ソン・ソックさん主演の映画『コメント部隊』評判イマイチでも、面白かった!

『私の解放日誌』以降、ソン・ソックさんに惚れた人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。今回めずらしく予告編も見ずに「ソン・ソックさん主演だから!」ということで見に行ってきました。
映画『コメント部隊』
2024年3月公開(韓国)
キャスト
新聞記者:ソン・ソック
コメント部隊の若者
キム・ソンチョル
(刑務所のルールブック、ヴィンチェンツォなどでおなじみ)
キム・ドンフィ
(私は初めて見ましたが、ミッシングなどに出ているらしい)
ホン・ギョン
(キム・テリの悪鬼で、若い刑事さんでした)
あらすじ
大企業が中小企業の技術を盗んだという記事を書いた記者が、
それは誤報だったとネットで非難を浴び、休職に。
ある若者から「情報提供する」といわれ、若者たちがネットを使って
世論操作をしている現実を知り・・・。
予告編はこちら
韓国の現実を反映した映画
映画の冒頭、
この物語は実話である。1992年から2023年まで、30年の間に起きた事件を情報提供者の証言を基に再構成した。名誉棄損などの法的問題を避けるためやむを得ず登場人物、機関、団体名は仮名を使ったが、その他は事実のままである。
というメッセージが映ります。
そして映画の内容も、
2004年のサムソンSDSによるETCシステムの入札妨害事件
(被害企業:映画ではウソンデータ、実際はポスデータ)
2008年にサムソングループに世論専門チームがいると暴露される
(法務チームにいた弁護士が「正規職のコメント部隊が150人いる」と発言)
2014年、KT&Gの新型タバコの間接広告依頼疑惑
(映画で紹介された手法は当時のものそのまま)
などなど実際にあった事件をなぞって
映画は進んでいきます。
映画では、サムソングループは「マンジョン」という名前になっていますが、
「国家機関」かと錯覚するほどの巨大企業といったら、
みなサムソンだと分かるでしょう。
サムソンほどの規模だったら、
メディアを買収したり、
コメント部隊で世論操作したり、
記者の一人二人つぶす程度のことは、
やっているんじゃないか、
この映画は、サムソンを告発しているのか?
と思えてきます。
ここから先、致命的なネタバレとなりますので、
これから映画を見る予定の方は、この先、スルーしてください!!
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映画「スティング」なみの仕込み
記者は、情報提供者から彼らが
サムソングループのコメント部隊となるまでの詳細な経緯を聞き、
記事を書こうとしますが、それが真実なのか決定的証拠がない。
しかし、ライバル社も同じネタで記事を出そうとしていることから、
急ぎ、書ける範囲で記事を出します。
ところが、記事が出た後、
情報提供者は、同じ内容のウェブ小説を直前に発表していることが判明、
新聞記事は、小説をもとにしたガセネタだと批判をあびます。
つまり、
サムソングループに世論操作のコメント部隊がいると暴露されていたため、
暴露記事は根拠のないデマだ
という印象を作るために、記者が利用されたわけです。
情報提供者は、サムソンの回し者だったのです。
再び世間の批判を浴びる記者。
しかし、
サムソングループのコメント部隊暴露記事は真実だからこそ
記者が罠にかけられたのだ、と確信します。
そして、最初の「コメント部隊暴露記事」を書いた人物を探し出します。
ところが・・・
その人物も、サムソンの回し者臭い???
それでも記者は負けずに真実を追い求めて数年。
すでに新聞社からは首を切られたので、
取材成果はネットで公表して(内容は明らかにされず)
その記事の照会数がぐんぐん伸びていく場面で終わり。
それにしても
ここまで手の込んだことをするのか?サムソングループ??
と疑問におもっていると、
最後のエンドクレジットに
이 영화는 허구입니다
この映画はフィクション(허구=虚構)です
もう、いったい、何が事実なのかわからない!
視聴者が頭を抱える、というのが狙いの作品なようです。
私は約2時間があっという間だったほど、楽しく見ました。
ただ、韓国では思ったほど観客が入らなかったようです。
結局、何が真実だったのかわからないまま終わっているので、
それが不評だったという分析も。
「何が真実だかわからない」という現実をよく表したと評価する人と
映画でまで現実を直視したくない、すっきりさせてくれと、不満に思う人と
評価が分かれるようです。
よろしかったらお願いします!
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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