ネットフリックス映画『20世紀のキミ』初恋への強いこだわり『二十五、二十一』のデジャヴ
タイトルだけ見て、SFモノと思って見始め、数分でSFではないと分かったけれどせっかくなので最後まで完走しました。いろいろモヤモヤしたので、あれこれ考えたことをつらつら書いてみます。
『20世紀のキミ』
2022年10月21日 ネットフリックス公開
原題:20세기 소녀(20世紀少女)
監督・脚本:パン・ウリ
(これが長編デビュー作)
キャスト
ボラ:キム・ユジョン
(主人公の高校生)
ヨンドゥ:ノ・ユンソ
(ボラの親友、心臓手術のため海外へ)
ヒョンジン:パク・ジョンウ
(ヨンドゥが一目ぼれした相手?)
ウンホ:ピョン・ウソク
(ヒョンジンの親友)
あらすじ
ヨンドゥは、心臓の手術のために韓国を離れる直前に
ヒョンジンに心奪われる。
ユンソが海外にいる間、ボラはヒョンジンに関する情報を集めて
ヨンドゥに書き送る。
ボラは、ヒョンジンのそばにいるウンホが気になりだし、
一緒に映画に行く約束をしてうきうきしていた時に、
無事手術を終えたヨンドゥが帰国し・・・。
初恋による初恋の物語
映画を見た後、予告編をみていたら、
初恋のための、初恋の物語
というフレーズを発見、とても納得しました。
初恋=かなわないもの
かなわないからこそ、忘れられないし、
どんどん美化されて、
その後のどんな恋愛にも勝る存在になるのかも。
うーん、私にはそういう「初恋」がないので、
初恋モノへの共感が難しいのです・・・。
若手俳優さんたち
主演のキム・ユジョンさんは
文句なしにかわいいですね~。
親友のヨンドゥ役のノ・ユンソさん、
「私たちのブルース」で、高校生妊婦役で注目されました。
「ザ・初恋」といってもいいほどさわやかなイケメンさん
ウンホ役のピョン・ウソクさん
どこでみたんだっけ…と記憶をサルベージしたら、
パク・ボゴム主演のドラマ「青春記録」に出ていましたね。
他の作品で好感もった役者さんが出てくると、
なんとなく見てしまう・・・というのも韓ドラの沼です。
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初恋はかなわぬもの(ネタバレあり)
ボラとウンホは、ウンホの海外移住で離ればなれになり、
しばらく連絡とりあった後、音信不通に。
15年後、ウンホはなくなっていたことがわかります。
この展開に、連絡とれなければ
ウンホの親友ヒョンジンだって心配するだろうし、
ウンホの父親は韓国にまだいたらしいのに、
さらに、死因が明らかにされないのも納得いかない。
などなど、いろいろ釈然としないまま終わりました。
釈然としないなりに考えてみると、
『20世紀のキミ』は、青春王道映画です。
初恋は青春そのもので、
青春の二大要素は友情と恋。
そして初恋はかなわぬもの、つまり、
最初の恋は、すなわち初めて経験する別れなんだ、
ということが重要で、
なぜ別れるのか(=なぜ死んだのか)
を考えるのは無意味なことなのでしょう。
ここらへん、
キム・テリ&ナム・ジュヒョクの『二十五、二十一』と同じですね。
(ナ・ヒドの夫はだれなんだ?を考えるのは無意味?)
『20世紀のキミ』のパン・ウリ監督は、あるインタビューで
次のように語っていました。
結末についてとても悩んだ
周りの人に、初恋の相手と再会したいか尋ねたところ
会いたくない、という答えだった。
このエンディングは、青春は二度と戻らないということを意味する。
幼い二人は、きちんとした別れができなかったので、
大人になったボラが、ビデオの中の当時の姿のウンホと再会して
きちんとお別れをする、というエンディングにした。
また、
死は別れの隠喩
とも語っていました。
死因を明らかにすると、
「死」が強調されて、「別れ」が薄まってしまう、
つまり、
病気にならなければ、事故に会わなければ、
ということに気が向いてしまう、
ということなのでしょう。
私は、初恋といえる具体的な人物はいないけれど、
青春という時期はありました。
もし「青春の当時に戻りたいか」と聞かれたら、
「戻りたくない」と即答します。
だから、監督インタビューの、
「初恋の相手と再会したいか」の質問に
「会いたくない」という回答が多かったというのは、
ものすごく共感、です。
若者向けの作品だなあ、と思ってみていましたが、
「昔の若者」にも十分見ごたえのある作品、といえそうです。
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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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