イ・ジョンソク主演ドラマ『死の讃美』をもっと楽しむために!もとになった実在の人物について
2018年11月から12に月にかけて、全3話で放送された『死の讃美』。イ・ジョンソクが主演ということで楽しみにしていました。韓国での放送後、すぐにネットフリックスで配信されびっくり。本当にすごい時代になりましたね。さっそく見てみました。
ドラマ『死の讃美』キャストとあらすじ
2018年11月27日から12月4日
韓国SBS放送 全6話(70分基準で全3話)
キャスト
キム・ウジン:イ・ジョンソク
ユン・シムドク:シン・ヘソン
あらすじ
朝鮮初のソプラノ歌手であるユン・シムドクと、劇作家キム・ウジンは1926年8月3日、下関から釜山に向かう船の上から身を投げて命を絶った。 二人が出会い、死を選ぶまでの物語。
タイトル『死の讃美』は、ユン・シムドクが出したレコードのタイトル曲で、歌詞をユン・シムドク自身が書いたと言われています。
歌詞の一部は、こんな感じ。
画像をクリックすると動画になります。
광막한 황야에 달리는 인생아
荒野を走る人生よ
너의 가는 곳 그 어데냐
お前はどこへ行くのか
삶에 열중한 가련한 인생아
ひたむきに生きる哀れな人生よ
너는 칼 위에 춤추는 자도다
お前は刃の上で踊る小さな刃だ
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1920年代前半の女性たち
ドラマ『死の讃美』について、韓国でのレビューをいくつか見たところ、
「これはユン・シムドクじゃない!」という批判がありました。
ドラマでは、家族のために、自分の意志を曲げざるを得ない、
と苦悩していたユン・シムドクでしたが・・・
ドラマのユン・シムドク
ざっくり調べてみると、実際のユン・シムドクは、こんな人のようです。
ユン・シムドク:1897年生まれ、1926年没(29歳)
背が高く、自信に満ちた立ち居振る舞いで、
当時「夫のため、子どもためでなく、自分のための人生」を主張した
「モダンガール」「新女性」の象徴的存在だった。
なんとなく、平塚らいてふの「元祖女性は太陽であつた」とか、
伊藤野枝の自由恋愛論など、「青踏」の時代の女性たちを連想します。
伊藤野枝:1895年生まれ、1923年没(28歳)
ちょうど、時代も重なります。
青踏の女性たちが、保守層から批判の嵐だったように、
韓国でも、ユン・シムドクら「モダンガール」たちは、
モダンガール=모던걸(モドンゴル)をもじって、
모단걸(モダンゴル)=毛断ガール
못된걸(モッテンガール)=ダメなガール
などと揶揄されたとか。
女性らしい長髪をばっさり切った「毛断ガール」
異性関係がハレンチな「ダメなガール」
本物のユン・シムドク
(韓国나무위키ナムウィキより)
ドラマと現実のギャップ
ドラマのユン・シムドクは、モダン(毛断)ガールじゃないことからして、
本物のユン・シムドクとはかなり違う描かれ方だったことが想像できます。
ドラマは、イ・ジョンソク演じる劇作家キム・ウジンが中心だったこと、
また、悲恋モノとしてまとめられていたこと、
などの理由から、ユン・シムドクの「自由恋愛」の部分は扱えなかったのでしょう。
また、ユン・シムドクとキム・ウジンの心中事件は、
すでに映画や舞台で数多く扱われてきているので、既存の作品との違いを出す必要もあったと思います。
ドラマはドラマとして、イ・ジョンソクを中心に楽しめたので、よかったです。
それ以上に、
ドラマをきっかけに、韓国の1920年代、新女性・モダンガールの登場
ということを知ることができたのが、多きな収穫でした。
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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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