【私の仕事】韓国語を教え始めてもうすぐ30年。

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離婚するには、経済的に自立しなければなりません。私にできる仕事といえば。

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経済的自立のために

とにかく、働かなければなりません。稼がねばなりません。
どんな仕事でも、しがみつかなければならないのですが、
離婚後、最初に就職した職場はものの3か月でクビになりました。
まあ・・・、適性がなかったということです。

会う人会う人に「仕事を~」と泣きついていたら、日本語学校で事務職員として雇ってくれることになりました。

事務職員でしたが、併設の語学教室の韓国語クラスでも教えるチャンスを与えられました。
でも「教え方」などわかりません。過去に自分が教わった先生方のやり方や、教科書に書いてあることを参考に、今思えばかなり乱暴な授業をしていました。

通常の業務は日本語学校の事務なので、まわりは日本語の先生方です。
私の韓国語の授業は「いい加減」なものでしたが、
日本語の先生方は、「教授法」をちゃんと身に着け、プライドを持って教えていました。
「教える仕事」「お金をもらうこと」ということに対して、このままではマズイと思い始めました。

そしてある日、離婚した元夫から「静大で韓国語を教えないか」と
いう電話があり、週に一回、授業を担当することになりました。
日本語学校も理解があり、週に一回、職場を抜けて授業に行くことを許してくれました。

日本語教師は「日本語教師能力試験」という資格試験がありますが、
韓国語講師には、特に資格はありません。
でも、大学講師は、本来的には「修士以上」の学位を持っていなければならないそうです。
ただ、当時はまだ人材が足りていなかったので、私のような学位もなく経験もない人材が採用されてしまったのです。

フリーランス

路頭に迷っていたときに就職させてもらった日本語学校は、本当に恩人なのですが、私の母の闘病などで、辞めざるを得なくなりました。

母をみとった後、タイミングよく静岡市国際交流協会から非常勤相談員という仕事に誘ってもらいました。
本当は、正社員で安定した働き方が、母子家庭には望ましいのですが、

大学の非常勤講師
静岡市の非常勤相談員
テンポラリーな翻訳・通訳

すべてパートタイムですが専門職なだけに、そこそこ稼げるようになりました。

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大学院で学ぶ

国際交流協会でも韓国語を教える場を提供してもらいましたが、
あいかわらず、のらりくらりと授業をしていました。

そのうち大学で韓国語の授業のとりまとめをしていた先生から、
「大学院で学んで修士を取得してください」
と言われ、このままではクビになるかもしれない、という危機感から、
大学院に入りました。

仕事をしながら学ぶというのは、費用の面でも時間の面でも大変です。
私は幸い、時間の面では、
「2限目に授業をして、3限目に授業を受ける」
ということが可能な環境にいました。

大学院の授業料は、国立だったので年間55万円弱くらいでした。
母子家庭で、所得税がかからないくらいの貧乏でしたから、
学費減免の手続きを取って、半額免除してもらいました。
それでも大きな出費です。

さっさと卒業して、かかった費用分、さっさと稼がなくては、
と気持ちが焦っていましたが、
改めて勉強してみると、面白いのです。

やはり知識とスキルは必要

のらりくらりしながらも、数年間、韓国語を教えながら、
「これはなんでこうなんだろう」などうまく説明できない疑問をいくつか抱えていました。
それが、大学院の授業を受けたら、ちゃんと説明つくようになったのです。

発音については、音声学で調音点と調音方法を学び
韓国語の発音の変化(鼻音化など)が納得できるようになりました。

文法についても、あらためて日本語の文法を確認することで、
日本語と韓国語の文法のずれがわかってきました。

韓国語の教科書には「~がしたい」の希望表現について
日本語は「ご飯食べたい」
韓国語は「 먹고 싶다(ご飯たべたい)」
と助詞は「を」を使う、と説明されていますが、
日本語でも「ご飯食べたい」というし、
韓国語でも「 먹고 싶다(ご飯食べたい)」ということもあります。
「を」か「が」の違い。これもまた楽しい。

ただ授業では「説明してくれなくてもいい(理屈はいらない)」と言われることもありますが。

すぐに役立つ知識

働きながら学ぶと言うことは、
さっき学んだことを、次の授業ですぐに生かせる
というメリットがあります。

逆に韓国語の授業をしていて、疑問に思ったことを
大学院の授業で確認することもできます。
これは、やみつきになる面白さです。

大学院を終えて、無事、修士の学位を取得できました。
「教える仕事」を専門としてやっていこうと腹をくくり、韓国語の授業を増やしていきました。
大学院を修了したのが2009年でした。

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