『六龍が飛ぶ』何が評価されたのか。事実とドラマの適切なアンサンブル

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『六龍が飛ぶ』の放送が終わったころに報道されたレビューをいくつか見てみました。どれもかなり高い評価です。

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『六龍が飛ぶ』の評価

高麗末期から李氏朝鮮に移る動乱の時期は歴史ドラマの恰好の素材で、あまたの作品があるわけですが、その中でも『六龍が飛ぶ』は高い評価を受けています。ほかのドラマを見ていないので比べようがないので、どこがどうよかったのか、分析しているレビューをいくつか読んだので、まとめてみます。
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従来の時代劇

SBS月火ドラマ『六龍が飛ぶ』は、50話におよぶ長いドラマだったが、中だるみすることなく、密度の濃い作品だった。
ここしばらく、伝統的時代劇が減り、想像力を駆使したファンタジー要素を加えた作品が多く作られるようになったが、行き過ぎた想像力のはてに、歴史的事実があまりにゆがめられししまい、再び正統派時代劇に回帰するという流れがあった。

例えば、「華政(화정)」(MBC、2015年4月から9月放送)は、ファンタジー要素が強すぎて、歴史的事実を歪曲しすぎるという非難があり、それと同時に視聴率も急落していった。

一方、「チンビロク(懲毖錄/징비록)」(KBS、2015年2月から8月放送)や、「チャンヨンシル(장영실)」(KBS、2016年1月から3月放送)は、正統派時代劇に回帰したものだが、単なる偉人伝にすぎず、視聴者の興味を引くことはできなかった。

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時代劇を変えた『六龍が飛ぶ』

想像力を駆使したファンタジー時代劇と、正統派時代劇という二つの選択肢があるなかで、『六龍が飛ぶ』は、この二つを両立させる第三の道を示すことができた。

歴史的人物と架空の人物を登場させ、歴史的人物の歴史的事実である行動を邪魔しないように、架空の人物が描く。これは「六龍が飛ぶ」が誰もが知っている高麗末期からの歴史を扱いながら、視聴者の興味を刺激することができ、想像力を無限に広げながらもファンタジーのような軽さに陥らずにすんだ理由である。

また、従来の時代劇では、一人の人物の英雄談や成長物語を描くというのが既存のパターンであった。しかし『六龍が飛ぶ』では6人の人物を比較的同じように描きつつ、それぞれが絡みあい、対立する過程を丁寧に扱った。

それにより、チョンドジョンの立場とイ・バンウォンの立場を十分に理解したうえで、両者がぶつかる場面を見ることになる。歴史を、ただ一つの視点から見るのではなく、指導者、権力者、庶民など色々な角度から切り取って描き、どちらの立場の視点から見るか、最終的な判断は視聴者に任せている。

『六龍が飛ぶ』は『根の深い木』の直前の時代を描き、二つのドラマの繋がりを作った点でも興味深い。
「密本」とや「無名」といった組織、
ムヒュルやイ・バンジという武士の世界、
プニを通して描かれる「パンチョン」という歴史的空間、
など、二つの時代劇にのみ通じる世界を作り上げた。

『六龍が飛ぶ』が試みた新しい時代劇の形は、ひとまず成功したといってよいだろう。

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歴史的事実と空想の世界をうまく調和させたのが成功の秘訣・・・。
どこかで聞いたようなセリフだと思ったら、『太陽の末裔』でした。

派遣先で死亡したと思われていたユ・シジンとソ・デヨンが、生きた戻ってきて、
行方不明期間の「報告書」作成を命じられた時の、二人の会話です。

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字幕:(何を書いても信じてもらえます)重要なのは、リアルとドラマの調和だ。
セリフ:(지금 이 상황에서는 뭘 써도 믿어주지 말입니다.) 근데 문제는 리얼리티와 드라마의 적절한 앙상블입니다.
直訳:(今の状況だと何を書いても信じられるでしょう)。でも問題はリアリティとドラマの適切なアンサンブルです。

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コメント

    • NICO
    • 2017年 5月 31日

    こんにちは(´∀`)

    ファンタジー要素というのは、フィクションという意味でのファンタジーということですよね?
    私、昨年、『六龍が飛ぶ』もですが、『華政』にもどハマりしたんですよね。
    確かに、チャ・スンウォンさん演じる光海君が廃位になってからは少し勢いが衰えた気はしますが、
    それでも最後まで楽しく観たドラマでした。
    『華政』⇒『六龍が飛ぶ』⇒GyaO!で『根の深い木』の再視聴と、かなり暑苦しい視聴でした(*≧∀≦*)
    『六龍が飛ぶ』視聴後はさらに、映画『純粋の時代』も観たので頭から湯気が出そうなくらい大変でした~

    本来、『六龍が飛ぶ』あたりの時代は苦手で、どちらかというと避けて通りたいのですが、
    それでもやはり、大好きな『根の深い木』と繋がっているということで観たかったし、
    出演俳優さんも好きな俳優さんが多かったので、放送を楽しみにしていましたね。
    この両作の間にも、5年という歳月があったのもよかったのでは?と思いますがいかがでしょうね?(´艸`)
    やはり、架空が混ぜられていても、脚本がしっかりしていることが大事だということですよね。

      • sokjon2016
      • 2017年 5月 31日

      NICO様
      コメントありがとうございます!
      私は、「華政」見ていないのですが、歴史的事実をどう扱っているのか、
      気になるかどうか、なのでしょうね。
      日本の大河ドラマでも、「この二人が直接であっていたはずがない」とか、
      時代検証が問題になることがありますものね。

      『純粋の時代』という映画、しりませんでした。
      こちらはイ・バンウォンをチャン・ヒョクが演じているのですね。
      予告編を見ましたが、流血シーンも多く、ヘビーですね…。

      私は、韓国ドラマ歴がまだ浅く、時代劇には興味もなくて、
      それこそチャングムも見ていないのですが、
      『根の深い木』は友達に強烈に勧められて、初めて見た時代劇でした。
      ハングルを作り出す苦労、百姓が文字を持つことについての議論、
      鳥肌立つほど感動しました。

      その「続編」ということで「六龍」への期待が大きかったのですが、
      本当に期待を裏切らない作品でしたね。
      3部作になる?という話もありましたが、どうなるでしょうね。

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