『パンチ』でも兵役逃れがキーワードに。韓国内での「兵役逃れ」に対する風当たりとは。

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韓国の男性が逃れられない「兵役」。2年間というブランク、身体的苦痛など考えると、できれば行きたくないと考えるのは普通の反応だと思います。

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正義の人が悪人に

韓国のニュースで「入隊」「除隊」「兵役」の単語が出ない日はありません。
『パンチ』で、法曹界の不正を一掃しようとする正義の象徴、法務部長官ユン・ジスク
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第7話で、兵役不正者リストに息子の名前が載っていることがわかると、一転、悪者になってしまいました。
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ユン長官自身ではなく、長官のお母さんが孫のために兵役逃れを企んだのですが、本人の指図ではなくても「家族の不正」は長官を脅迫する材料として、インパクトが絶大でした。

ある歌手の兵役逃れ

2015年放送の解説ニュースがあります。
2002年当時、人気絶頂にあった歌手が兵役逃れのためにアメリカ国籍を取得したという「事件」について、どう扱われているのかがよくわかります。

動画の冒頭、歌手の帰国について街頭インタビューで答える一般の人々は、
国民をだましたから、戻ってほしくない
13年も過ぎているから、関係ない
など、反応はまちまちです。

事件の概要

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字幕:병역 대신 미국 시민권 선택한 유승준
兵役のかわりにアメリカ市民権 選択したユ・スンジュン

アンカー:歌手のユ・スンジュンさんが仁川空港で入国禁止となり引き返したのが2002年、13年前のことです。最近、またユさんの帰国がとりざたされていますが、その背景と、実際に帰国できるのか、今日(2015年5月19日)のファクトチェックで詳しくみてみます。
ユさんは当時まだ若かったわけですが、今は何歳ですか?

記者:76年生まれなので今年40です。
ユさんの帰国が話題になったのは去年からで、兵役義務が免除される38歳がすぎて入国禁止が解除されるかもしれないという期待からです。
結局、ただのハプニングで終わりました。そして今晩、これに関連してインターネットメディアが香港からインタビューをすることになり、法務部が入国を認めることを検討しているというニュースまであったため、また注目をあつめているわけです。

公演を利用してアメリカへ

1分54秒
アンカー:法的にはどうなんですか?ある意味外国人、いえ実際に外国人ですよね。

記者:90年代、ユさんの人気は本当に絶大でした。「カウィ」「ナナナ」「サランヘヌナ」などで爆発的な人気でしたが、兵役義務はかならず果たすと公開の席で約束もし、海兵隊の広報大使も務め「美しい青年」とまで呼ばれていました。当時の声です。

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<ユ・スンジュン(2001年8月身体検査当時):もちろん、ここで(兵務庁)決められた事項ですから、従おうと思います>

記者:ところが、日本での公演の前に、必ず戻ってくると兵務庁に念書まで書いたにも拘わらず、そのままアメリカにわたり市民権を取ってしまいました。
兵務庁では「出入国管理法11条:大韓民国の利益や公共の安全を害する行動の恐れがある者は入国を禁じることができる」という条項を根拠に、ユさんが帰国できないように法務部に要請しました。

アンカー「ユさんのせいで兵役忌避者が増えるかもしれない、だから公共の安全を害する人物だ」という判断ですね。主観的な基準だとも言えますが、だったら「公共の安全を害さないかもしれない」と判断されれば帰国は可能ですよね。

兵務庁の嫌悪感

3分36秒
記者:そのためには手続き上、最初に入国禁止を申請した兵務庁が態度を変えなければなりませんが、現在の立場を聞いてみました。

兵務庁:要するにユ・スンジュンという人は、13年前に大韓民国の国籍を喪失したアメリカ人です。韓国人じゃありません。13年前に国民たちを傷つけて我が国を捨てて、アメリカ人になったんだから、アメリカ人として静かに暮らせばいい…、大韓民国の国民をどう思っているのか、私はステーブ・リーが理解できません

記者:去年、帰国の話が出たとき、入国禁止解除はまったく見当していないと強調していましたが、お聞きの通り、その立場は今年も変わっていないようです。

アンカー:兵務庁の判断はひどすぎると、ユさんが法的手段をとることもできますか?

記者:また入国を試みて拒否されたら、行政訴訟という正面突破の可能性のあります。
ただ、法曹界では
13年も制裁を受けてきたからもう十分だと判断
出入国関連は行政部に回される
国民感情から無理だろう
など意見が分かれています。いずれにしろ、国内活動を考えるなら、ユさんが訴訟まで起こすことはないと思われます。

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国籍を再取得することはできるのか

5分29秒
アンカー:そうですね。かなり時間もたっているので、国籍を再取得して帰国するということもありますか?

記者:手続き上は可能です。
しかし国籍法9条に「兵役忌避を目的として国籍を放棄したものは、再取得できない」と明示されています。ユさんはこれに該当するとみられ、再取得は困難です。
ユさんについての議論が続いているので、法務部では「ユさんに対する入国禁止解除や国籍回復を検討したことはなく、考えてもいない」という立場を表明しています。

アンカー:法務部が検討中だと言われていましたが、違うんですね。そうすると、法的にはユさんの帰国は無理そうですね。

権力者子弟の実情

6分20秒
記者:そう言えると思います。でも、毎年、ユさんのように国籍を放棄して兵役義務を逃れている男性が3千人もいるんです。さらに、その後、国籍を回復している人が900人から1200人、増加傾向にあります。
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アンカー高位公職者の子弟が多いですよね。

記者:はい。2年前、当時の大統領首席秘書官をはじめとして、現政府高位公務員15人の子弟を調べたところ16人が韓国国籍を放棄して兵役免除されていたと明らかになりました。
ユさんの問題が議論されている今、兵務庁や政府が、この問題を放置している方がもっと深刻なのではないでしょうか。

アンカー:先ほど兵務庁の関係者は、ユさんを強い口調で非難していましたが、この問題にも強い態度で臨んでほしいです。

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ユ・スンジュンさんは、兵役逃れというより「国民をだました」ことへの反感が強いようです。
兵役逃れそのものを問題にするなら、権力者の子弟はどうなんだ!
という方が先ですね。

ドラマ『被告人』でオム・ギジュンが言っていたように、
大韓民国において、金と権力でできないことって、いったい何がある?
と言っていたように言っていましたが、
そのうちの一つが、「兵役逃れ」なんですね。

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