ネットフリックスオリジナル『トリガー』韓国社会の生きづらさ

キム・ナムギルとキム・ヨングァン主演の『トリガー』が2025年7月25日に全10話が公開されました。犯罪アクションドラマで、重苦しい内容ですが、なかなか評価高いようです。
『トリガー』
2025年7月25日公開 ネットフリックスオリジナル
全10話
キャスト
イ・ド:キム・ナムギル
(前職が特殊部隊の軍人で、現在は警察官)
ムン・ベク:キム・ヨングァン
(捜査中に偶然出会い、イ・ドを手伝う謎の人物)
チョ・ヒョンシク:キム・ウォンヘ
(派出所長で犯罪で家族を失ったイ・ドの育ての親)
あらすじ
理不尽な社会に不満を持つ人々の元に、宅配で銃が届けられ、
韓国社会に銃による大量殺人事件が連続して発生する。
イ・ドは捜査中に出会ったムンベクと共に銃の出どころを探し始まるが…。
予告編はこちら。
全10話ですが、1話が長くて60分、短くて40分
しかも、最後6分くらいエンドロールがあるので、1話がそれぞれ短いです。
ただ「18歳以上観覧可」という制限があるように
銃撃・流血・暴力という残虐な場面は、私も苦手なのですが、
ストーリーがしっかりしているので、見ごたえありました。
『トリガー』の見どころ
「韓国社会で銃が解禁されたら」
という仮定をもとに作られたドラマです。
兵役があるので、韓国の男性は銃を扱えるわけですから、
それほど荒唐無稽ではない、というのが恐ろしい…。
そして、
何度も公務員試験に落ちている正義感ある男性
労災で息子が亡くなり、不誠実な会社に怒りをもつ女性
学校でひどいいじめにあっている学生
性犯罪の前科者で警察の監視を厳しく受けている男性
などなど周囲に対して強い不満をもっている人々
特に、具体的な不満の対象者がいる場合、
例えば、
共同宿所でルールを守らない住民
労災の対応に不誠実な会社社長
いじめの加害者、傍観する教師
自分を監視する警察官
という恨みの対象に対して、今はやられっぱなしの弱い立場だけど、
銃を持てば相手を倒すことができる
と考えるのも無理はありません。
弱い立場にある人たちに共感できるように、
丁寧に描写されていて、俳優さんたちの演技もすばらしいです。
学校のいじめ被害者が、加害者に銃を向けた時、
私は心の中で
早く撃ってしまえ!
と思ってしまいました…。ヤバいです。
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銃を否定した所長さんでさえ
キム・ナムギル演じる主人公イ・ドの育ての親である
派出所長さん。
イ・ドが、両親を殺した犯人に銃を向けた時、
銃を撃ったら気が済むかもしれないが、
自分の人生を潰してしまう。
怒りの感情に騙されるな。
と言って、イ・ドを止めてくれた人です。
その所長さんが、娘を死に追いやった不動産詐欺の犯人に
銃を向けるんですね。
法と我々の限界だ
법과 우리의 한계야
この世に救いはないのか!
という絶望感・・・。
エンディングにはちょっと不満
今の時代の、理不尽な社会に対する告発、問題提起
をかなり激しく描いているのですが、
それに対して、じゃあ、どうしたらいいんだろう。
最終回では、特に何も提示されませんでした。
銃乱射の中で、イ・ドが、小さな子どもを守った
という、ささやかな希望?で、ごまかされた気がしました。
だから、いろいろ考えました。
いじめの加害者は、
親からのプレッシャーや将来の不安のはけ口が必要だから?
労災を放置する社長は、
安全管理にお金をかけたくないから?
詐欺を働く人は、
マンション価格が正常じゃないから楽に稼ごうとする?
などなど社会の不満には原因があり、犯罪に手を染めるきっかけがある。
そういう原因やシステムを改善すれば、
根本の問題を解決すれば、もう少し暮らしやすい社会になるんじゃないか
法律を厳しくして犯罪を防止するより
みんなが不満なく暮らせる社会にすれば、そもそも犯罪は起きないはず。
理想にすぎないけれど、実現は難しいけれど、
いったん理想を描くことで、最初の一歩を踏み出す方向が分かるのではないかと。
ドラマを見て、真面目に考えてみました。
よろしかったらお願いします!
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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