映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』感想その③クライマックスで感動できなかった理由

『大統領暗殺裁判 16日間の真実』、韓国現代史シリーズに位置づけられる作品だけに期待が大きすぎたのでしょうか。いろいろ残念に感じるところがありました。めずらしく映画1本で3回も感想を綴りました。
初日に見て、すぐに書いたので、ネタバレを避けたい方は、
映画を見てから、ぜひまたご訪問してくださいませませ。
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』感想その①
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』感想その②
韓国内での興行成績
韓国語原題:행복의 나라(幸福の国)
韓国で公開されのが2024年8月でした。
総観客数71万人(損益分岐点270万人)
惨敗だったんですね。
朴正熙暗殺事件を扱った他の作品は、
『南山の部長たち』2020年
総観客数475万人(損益分岐点450万人)
『ソウルの春』2023年
総観客数1,328万人(損益分岐点460万人)
これらと比べると、かなり残念な結果でした。
もちろん世間的にヒットしなくても、良い作品はたくさんありますが、
この作品に関しては、この成績はやむを得ないかなと思います。
クライマックスで感動できない
大統領暗殺の容疑者パク・テジュ(イ・ソンギュン役)と
その弁護人チョン・インフ(チョ・ジョンソク役)を描いています。
パク・テジュのための証人を確保できた直後に、
軍事クーデターが起きてしまいました。
つまり、裁判所も軍部に掌握されていまうわけです。
怒りがおさまらないチョン・インフ弁護士は、
軍事クーデターの首謀者・全斗煥に会いに行きます。
この場面が最大のクライマックスでした。
軍事クーデター直後に、一介の弁護士が全斗煥に会えるのか?
軍事クーデター直後に、全斗煥がゴルフをしているのか?
という疑問は、映画なのだから許容範囲だろうと納得しました。
監督が伝えたいメッセージが、ここで叫ばれるのだろうと期待して。
チョン・インフ弁護士が全斗煥を前にして、
怒りをぶつけるかとおもったら、なんと土下座・・・!
観客をかなりじらした後に、チョン・インフ弁護士が叫んだのは、
왕이 되고 싶으면 왕을 해!
王になりたいなら、王になれ。
돈이 갖고 싶으면 대한민국 돈, 다 가져!
金がほしいなら、国中の金を持っていけ。
대신에, 사람은 죽이지 마!
そのかわり、人を殺すな
でした。
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사람은 죽이지 마
人を殺すな
この映画の背景は1979年です。
この後1980年に全斗煥が多くの光州市民を殺したことは
観客たちは良く知っていますから、
チョン・インフ弁護士の叫びはただむなしいだけです。
それに、チョン・インフ弁護士が命がけで弁護しているパク・テジュも、
大統領暗殺の際に警備員など人を殺めています。
これだけフィクションによるお膳立てをしているのだから、
もう少しなんとかならなかったのでしょうか。
軍事クーデターで暗黒の時代に戻ってしまったけれど、
この後、光州民主化抗争で多くの犠牲が出るけれど、
それでも、民主化への希望をつないで、つないで、
1992年の文民大統領を出現させて民主化を遂げたことを
私たちは知っています。
今はお前が天下をとったと思っているだろう。
俺たちの思いを受け継いでいく後輩弁護士たちが、
この先、必ずお前を監獄へ送るだろう。
くらい言ってくれてもよかったのに。
俳優さんたちの熱演はよかったのですが、
全体的に、残念な作品でした。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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