映画『この世界の片隅に』、韓国国旗にまつわる論争があるそうで。

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ようやく話題作『この世界の片隅に』を見てきました。話題作ですから、この映画の感想は星の数ほど書かれているとは思いますが。

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話題作『この世界の片隅に』

新聞でもネットでも知人たちも「とても良かった」と褒め言葉しかなかったので、仕事がひと段落ついたところで見に行ってきました。

ぼーっとしたのんびり屋さんの女の子が、広島から呉に嫁いで、
夢見がちな女の子が、嫁ぎ先で戦争に巻き込まれていく、
というお話です。

予告編

当時の写真などから、当時の風景を可能な限り再現した
という話は聞いていました。
フツーの女の子の、フツーの日常生活の、リアリティの追求だと。

ぼーっとした子なので、高望みをするわけではないから、
今のままの幸せが続けば十分幸せなのに・・・
と思うと、「戦争さえなかったら」という思いが強くなります。
良い映画でした。

玉音放送の後で

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戦争に負けたことがわかり、主人公のすずは、泣きます。
「最後の一人まで戦うんじゃなかったのか」
言っていましたから「負けて悔しい」という思いの涙でしょう。

でもこの時、旧韓国(大韓帝国)の国旗(太極旗)が掲げられているようすが描かれていました。
一瞬なので「あれ?」と思っただけでしたが、
家に帰って検索してみると、
「太極旗論争」
なるものがあるらしい。

主人公すずのせりふについて

太極旗が映った時、すずはつっぷして泣いていたのは覚えているのですが、
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なんといっていたのか、セリフを覚えていません。
ネットで検索してみたところ、この部分、
原作のセリフと映画のセリフが違うらしいのです。

映画のセリフは、
「海の向こうから来たお米、大豆、そんなそんで出来とるんじゃろうなあ、うちは。じぇけえ暴力にも屈せんとならんのかね」

原作漫画のセリフは、
「暴力で従えとったいう事か。じゃけえ暴力に屈するいう事かね。それがこの国の正体かね」
だそうです。

この時の、映画のすずのセリフが、どういうことなのか、
よく理解できなかったので記憶にもとどまらなかったのでしょう。

「よくわからなさ」から、この時点で旧韓国の旗が出てきたことに、
「日本の敗戦後、在日朝鮮進駐軍の暴挙を表す」
というとんでもない解釈までネットで出てきたようです。

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私は、『この世界の片隅に』で、玉音放送直後に掲げられた太極旗。
日本の敗戦=韓国朝鮮の解放
という視点を忘れていませんよ、というメッセージだと思いました。

被害者の視点・加害者の視点

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すずのセリフについて、
原作のセリフなら、
日本が他国(朝鮮)を暴力で支配していたことに気づき、
日本が他国(アメリカ)から暴力で支配されることになる、
ということでしょうから、日本の加害性が分かり易く伝わります。

映画のセリフは、加害性までふみこまなくても、
自分が受けた悲しみや苦しみが、自分の周辺だけの出来事でなく、
他国とのつながりの中で起きているのだ、
そのつながりが、暴力によるものだったのだ、
という気づきなのでしょう。

日本が戦争での悲しみや苦労を語ると、
「日本はそれ以上の悲しみや苦労を他国に与えた」
という批判がされますが、

もちろん国vs国の戦争ではありましたが、
どちら側にいても、抑圧される人と抑圧する人はいます。
抑圧される人同士は、思いを共有できるのではないかと思います。
そのためには、まず相手の存在を具体的に知る必要があります。

他者との関係に気づいてはっとする瞬間。
はっとしたすずに、はっとしました。

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