チ・チャンウク『ヒーラー』のキーワード「時代」。
ドラマ『ヒーラー』は、ヒーラー(チ・チャンウク)の若者世代と、その親の世代の物語です。政治意識というか社会に関わる態度の違い、ギャップがうまく描かれているなと思って見ていました。私はもちろん「親の世代」側です。
유지태(ユ・ジテ)の魅力
そんなにハンサム顔じゃないけれど、
ものごし、立ち姿、しぐさ、ちょっとした表情が「格好いい」んです。
この動画の最後の笑顔、ぜひ見てください。
『ヒーラー』第18話 権力との戦い・大詰め
ソウル市長候補のムンホの兄・ムンシクと、そのバックについている
大企業オメガの支配者。
これら権力の闇を暴く証拠集めのため、ネットニュース「サムデイ」では
徹夜作業が続いています。
共に戦う仲間たちの写真を撮るムンホ。
会議室のようなところに入ると、
ジョンフと、ジョンフの膝枕で眠るヨンシンが。
大したもんだな
ヨンシンは他人のいるところでは寝られないんですよ
お前は?
他人じゃないから
こっち見て
写真とられるの、嫌なんだけど
俺は歩き始めた時から写真撮ってたよ
確かに、ジョンフやヨンシンのお父さんが写っている写真は、
ムンホが撮ったものでしたね。
軍事独裁政権時代に、真実を報道しようとがんばっていた
ジョンフやヨンシンの親たち。
真実の報道のために、取材用カメラがあり、
彼らの「年の離れた弟」ムンホは、カメラに興味を持ったのでしょう。
ヨンシンのお父さんが殺された1992年とは
ちなみに、私が生まれたころの韓国の大統領は、
朴正煕(パク・チョンヒ)在任:1963年から1979年
その後も軍人出身の大統領が続きます。
全斗煥(チョン・ドゥファン)1980年から1988年
盧泰愚(ノ・テウ)1988年から1993年
ヨンシンのお父さんが殺された事件が1992年。
盧泰愚(ノ・テウ)時代です。
ソウルオリンピックを経て、経済成長はしたものの、
経済優先のために、企業を守るために、いろいろな情報は、
政府が統制していた、という時代でした。
ノ・テウの次の金泳三大統領で、軍事政権が終わります。
スポンサーリンク
チ・チャンウク世代の意識
あの
ん?
御大って奴と戦うんでしょ?
そうだよ
じゃ、ヨンシンがまた危ない目に?
さあ、どこか遠くに逃げるか?
멀리 가면 남들처럼 살기 더 쉬울텐데.
人並みな生活ができるように。
迷っている。
どうして?
なぜ迷うのか、ムンホさんのせいじゃないかと。
혼자 냅두고 우리끼리 가기가 맘에 걸리네.
自分たちだけ逃げるのも、気が咎めるんで。
感動したよ。
でも。
ん?
俺にはヨンシンが必要なんだ。
그래서 얘 때문이라면 사장님 버릴 수도 있어.
だからムンホさんより、ヨンシンを選ぶかもしれない。
OK。
個人の幸せと社会正義
ジョンフは、そもそも無人島を買うために「便利屋」をやっていました。
その後は、ヨンシンを守るために戦い、
ヨンシンへの想いが通じた後は、二人で静かに暮らすために戦いました。
ムンホとその兄たちは、軍事政権に生きてきたので、
「自由」を求め、「民主化」のために生きていました。
今もムンホは、実現できなかった「社会正義」が一番の動機でしょう。
ジョンフの個人の幸せと、ムンホの社会正義は対立するものではなく、
ジョンフの「静かな暮らし」のためには、社会正義の実現が必要だ、
ということですね。
でも!自分優先だからね、というのが若者世代らしい。
私はジョンフらの親たちが生きた世代と同じです。
この、ムンホがジョンフを見る「まなざし」と同じ気分です。
スポンサーリンク
コメント
-
2016年 5月 15日
-
2016年 6月 08日
この記事へのコメントはありません。