百想芸術大賞の大賞を受賞したチョン・ウソン主演作『無垢なる証人』、自閉症を描いた映画

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2019年「第55回百想芸術大賞」で、映画部門での大賞を受賞したチョン・ウソン。出演作『증인:邦題「無垢なる証人」』での受賞でした。去年は大賞受賞作が『1987ある闘いの真実』、一昨年はパク・チャヌク監督(映画『お嬢さん』)だと聞いたときは「やっぱり」という感想でしたが、今年は「へ~そうなんだ」という感じでした。

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『無垢なる証人』キャストとあらすじ

2019年2月公開(韓国)
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監督:イ・ハン
(『ワンドゥギ』の監督さん)
スンホ:チョン・ウソン
(痴呆症の父親の面倒をみるため婚期を逃した平凡な弁護士)
ジウ:キム・ヒャンギ
(『神と共に』のドクチュン)

あらすじ
スンホが担当することになった事件は、家の主人を殺害した疑いで逮捕されたお手伝いさんの無実を晴らすこと。この事件を目撃したのが向かいの家に住む自閉症のジウ。ジウが法廷で証言をしてくれればすぐに終わる事件だと考えたスンホは、ジウと仲良くなろうとするが。

自閉症に対する理解

チョン・ウソンが弁護士を演じる裁判モノだと思って見ていましたが、
見せ場は、法廷での対決ではなくて(チョン・ウソンではなくて)
自閉症に対する理解(キム・ヒャンギの演技)でした。

逆にいえば、自閉症に対する無理解(チョン・ウソンの演技)
ということもできるかもしれません。

殺人事件の現場を目撃してしまったジウ
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「平凡な」弁護士というには格好よすぎるチョン・ウソン
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「裁判モノ」は、有罪か無罪かについて、
証拠を出し合い、
法の解釈の議論を戦わせ、
どちらの言い分もアリだよな~
と思わせるような緊迫感が面白いのですが、

『証人』では、
自閉症の少女が証言するということについて、
「病気」の子どもなんだから信用できない、
という立場から、
「病気」じゃない、むしろ優れた記憶力があるからより信用できる
という立場に変わる弁護士の心情がメインです。

殺人の疑いをかけられているお手伝いさん(ヨム・ヘラン)。
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担当検事は、お手伝いさんが犯人だと確信(イ・ギュヒョン)。
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あら、この方たち、チョ・スンウのドラマ『ライフ』でいい味出していたお二人ですね。
お手伝いさん(ヨム・ヘラン)は、なんだか信用できない雰囲気を醸し出します。
担当検事(イ・ギュヒョン)は、自閉症を深く理解している人です。

主演の二人の演技が素晴らしいのですが、
こういう重量感ある脇役がしっかり固めてくれていると、
映画自体の説得力が高まります。

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正義か出世かの葛藤

もともとスンホは「民弁」に所属していた、という設定です。
民弁 민변 ミンビョン とは、
「民主社会のための弁護士会」です。
お金にならないけれど、権力と戦う人々とともにある弁護士です。

でも、父親の介護や借金のために、
大規模法律事務所に転身しました。

そして、マスコミが注目するこの事件を解決したら、
出世させてやるぞと、所属法律事務所のボスに言われます。

このボスが、いかにも権力べったりな印象…。
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ウソをつき通して出世するか、
正義を守って出世を失うか、
という葛藤を打ち破るのが、

自閉症のジウがつきつける問いかけ
당신은 좋은 사람입니까?
あなたは良い人ですか?

痴呆症の父親の暖かい言葉
너 자신을 사랑했으면 좋겠다, 그래야 다른 사람을 사랑할 수 있다
自分自身を愛してほしい、そうすれば他人を愛せる

映画『証人』に対して、
勧善懲悪の対立軸が単純すぎる
葛藤の解消が、お涙頂戴的で単純すぎる

という批判もありますが、
私は、わかりやすくよかったと思います。

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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!

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