『国家が破産する日』IFM金融危機とは何だったのかを知る良い教科書的な映画
去年(2018年)に韓国で公開され、いつ日本にくるかずーっと待っていました。待ちくたびれて、待っていることすら忘れていましたが、ついに11月に日本公開です。韓国での公開から、ちょうど1年。
『国家が破産する日』
2018年11月公開(韓国)
監督:チェ・グクヒ
キャスト
シヒョン:キム・ヘス
(韓国銀行通貨政策チーム長)
ジョンハク:ユ・アイン
(金融危機を逆手にとって儲けようとする金融マン)
ガプス:ホ・ジュンホ
(町工場の経営者)
官僚:チョ・ウジン
(IMFを積極推進する財政局次官)
あらすじ
OECD(経済協力開発機構)の一員となった喜びに沸く韓国。
しかし、経済危機はひたひたと近づいていた。
その兆候に気が付いた韓国銀行通貨政策チーム長のシヒョンは、
IMFに助けてもらうより、自力での解決策を模索する。
金融コンサルタント会社のジョンハクも、経済破綻の兆候に気が付き、
会社を辞めて、一世一代の勝負に出る。
町工場を経営するガプスは、景気は順調だというニュースを疑わず、
デパートとの新規契約を結ぶ。
一方、政府は経済危機の兆候を知りながら、国民に情報を流さず、
この危機を富裕層がより有利になるようなシステム作りに利用しようとする。
そして、IMFの総裁が秘密裡に韓国へやってくる・・・
IMF事態とは何だったのか
1997年に起きた韓国金融危機と、IFMによる救済。
今から22年前の出来事です。
私は31歳でしたから、ニュースで知っていたはず。
でも正直、はっきりした記憶はありません。
(小学生と保育園児の子どもを抱え、職場復帰も中途半端で、
自分のことで精いっぱいだった頃・・・遠い目)
その後、ドラマやドキュメンタリーなどで、
「IMF以降、韓国社会は・・・」
「うちの会社はIMFで・・・」
などなど話題に上るので、
韓国社会がIMFの前と後で、大きく変わったこと
今の韓国社会を知るうえでの大前提なのだ
ということが分かりました。
22年前の出来事ですから、
今の韓国社会の大部分の人々は、
IMFをリアルタイムで経験しているわけです。
IMF事態が、なぜ起きて、
韓国の何が変わって、
今、人々はどう思っているのか。
2時間で概略を知ることができるのですから、
とてもお得な映画だと思います。
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ざっくり感想
22年が過ぎた後に、振り返るIMF事態の現場。
登場人物は「行き先真っ暗」な現実を手探りしています。
観客は「その後」を知っていますから、
高みの見物をしているような気分です。
登場人物は、それぞれ実在のモデルがいます。
が、キム・ヘスが演じたシヒョンの韓国銀行通貨政策チームとか、
チョ・ウジンの所属する政府財政局という部署は、
存在しなかった、
といいいます。あくまで
事実を元にしたフィクション
ということですね。
実在のモデルがいたとはいえ、
韓国経済を国民のために守ろうとした銀行人、
自分たちの利益しか考えない腐った役人、
国の経済に振り回されて犠牲になった国民、
ピンチをチャンスに成功した目先の利いた若者、
それぞれ、わかりやすく「典型的」人物になっています。
人物像が「一面的だ」という批判もあるようですが、
複雑な経済議論を理解するためには、
わかりやすさ重視が、ありがたかったです。
22年前の出来事が、今、映画化され、ヒットしたのは、
昔の話じゃないぞ、
政府は都合の悪い事実は公表しないぞ、
常に油断は禁物だぞ、
というメッセージが、きちんと伝わってくるからでしょう。
俳優さんたちの演技
本当に、韓国の俳優さんたちって、すごいなあと思います。
キム・ヘス
なんとなく、セクシーなお姉さん役や、アクション系が多いような印象なので、
スーツ着た会社員が、意外な感じがしました。
でもすぐに、意外さも感じなくなる、説得力。さすがですね。
ユ・アイン
他の主要人物との接点ないまま終わったので、
この役、いらないじゃん、
という声もありました。
一世一代の賭け、という度胸と不安感と・・・
アンバランスを演じるのは、ユ・アインさん、とってもうまいです。
チョ・ウジン
この映画で一番評価が高いのが、この人でした。
「トッケビ」の愉快なキム秘書が・・・
国民のことなんて、まったく考えていないし、
女性差別も甚だしく、
本当に、にくったらしく変身していました。
本当に、よいお勉強にもなり、
俳優さんたちの名演技あり、
日本公開が、待ち遠しいです。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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コメント
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2022年 2月 24日
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