映画『殺人の追憶』未解決事件を扱ったポン・ジュノ監督が伝えたかったこと

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有名な作品ですが見ていなかったので、GYAO!の無料配信で見ることができました。公開されてから15年もたっていますが、ちょうど話題の80年代を描いた作品です。

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キャストとあらすじ

2003年公開『殺人の追憶』
6
監督:ポン・ジュノ
(『グエムル』も名作でした)
ソン・ガンホ:パク刑事
(田舎の「足で捜査する」刑事)
キム・サンギョン:ソ刑事
(ソウルからきた科学捜査の刑事)
キム・レハ:チョ刑事
(常習的に暴力をふるう刑事)
パク・ヘイル:パク・ヒョンギュ
(最有力容疑者)

あらすじ
韓国で1986年から1991年に起き、未解決のままである華城連続殺人事件をモチーフにしている。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、何人かの容疑者を捕まえるが決定的な証拠を掴めない。

予告編

映画が伝えたいこと

未解決事件がモデルなので映画でも事件は解決しないでしょうし、画面は暗いし、なかなかしんどい映画なんだろうなと思って、結局15年間見ませんでした。
実際見てみると、暗いんですが、韓国映画らしく笑いもちりばめられていました。

犯人を捕まえられなかった原因

映画の言わんとするところは、「なぜ事件を解決できなかったか」
華城の警察は、ものすごい暴力で無理やり自白させようという捜査で、ソン・ガンホさんも、殴ったり蹴ったり、逆さづりにしたりする捜査方法に疑問なく当然のことのようにやっています。

1986年は、全斗煥大統領の時代。
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後ろの垂れ幕
전두환태통령 각하(全斗煥大統領閣下)
とあります。

この後、政権に反対する市民との衝突場面になります。
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デモの鎮圧やスパイを捕まえるためだと言って、拷問し無理やり自白調書を書かせていた時代でした。

韓国版のチラシ
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アメリカ追随の悲哀

映画のもう一つのテーマは「アメリカ」なんでしょうね。
ポン・ジュノ監督の『グエムル』も在韓米軍が漢江に流した毒物が生んだ怪物を描いていましたし。

映画の中で「科学捜査のアメリカ」と「足で捜査する韓国」が対比され、嫌でもアメリカを意識せざるをえない中、ナイキの運動靴のニセモノ「ナイス」の運動靴が出てきたり。

そしてラストシーンは、ものすごく苦労して絞り込んだ容疑者なのに、アメリカから届いた紙切れ一枚で、捜査が水の泡になってしまう。
アメリカに翻弄される韓国の姿。

パク・ヒョンギュは犯人なのか

一番あやしい容疑者パク・ヒョンギュは、実際、犯人だったのか、気になるところです。

華城連続殺人事件は、1986年から1991年の6年間に10人の被害者を出しています。そのうち8番目の殺人に関して犯人が検挙されたのですが、この事件は他の9件の事件との関連性はないと言われています。

また、10番目の事件では犠牲者から検出された精液の遺伝子が9番目の事件の遺伝子と異なるので、他の事件とは別の犯人の可能性があります。

そうすると、映画の殺人事件も犯人が一人であるとは限りません。パク・ヒョンギュが犯人だけれど、DNA検査を依頼したのがたまたま別の犯人のものだったかもしれません。
何より、当時のDNA検査の精度もまだ低かったと言います。

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ソン・ガンホのアドリブ

最後クライマックスシーンのセリフ。
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字幕:メシは食ってるか
セリフ:밥은 먹고 다니냐

ソン・ガンホのアドリブだそうですね。
もともと台本にあったセリフは、

그런 짓을 하고도 밥이 넘어가냐?
こんなマネをしておいてメシが喉を通るのか?

だったそうです。
が、雨のシーンでずぶぬれなうえに、何度も撮り直しが続き、いつも間にかセリフが変わってしまったそうです。
結局、それが「名セリフ」になったのですから、分からないものですね。

トリビア

ソウルのエリート刑事、ソ刑事が登場するときに映る허수아비(カカシ)。
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字幕:自首しなければお前は地獄行きだ
原文:너는 자수하지 않으면 사지가 썩어 죽는다
直訳:自首しなければ四肢が腐って死ぬ

これは実際の殺人現場に建てられたカカシだそうです。住民ではなく、担当刑事がムーダン(シャーマン)の助言をもらって作ったものだとか。
そういえば、映画でもパク刑事が占いに見てもらうシーンがありました。

そして、映画のタイトルを決めるときに、このカカシの文言も、タイトルの候補に挙がっていたそうです。ちょっと、長すぎますね。

GYAO!で『殺人の追憶』無料配信は2018年2月10日まで。
まだ見ていない方はぜひ。

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