イ・ビョンホンが恰好よすぎる『メモリーズ 追憶の剣』

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『メモリーズ 追憶の剣』<原題:협녀 칼의 기억(侠女 剣の記憶)>、見てきました。

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キャスト・あらすじ

ユベク 유백:イ・ビョンホン 이병헌
ウォルソ 월소:チョン・ドヨン 전도연
ホンイ 홍이:キム・ゴウン 김고은
ユル 율:イ・ジュノ 이준호

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photo:公式HPより

あらすじ:
高麗末期、同志であり共に死を誓いあった3人の剣士ドッキ、ソルラン、プンチョンは反乱を起こした。
しかしドッキの裏切りによりプンチョンが命を落とし計画は失敗、ソルランはプンチョンの子ホンイと共に姿を消した。

18年後ソルランはウォルソと名乗り、プンチョンの娘ホンイの母親代わりとなっていた。ドッキはユベクと名乗り、国内で最も権力のある男になっていた。

ホンイが武術大会に出場しユベクと会ったことを知ったウォルソは
「あなたの両親を殺したのは私とユベク。今度会う時はあなたと私のどちらかが死ぬことになる。」
と18年間隠してきた秘密を打ち明ける。
育ての親であるウォルソの突然の告白に戸惑い行くあてを失ったホンイに、
武術大会で出会い、彼女に想いを寄せているユルが手を差し伸べる。
だが、ユルは敵のユベクに忠誠を誓った剣士だった―。

感想

ただただ、イ・ビョンホンが恰好よかったです。
映画が始まる前に、イ・ビョンホンから「日本のみなさん!」と呼びかける特典映像あり。
映画の作りも、それを狙っているような、こっちから、あっちから、イ・ビョンホンを映し出す。

復讐劇は誰も幸せにならないものです。
最初から、涙あふれる展開で、最後はもっとも悲劇的な結末・・・。

うっとり見とれて、涙でデトックスという面では、申し分ありませんでした。
でも、ところどころ、

ユルの登場はなんだったの?
最初の反乱は、どういうことだったの?
これだけ派手な戦いしていて、なぜ誰も来ないの?

などなど、ちょっと「粗さ」が気になりました。

韓国ではあまり評判が良くなかったそうです。
「王になった男」は評判よかったのですがね。

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感想(4件)

イ・ビョンホンの女性スキャンダルが重なって、公開時期をずらしたとか、
問題はあったそうですが、
いくつか読んだ中で、一番わかりやすい解説を、ご紹介しておきます。

中央日報 芸能欄の記事です。
日本語訳は、ざっくり意訳していますので、ご了承を。

『侠女、剣の記憶』の悲劇・・・イ・ビョンホンのせいだけではない理由

ユ・ウォンジョン記者(2015年8月19日)

美しさを追求しすぎて、人物とストーリーに無理が

優れた剣の技を身に着け、親の業に引き裂かれる少女。この少女がどんな選択をするのか。
映画『侠女、剣の記憶』はこの問いに答えるものだ。

孤児のホンイは、目の見えない母ウォルソの元で剣の技を鍛えられてきた。
武術大会に出たホンイは、ウォルソを知っている権力者ユベクの目にとまる。
それを知ったウォルソは、ホンイに衝撃的な事実を明かす。
13年前の悲劇が再び、ユベクとホンイとウォルソの波乱万丈の物語が始まる。

ストーリーは大きく二つ。
ユベクとウォルソのロマンス。そしてホンイの復讐劇
結局、ユベクはウォルソをそばに置き、ホンイは復習を遂げる。
しかし、残念ながらそれは悲劇である。

監督が追い求めた悲壮美が、裏目に出ている。
その結果、映画の中の、3人の剣客にまつわる悲壮感を描きすぎて、観客には届かない。
ユベクとウォルソのロマンスですら、悲壮感に食われてしまった感じだ。

この映画を見ると香港の武侠映画を連想する。
香港映画も悲壮美を追求しているが、この映画のような破綻はない。
理由は簡単だ。悲壮美に向かうストーリーの作りが粗く、説得力に欠けるからだ。だから、ホンイの復習も、ウォルソの大義も、ユベクの最後の選択も、
すべてすっきりせず、疑問が残る。

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特にホンイの復讐が遂げられる瞬間は、普遍的な常識では理解しがたい。
「親子」である絆を超えるほどの「やむを得なさ」があるとしても納得しがたいのに、映画的な効果があるとはとうてい言えない。

映画は復讐に向かって、行きつく間もなく突き進んでいくが、
「なぜ?」という疑問には答えてくれない。
少しの共感もなく、受け入れられない何か。
映画が悲壮美のピークとなる瞬間、観客は感動する気力すら失ってしまう。

もし、背景である高麗後期の社会問題と、復讐が関連付けられていたら、また違っていたかもしれない。
しかし、この社会問題はあくまでも背景として描かれているだけで、
大義も名分もいまひとつ足りない「私的な復讐」に絞られている。

ホンイについても、物語が進むと、復讐の名分とその対象が曖昧になってしまう。
表面的には主体的で、能動的であるが、実態のない復讐に一生懸命に受け入れようとするキャラクターである。

念願だった復讐をとげながらも、ホンイは主体でありながら犠牲者になる。
復讐の一点で生きてきたホンイの自我が崩れ、その瞬間に彼女は、運命を強要されてきた被害者に転落する。
それこそ、親の因縁のとばっちりを受けたも同然だ。
一人の人間の欲から始まった、異常なまでの虐待は、
諦めと、引き返せない「運命」に美化される。

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ワイヤーを活用したアクションは、写実的というより幻想的だ。
ゆっくりとびちる剣の血と、白で統一した空間は、強烈な対比を見せる。
「美しさ」を究める監督の試みが見える。

過去の作品へのオマージュもあちこちに見える。
竹林でホンイと師匠が技を競うところは、『グリーン・デスティニー』を彷彿させ、
ホンイが一人でユベクの屋敷に入って戦うところは、『キル・ビル』を思わせる。

このアクションもところどころ過剰な感がある。
ホンイが想像の中でウォルソと戦う場面がそうだ。
「耽美」のために作られたに過ぎないという印象がぬぐえない。

人々でにぎわうはずの夏場の映画館で、
『侠女、剣の記憶』だけが振るわなかった理由は、
俳優イ・ビョンホンのスキャンダルで公開が遅れたせいではない。
映画の出来と関係なく、俳優たちはその技量を十分に披露してくれている。

美しさに懲りすぎて、ストーリー展開に無理があった。
観客が納得できる作品になり得なかった悲劇だろう。

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