説の映画化でがっかり…というのがあるのですが、それと似た感じですかね?
それも今はもう、別作品としてとらえる方が多くなりましたし、その方が楽しく観られるようになりましたけどね(´艸`)
この前年に公開された『国際市場』でも実在の人物が出てきて、その役をされた方がとても似ている、というのが話題になっていましたから、『セシボン』にも多少、そういうのが求められたのかもしれませんね~
私はこの映画でカン・ハヌルさんの歌声を初めて聴いて、その澄んだ声にゾクっとし、より一層ハヌルさんのファンになりましたね~
もちろん、それまでにハヌルさん自身は知っていましたし、作品もいくつか観ていましたが、歌は初めてだったので。
ハヌルさんは、お父様が実際にセシボンに出入りしていたと言ってたように思います。
なので、ユン・ヒョンジュさんを演じることがとても光栄だと。
ハッピートゥゲザーでだったか、ハヌルさんは俳優になる前?お父様と一緒に歌番組に出て、優勝したとかって言ってましたよ。
その時の映像も出ていましたが、本当に上手で…。
音程が安定しているので、俳優だけどとても安心して聴いていられる一人ですね(´∀`)
チョ・ボンレさんも、とてもお上手ですよね~
ボンレさんこそ、この映画ではもったりした青年なのに、他のドラマなどで見ると全然違う人に見えてわが目を疑います(´艸`)
公開時によく、チョンウさんと三人で歌っている動画があがっていましたよね。
『ユ・ヒヨルのスケッチブック』にも三人で出演し、その時はユン・ヒョンジュさんも一緒に出演なさっていました。
結構ハマった映画だったので、韓国本国でウケなかったのが残念ですね~
ヒョジュさんも『イルジメ~一枝梅』の頃からすると、断然演技が上手くなったと思うので、演技のことでないこの評価は可哀相かな~と思いますね。
確かに、気安くコメントしづらい件ですが。
期待が大きいとがっかりも大きいのでしょうけれど、事実を基にしていても、あまりそれに拘らず、作品としてとらえられるといいですね(´∀`)
NICOさま
コメント、ありがとうございます!
チン・グさん、すぐにわかったんですね。
もともと役柄が変わると、役者の区別がつかなくなる性質なので、
ソ・デヨン以外は、もうわかりません(笑)。
チョ・ボンネさんは、この映画で初めて見たと思っていましたが、
NICOさんでも「わが目を疑う」ほどに印象違うとなると、
もしかしたら、すでにほかの作品で見ているかもしれませんね。
確かに、ドキュメンタリーではないので、事実をもとにしているといっても、
フィクション前提で見てはいるのですが、
今回は、中途半端に登場人物を知っていたので
「実際、どんなだったんだろう」という興味で見てしまったようです。
私もカン・ハヌルさんへの好感度アップしました。
映画の宣伝動画もたくさん出ていますね。
歌もたくさん歌っていて、本当にうまいですよね。
ドラマでも映画でも、出演数も多いし存在感もあるので、
彼が入隊したら、かなりな喪失感でしょうね。