話題の映画『はちどり』背景を知っていても知らなくても共感できる「中2」という時代

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韓国映画『はちどり』を見に行こうとチケットを予約しようと思ったら、なんと「満席」の表示。予告編を見ると、かなり地味な印象なのに、さすが「国内外で50の賞を受賞」の威力なのでしょうか。

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『はちどり』あらすじと予告編

映画公式HP
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1994年のソウルを背景に、中学2年生ウニの成長を描く。
両親は長男の大学受験にしか関心がなく、
学校の勉強にもなじめないウニは、
漢文の塾で出会った先生に心を開くが…。

予告編
画像をクリックすると動画になります。
7 (2)

『はちどり』ウニが住むアパート

映画は、主人公のウニが、
アパートの自分たちの家を間違えてしまうシーンから始まります。

ウニが住むアパート、
江南区大池洞銀馬アパート
9 (2)

デチ洞ウンマアパートといえば、
韓国の教育熱の象徴
といえるでしょう。

ウニのお父さんは、長男の受験に
異常なほどの期待をよせ、

ウニが通う中学校では、担任の先生が生徒たちに
「ソウル大に行くぞ」
と叫ばせます。

そういう雰囲気の中で、ウニの姉は
江南の高校ではなく、漢江にかかる橋を越えて、
漢江の北側にある高校に通う、おちこぼれ。

ウニに向き合うヨンジ先生

漢文塾のヨンジ先生は、ソウル大の学生ですが、
友だちとケンカしたウニに歌ってあげた歌が

잘린 손가락 切られた指

民衆歌謡といわれる、民主化運動で歌われた歌です。
学生運動に没頭したためヨンジ先生は、
通常より年をとっているんですね。

だから、ヨンジ先生はウニに、
暴力を振るわれてはいけない、立ち向かえ
と教えてくれたんですね。

理想の大人の象徴だった、ヨンジ先生。

1994年という時代

映画の最後、ソウルの漢江にかかる橋、
聖水大橋 ソンスデギョ
が崩壊します。

ソンス大橋が作られた1970年代は、
朴正煕による軍事政権下で、
「漢江の奇跡」といわれた経済成長を遂げました。

軍事政権から文民政権に移行した2年後に崩壊した聖水大橋は、
目まぐるしい時代の変化の象徴といえます。

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知っていても知らなくても

想像を絶する韓国の教育熱とか、
民主化運動の学生や民衆歌謡とか、
韓国の経済成長のゆがみ・ひずみとか、

韓国「あるある」が背景となっているので、
そういう事情を知っていれば、納得しやすいのも事実ですが、
しらなくても、十分共感できます。

「中二病」という言葉があるくらい、
家族や友だちとも、いろいろ上手くいかない自己中な時期。

流血するほどの夫婦喧嘩も、
自分を心配して泣く父親も、

ウニは「理解不能」な視線を向けます。

そういうのが、いちいち懐かしくもあり、
夫婦喧嘩も泣く父親の心境も分かる自分は年取ったな
とか、思うわけです。

自分と世の中との折り合いをつけるのに苦労するこの
中学生という時期。

折り合いのつかなさ
というのが、私の世界だけの問題じゃなくて、
世の中の問題でもあるんだ
ということに気がついたり。

時代や国という背景と関係なく、
共感できるように作られている作品でした。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!

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