待ちに待った映画『ソウルの春』事実と異なる部分

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2023年に韓国で公開されて話題沸騰だった映画『ソウルの春』。1979年10月に朴正熙大統領が殺害された後、民主化が訪れるかという期待が「ソウルの春」。その期待を踏みにじった軍事クーデターを描いた映画です。

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『ソウルの春』

韓国語原題」:서울의 봄(ソウルの春)
2023年11月22日公開
1 (2)

キャスト
チョン・ドゥグァン:ファン・ジョンミン
(実在のチョン・ドゥファンがモデル。反乱軍のリーダー)
イ・テイン:チョン・ウソン
(実在のチャン・テワンがモデル。鎮圧軍のリーダー)

あらすじ
朴正熙大統領暗殺後、非常時の体制が組まれ、チョン・ドゥグァンが合同捜査本部長に任命される。
あらゆる情報を手に入れられる座を利用して、ドゥグァンは権力の掌握を企てる。
ドゥグァンの目に余る増長ぶりを懸念した陸軍参謀総長は、ドゥグァンを解任しようとするが、
それを察知したドゥグァンは陸軍参謀総長を拉致して反乱を起こす。
ドゥグァンを中心とする軍内の指摘組織ハナ会と、
首都警備司令部司令官イ・テシンを中心とする鎮圧軍の戦いが始まる。

予告編はこちら

ファン・ジョンミンをはじめとする俳優たちの熱演はもちろん、
たたみかけるように事態が急変していく展開に2時間半があっという間でした。

チョン・ドゥグァンらハナ会のメンバーは、
自分の利益しか考えず、強いものに盲従する態度が強調されて描かれています。

こういう愚か者たちが政治を行ったから、
このあとも独裁政治が12年延長されて、多くの犠牲者を出したのだ
という作り手側の怒りが伝わってきます。

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事実と虚構

事実を基にしているとはいえ、映画ですから、
脚色や事実と異なるエピソードも盛り込まれています。

映画の最大の見せ場であるのが、
ソウルに攻めて来る反乱軍の戦車を、イ・テシンが1人で引き返させたシーン。

これはフィクションだそうです。
実際は、ソウルに進撃しようとした空輸旅団は陸軍の命令に従って途中で引き返したそうです。

そしてラストシーンとなる、光化門でイ・テシンとチョン・ドゥグァンが対峙する場面。
イ・テシンが砲撃を命令した後、反乱軍に寝返った国防長官がイ・テシンに解任を告げます。
そしてイ・テシンが単身バリケードを超えて行って、逮捕。

これも実際は、イ・テシンは兵力が100人そこそこでは勝ち目がないと説得され、
司令官室に引き返したところで逮捕されたそうです。

チョン・ヘインが、あっという間に死んでしまうシーンは衝撃的でした。
反乱軍が陸軍本部を占拠する際、特殊戦司令官は部下たちに避難するよう命じますが、
チョン・ヘイン演じるオ・ジノ少領は1人残って司令官を守ります。
しかし、反乱軍の銃弾を浴びて即死。

これはキム・オランという軍人の実話だそうです。
この時攻めてきた反乱軍の隊長はキム・オランと大変親しかったというのも本当の話だとか。

この軍事クーデターが1979年12月12日。
「ソウルの春」が終わりました。
でも、ソウルより南の光州では「春」が続いていました。
光州の春が踏みにじられたのは、
1980年5月18日でした。
『ソウルの春』が『タクシー運転手』と続きます。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

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