映画『マスター』ネタバレなしの感想と、実話の詐欺事件
いよいよ日本公開ですね、映画「マスター」。11月10日からだそうです。
あらすじとキャスト
公式HPより
監督:チョ・ウィソク
詐欺師:イ・ビョンホン
警察官:カン・ドンウォン
詐欺師の手下:キム・ウビン
大規模詐欺集団ワン・ネットワークの会長(イ・ビョンホン)と、彼を追う警察、知能犯罪捜査チーム長(カン・ドンウォン)の対決。チーム長は、詐欺師のブレーン(キム・ウビン)をスパイに仕立て上げて詐欺師を追い込んでいく。
公式HPで予告編ごらんください。
モデルになった事件
イ・ビョンホンが演じる詐欺師、
진현필(チン・ヒョンピル)
モデルになった実際の事件の詐欺師、
조희팔(チョ・ヒパル)
お気づきでしょうか、3文字の最初の子音が同じ音なんですね。
チョ・ヒパル事件について、韓国のウィキペディアの説明をざっと見てみました。
悪役のイ・ビョンホン
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チョ・ヒパルは2004年から、医療機器を買ってそれをレンタルして収益を出すという投資型詐欺でお金を稼ぎ始めた。
定期的に収益金を支給することで投資者からの信頼を得て、会員を増やし、数十の法人と49のセンターを抱えるほどになった。
チョ・ヒパルは、被害者たちに疑われるまでどのくらい時間がかかるか、コンピュータシミュレーションをするなど緻密に逃走するタイミングを計算していた。
その結果に基づき、2008年10月に中国に密航して消えた。
被害額は3万人、被害額は4兆から5兆ウォンに達する。
被害者会では、その倍だと言っており、被害者のうち10人以上が自殺している。
2012年5月、チョ・ヒパル死亡のニュースが流れた。
前年12月に怨恨による請負殺人事件で死亡し、すでに中国で埋葬した、とチョ・ヒパルの家族が話した。
葬式映像が公開されたが、それによりねつ造疑惑が起こった。
根拠として、死亡証明書に中国公安の認証がない、
火葬証明書の日付が12月21日だが、認証日が12月11日である、など。
遺骨のDND検査が行われたが、火葬後だったので確認できなかった。
これだけ大規模な詐欺が可能だった背景に、行政、警察、検察、公職者との癒着があったのではないかともいわれている。
チョ・ヒパルが検挙されたら困る人々が、チョ・ヒパルの逃走・隠蔽を積極的、消極的に協力しているという疑惑も起きている。
チョ・ヒパルは、インターポールに指名手配されていたが、死亡により手配が解除されたので、事実上、完全犯罪が成功したことになる。
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未解決事件を娯楽映画が扱うわけです。
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ざっくり感想
詐欺師が警察チーム長の罠にかかったか!?と思ったら、
裏をかいていたから、チーム長がだまされたのか!?と思ったら、
詐欺師の手の内はちゃんと読んでいたのか!?と思ったら・・・
という、はらはらどきどき。
格好良すぎるカン・ドンウォン。
なんといっても、キム・ウビンの元気な姿が見られるのがうれしいですね。
警察に抱き込まれたキム・ウビンが、裏切るのかどうするのか、
信用したいけどしきれない、憎らしい役どころがぴったりはまっています。
元気なキム・ウビン。
映画の最後、エンドロールが流れたあとに、エピローグのようなものがあります。
席を立たずに、ぜひ最後まで鑑賞してください。
そうそう、当初、海外ロケはフィリピンではなくて、タイで行われる予定だったそうです。<海外ロケ、タイの予定だったそうです>
欠かせないオ・ダルス。
韓国での公開時期と興行
この映画は、2016年12月21日に韓国で公開され、
700万を超える観客動員数を記録しました。
ちょうど、朴前大統領に対する退陣要求デモが盛り上がっていた時期です。
そういえば、同じ時期、カン・ドンウォン主演の映画「隠された時間」は、
観客動員数51万で、振るわなかった理由が、
大統領弾劾デモの時期と重なったから、と言われていました。
『マスター』は、豪華な出演陣を見ても期待作ではあったわけですが、
映画の「建国以来最大の不正事件」というキャッチコピーが、
大統領の不正事件と連動して、客足を伸ばすことに貢献したと言われています。
いずれにしろ、韓国映画は、財閥、警察、政府の不正腐敗を扱ったものが多いですよね。「華麗なるリベンジ」「インサイダーズ」「ベテラン」・・・。
現実社会への不満を映画で晴らす代理満足だと揶揄されることもありますが、大統領不正事件で現実社会でも爽快な成果を上げたのを見ると、代理満足だけでなく、可能性への信頼でもあったのかと思いました。
韓国での評価など
興行的には成功しましたが、専門家の評価は辛口だった・・・
というようなことについて。
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コメント
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2017年 11月 11日
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2018年 5月 17日
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