映画『夏時間』とてもとても静かな映画が、とても高く評価される理由

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やっと見てきました『夏時間』。『はちどり』のキム・ボラ監督や、『チャンシルさんには福が多いね』のキム・チョヒ監督など、最近の話題作は女性監督のものが多いです。

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『夏時間』

2020年8月公開(韓国)
1 (3)
監督:ユン・ダンビ

キャスト
オクチュ;チェ・ジョンウン
(姉役。この映画で長編デビューの新人)
ドンジュ:パク・スンジュン
(弟役。いくつか出演経験のある子役)

あらすじ
事業に失敗し、離婚もした父親につれられて、
祖父の家でひと夏を過ごすことになった姉と弟。
そこに叔母も転がり込んでくる。

予告編
画像をクリックすると動画になります。
2

韓国語の原題は、
남매의 여름밤
姉弟の夏の夜

남매は、漢字で
男妹
と書くので、
「兄妹」の意味かと思いきや、
「姉弟」も意味するんですね。

女性監督の作品

『夏時間』のキム・ボラ監督も、
『チャンシルには福が多いね』のキム・チョヒ監督も
日本の小津安二郎が好きだ、と言っていますが、
私は小津作品、一つも見ていません…。

「女性だから」と括るのはどうかと思いますが、
『夏時間』も『はちどり』と同じように、
日常の時間を淡々と描いています。

派手なアクションと、くだらないギャグと、
ありえないけどスカッとする勧善懲悪。
という韓国映画が、私は好きなので、
『夏時間』を見ようと「覚悟」するまで時間がかかりました。

実際に見てみると、
淡々としているけれど、飽きることはありません。

大人になる前の「女の子」の成長物語。
または、「女の子」の視線から大人たちを描いた、
ともいえるかもしれません。

かつて子供だった大人たちが
共感できる作品です。

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情けない大人たち

主人公きょうだいの父親と、その妹も印象的でした。
父親は、妻に逃げられ、仕事もうまくいかない中、
子供たちに心配させずに生活していこうと
一生懸命なのはわかるのですが。

娘オクチュが「二重の手術したい」と言ったとき、
そんなお金ない
とは言えずに、ごまかしたり、

売り物の運動靴がブランドの偽物とばれた時、
偽物なんだ
と認めずに、ごまかしたり、

祖父を老人ホームにいれて家を売ると決めた時、
オクチュに責められても
説明できずに、ごまかし続けました。

私は、自分が子供のころは、
大人たちは、みんな「立派な大人」
なんだと思っていました。

時々、大人は勝手だとか、
子供の話を聞いてくれないとか、
不満はありましたが、
「大人」だから仕方がないと思っていました。

自分が親の年になってみると、
「立派な大人」なんてそうそういないとわかりました。

子供の頃の、大人たちへの漠然とした不満
というのも、「いい加減な大人」に対しての、
まっとうな感情だったのかもしれません。

経験はないけれど共感できる

中学生のオクチュの経験
自分の感情に正直な弟や、
二重をめぐる父親との言い争いや、
ボーイフレンドへの想いや、
同居中の祖父の入院や、

そういう経験は、私にはありません。
それなのに、共感できるし、
同じ経験をしてきたような気さえしてきます。

大人たちに対するイライラとか、
家にいるとなんだか不機嫌になるとか、
未知の出来事に対する不安とか、

ことばにならない湧き上がってくる感情に対しての共感が
自然と感じられるようになっています。

私はやっぱり、
泣いて、笑って、非日常の派手な映画が好きですが、
こういう静かにジワジワくる映画が
高く評価される理由も、わかる気がします。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!

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