『六龍が飛ぶ』一番のクライマックス!第47話 セリフの日韓対訳で見る感動の名場面

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『六龍が飛ぶ』全50話見終わりましたが、全体の感想はまだまとまりません。とりあえず特筆すべきは第47話。ありとあらゆるクライマックスでした。

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第47話 李芳遠が鄭道伝を討つ

ついに、李芳遠が兵を挙げます。
鄭道伝(チョン・ドジョン)を討つためにもっとも障壁となる護衛兵イ・バンジを、どうくいとめるかが問題になるわけですが・・・。
これに関しては、こちらにあります。

挙兵の当日

李芳遠(イ・バンウォン)の策士、ハ・リュン兵を引き連れて合流します。
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そして、冊子を李芳遠に渡します。
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記録された歴史とは

そこに書かれていたのは、
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무인년 팔월 기사일
봉화백은 왕실의 정치를 모해하기 위해 용모를 꾸몄다.
허나 정안군은 앞서 이 음모를 알고 거병을 하였다.

戊寅年8月己巳日
奉化伯(鄭道伝)は王室の政治を謀害するために謀反を企てた。
しかし靖安君(李芳遠)は事前に陰謀を知り、挙兵した。

これからの出来事が過去形で書かれています。
いぶかる李芳遠にハ・リュンは、
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앞으로 기록될 역사이며 지금까지 벌어진 역사이지요.
これから記録される歴史で、これまで起こった歴史です。

さらに記述は続きます。

이에 봉화백은 쥐새끼처럼 도망가다 체포되었고
결국 정안군 앞에 무릎꿇고 그 목숨을 구걸하였으나
정안군은 봉화백을 크게 꾸짖고는 참수하였다.

奉化伯(鄭道伝)は子ネズミのように逃げたが逮捕され、
結局、靖安君(李芳遠)に命乞いをしたが、
靖安君は奉化伯をしかりつけ、斬首した。

ハ・リュン
그것이 바로 지금부터 벌어질 역사이옵니다.
これがまさにこれから起きる歴史なのです。

出来事が起きる前に、出来事の記録を作ってしまう!
そして、ドラマで経緯を知っている私たちは、
「謀反」「命乞い」などは、あくまでも「李芳遠側」の言い分だ
ということがわかっています。
本当に一方的な表現なわけです。

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実在の人物ハ・リュン(河崙)

一方的な表現に満足げな李芳遠。
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이번일이 잘 풀리면 선생께서 아바마마의 실록편찬을 맡으셔야 겠습니다.
これがうまく行ったら、ハ・リュン先生に父上の実録を編纂してもらいましょう。

河崙(ハ・リュン)は実在の人物で、実際に朝鮮王朝の実録編纂に関わっていたそうです。
そのうえで、こういうやり取りをドラマで描くというのは、

書き記された歴史的事実なんて、信用できない
実際に起きた事実は知りようがない
誰が、どういう意図で書いたのか、を知る必要がある

ということが言いたいのでしょう。
時代劇はまさに、
誰の目線から、その人物や出来事をどういう意図で描くのか、
その立場でまったく異なるドラマができるわけですし。

鄭道伝の最後

追い詰められた鄭道伝は、李芳遠の前に出てきて、
二人で話をしながら歩き、お互い譲れないことを確認し、
向かい合ったところで、
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李芳遠が自らの手で、鄭道伝を刺し殺します。

そして、李芳遠がつぶやくように言います。
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아까 그 기록에서 쥐새끼처럼 도망갔다는 것 뺍시다.
さっきの記録から、子ネズミのように逃げたというのは削りましょう。

もし、ここで李芳遠がこういわなければ、
記録上、鄭道伝は子ネズミのように逃げたことになってします。
それが「史実」になってしまう。

時代劇などのドラマは「作り物」と思って見ますが、
「史実」となると、それが「本当に起きたこと」と信じてしまいます。
謀反や、逃亡という表現は、勝って権力をとった人の表現であり、
そもそも都合の悪いこと「書かれていない出来事」も、
あったかもしれません。

時代劇というフィクションは、
そういう権力者の思惑を可視可したり、
書かれなかったかもしれないことを作ってみたりする。
時代劇の作り手は、楽しいでしょうね。

第47話に、この、ハ・リュンと李芳遠のやりとりをいれた作者、
すごいなああ、とひたすら感嘆しました。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!

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