映画『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』南北分断を素材にした気楽なコメディ映画

少し前になりますが、『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』を見てきました。気楽なコメディ映画ですが、北朝鮮のミサイル発射ニュースが増えている南北分断の現状も思い出してしまいます。

映画『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』

韓国：2022年8月公開　日本：2023年12月公開
原題：６４５(육사오)
2 (3)

キャスト
パク・チョンウ：コ・ギョンピョ
韓国陸軍に兵役中。宝くじを拾った人
コ・ギョンピョは「応答せよ1988」でドクソンの姉と結婚したソヌ。
リ・ヨンホ：イ・インギョン
北朝鮮の軍人。風に飛ばされた宝くじを手にした人。
イ・イギョンは「私の夫と結婚して」で悪い夫のミンファン。

あらすじ
除隊まもないチョンウが偶然拾った宝くじが1等57億ウォンの当たりくじだった。
南北の境界線の警備中に宝くじが風に飛ばされ、リ・ヨンホの手に。
チョンウとヨンホ、それぞれの上司らをまきこみ、宝くじをめぐって対立するが、
北朝鮮では換金できないので、南で換金して山分けすることで落着。
その間、チョンウが北に、ヨンホが南に人質として滞在することになる。

予告編はこちら。

北に潜入したチョンウが北の女性兵士に恋をしたり、
南に潜入したヨンホの正体がばれそうになったり、
北のセクハラ上司を懲らしめたり、
というエピソードが、声出して笑えるコメディーになっています。

映画館でも皆さん、声出して笑っていました。

タイトルについて

韓国語原題は
６４５　육사오

４５個の番号のうち６個を当てれば1等になる
という宝くじのことです。

これの邦題が「宝くじの不時着」になるとは・・・。
私の周りでは、
「愛の不時着」のパロディ？もとのドラマ見てないからなあ
と言う人もいました。

「愛の不時着」とはまったく関係ないし、
関連パロディもありませんから、ご安心を（？）

南北軍人の交流というファンタジー

北緯38度という軍事境界線を挟んで南北に分断された韓国と北朝鮮。
1950年に朝鮮戦争が起こり、1953年に休戦しましたが、
その後も対立関係が続いているので、双方の行き来はありません。

休戦状態なので、南北それぞれに38度線に軍人が配置されていて、
お互いに相手の顔が見えたり、仲間同士の会話が聞こえたりするのでしょう。
民族同士で殺し合いをした「敵」とは別の、
血の通った人間として、相手が見えてくるのかもしれません。
そこから生まれる想像や妄想から映画がつくられることもあるのでしょう。

『宝くじの不時着』では、
境界線にある「共同給水区域」で南北6人の軍人が密会したり、
話し合いを重ねるうちに親しくなった6人が、
38度線をはさんでボール遊びをしたり、
という姿が描かれています。

かつての、
『共同警備区域JSA（공동경비구역 JSA）』
を思い出しました。

「別れる決意」「お嬢さん」などのパク・チャヌク監督作品です。
イ・ビョンホンが南側兵士で、ソン・ガンホが北側兵士でした。
何かのきっかけで、38度線を警備する南北の軍人が
ゲームをしたり、お菓子を食べたり、
交流するようになる物語です。

2001年に日本で公開された時に映画館で見ましたが、
ああ、ファンタジー映画だなあ
と思ったことを覚えています。