映画『藁にもすがる獣たち』映画化して原作小説に引けを取らないとは!
曽根圭介の小説『藁にもすがる獣たち』を見ました。原作小説をすでに読んでいたので、映画を見るかどうか、最後まで悩みました。原作を先に知っている場合、映画に満足することはほとんどないので。でも、この映画は、先に原作を読んでいても、失望することはありませんでした。
『藁にもすがる獣たち』
2020年2月韓国公開
監督:キム・ヨンフン
(この作品が長編デビュー作だそうです)
キャスト
ヨンヒ:チョン・ドヨン
(テヨンの元カノ、失踪中)
テヨン:チョン・ウソン
(入管職員、ヨンヒのせいで借金苦)
ジュンマン:ペ・ソンウ
(痴ほうの母親を抱えるサウナ職員)
トゥマン:チョン・マンシク
(ヤクザの金貸し)
俳優たちの迫力
これまで、原作読んでいたためにがっかりした映画といえば、
カン・ドンウォンの『ゴールデンスランバー』
ソン・ガンホの『凍える牙』
いずれもちょっとがっかりだったので、
やはり原作を先に読んでいる場合は、映画みちゃあかん!
という結論でした。
それでも、『藁にもすがる獣たち』の豪華キャストをみると、
がっかりしてもいいから見てみたいという気になり、
結果は、見てよかった!
映画が原作に及ばない原因は、
2時間に圧縮しないとならないので、
背景説明が足りなくなって感情移入しきれなくなるから。
この『藁にもすがる獣たち』も、
若干、説明不足なところはありましたが、
でも、そういう不足を埋めて余りある俳優たちの迫力。
特に、さすがチョン・ドヨン。
やっぱりすごいチョン・ドヨン。
テヨンが惚れた女性、ヨンヒを演じています。
彼女のために作った借金のせいで、
テヨンは借金とりに追われているので、ヨンヒが憎いのに、
それでも、戻ってきたら抱きしめてしまう。
欲深くて、文句なく魅力的な美人で、
それでいて殺人もいとわない冷酷さをもつヨンヒ。
チョン・ドヨンだから、納得できます。
それから、チュンマンの母親役のユン・ヨジョンさん。
本当の痴ほう老人のようです。
それでいて、人生を達観したセリフが胸に刺さる。
小説を映画化するメリットって、
役者の力にあるんだなあ、
としみじみ思いました。
『ゴールデンスランバー』のカン・ドンウォンも、
『凍える牙』のソン・ガンホも、
名優なんですけどね・・・。
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ネタばれの感想
映画のラストは、小説と異なります。
変更された部分で「なるほど~」と思ったことがあります。
ヨンヒとかかわって破滅していく登場人物たち。
テヨンは、ヨンヒに惚れて借金を作ったあげくに死に、
警察官ミョングは、ヨンヒを手籠めにしようとして死に、
ミランは、ヨンヒを信用して死にました。
ところが、ヨンヒはトゥマンの部下メギに殺されます。
このメギは、自分の親分トゥマンの命令だけを聞く人物で、
ヨンヒに対して、
お金が欲しいとか、性欲とか、信頼とか、一切ないから、
惑わされずに、殺すことができたんだな、と。
韓国語タイトルについて
藁にもすがる獣たち
韓国語タイトルは、
지푸라기라고 잡고 싶은 짐승들
藁でもつかみたい獣たち
藁:지푸라기
獣:짐승
動詞の「すがる」は、最初に思い浮かぶのは
매달리다
です。
헤어진 여자에게 매달리는 남자
別れた女にすがる男
でも、ここで使われているのは、
잡다:つかむ
たしかに「すがる」「つかむ」いずれの動詞も使いますね。
藁にもすがる思い
藁をもつかむ思い
この場合、「すがりたい気持ち」「つかみたい気持ち」
という希望が込められているので、
韓国語訳は
잡고 싶은:つかみたい
と希望表現になっています。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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