『京城クリーチャー』全話見終わっての感想~反日ドラマなのか?
パク・ソジュンとハン・ソヒ主演の『京城クリーチャー』が「反日ドラマだ!」と話題になっていましたが、一部分を見ただけの印象が広まってしまったのか、残念です。
『京城クリーチャー』
2023年12月22日(パート1公開)、2024年1月5日(パート2公開)
キャスト
チャン・テサン:パク・ソジュン
(質屋の主人)
ユン・チェオク:ハン・ヒソ
(失踪した母親を探している)
あらすじ
1945年の京城(現在のソウル)。
テサンは日本人石川から愛人の明子を探すよう指示される。
その頃、日本軍の施設、ウンソン病院では人体実験により怪物が誕生する。
予告編はこちら。
「反日」という批判について
日本の植民地時代を背景にした韓国ドラマはこれまでもありました。
思いつくものでも、
2012年の「カクシタル」チュウォン主演
2017年の「シカゴタイプライター」ユ・アイン主演
2018年の「ミスターサンシャイン」イ・ビョンホン主演
2023年の「剣の詩」キム・ナムギル主演
などなどたくさんあります。
これらの作品について
日本の描き方が見ていてつらい
という感想は聞きますが、
今回のような批判が大きく起きることはなかったと思います。
いずれの作品もみな、歴史を基にしたフィクションです。
『京城クリーチャー』も、
第二次世界大戦中にあった「731部隊による人体実験」をもとに、
「京城で怪物の実験」というフィクションに仕立てています。
731部隊は、満州で主に細菌戦の人体実験を行っていましたが、
森村誠一「悪魔の飽食」で知られるところとなりました。
『京城クリーチャー』が騒がれているのは、
パク・ソジュンが主演だから??
また、韓国人俳優が話す日本語がヘタだ、と言う声もありますが、
ドラマではなく、舞台ですが、
日本人俳優が話す韓国語のセリフより、はるかに上手だと思います。
・・・2023年にみた舞台で韓国語のセリフがあったもの・・・
星をかすめる風(サザンシアター)
外地の三姉妹(神奈川芸術劇場)
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『京城クリーチャー』が伝えるメッセージ
『京城クリーチャー』を最後まで見ると、
反日どころか、むしろ
韓国の抗日愛国団を批判的に描いていることに驚きました。
愛国団メンバーたちは、
保身に走って仲間割れしたり、
拷問するぞという脅しだけで秘密を暴露したり。
それは『京城クリーチャー』が
朝鮮人vs日本人という対立ではなく、
人間vs人間という描き方をしているからです。
パク・ソジュン演じるチャン・テサンと
人体実験の黒幕である日本人の前田さんとの会話に
それがよく表れています。
前田さんとチャン・テサン
テサンが、朝鮮人の囚人を助けたのは、同じ朝鮮人だからなのかと
前田さんに問われた時のテサンの答え。
조선인으로서가 아니라 인간으로서 분노한다.
朝鮮人としてではなく、人間として怒りがわく
テサンの仲間たちがテサンを裏切った過去(拷問を受けて仲間を売ったこと)を
前田さんが指摘した時のテサンの反論。
그 사람들 모두 이런 세상이 아니었으면
その人たちは皆、こんな世の中でなかったら
겪지 않았을 일들이오.
そんな目に遭わなかっただろう
これらのセリフが、
この作品が伝えたいメッセージなのだと思います。
植民地時代を素材にしたドラマでは、
「悪い日本人」しか登場しないものもあったので、
それに比べれば、日本人視聴者が見ても
そんなにつらくない作品と言えるのではないでしょうか。
もちろん、それ以前に
ドラマとしての完成度が低い
という批判がありますが、それはまた別の機会に。
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