映画『女は冷たい嘘をつく』女性が生きていくこと上での厳しい現実

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ちょうどGYAO!で『大丈夫、愛だ』を見ているので、これもコン・ヒョジン??というくらい、薄幸なコン・ヒョジンに驚きました。

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『女は冷たい嘘をつく』キャスト

1
原題:미씽:사라진 여자(ミッシング‐消えた女‐)
監督:イ・オンヒ
ハンメ:  コン・ヒョジン
ジソン:  オム・ジウォン
(映画『マスター』では格好いい女性刑事役でした)
刑事:   キム・ヒウォン
(『ミセン』の悪役パク課長のイメージが強くて…)
ブローカー:パク・ヘジュン
(『ドクター異邦人』の北の工作員、『ミセン』のチョン課長)

予告編

あらすじ

ジソンは離婚調停中で、1歳の娘ダウンの親権について争っている。給料のほとんどがベビーシッター代で飛んでいくが、よいシッター・ハンメが頑張ってくれている。しかし、ある日、ハンメとダウンが消えてしまった。

韓国映画といえば、格好いい韓流スター=男性中心の作品が多く、私もそういうのを好んで見ていますが、これは「女性の映画」。
女優さんの演技もすごいし、女性の現実も凄まじいし…。つらいです。

韓国版のチラシ
2

生きにくい女性の現実

最初は、育児と仕事に頑張っているジソンをハンメがさらに苦しめていると思ってみているのですが、ハンメにも苦しい現実があるっぽい、とわかってきます。
韓国社会に限らず、女性が「なんで?」と思う現実。

子どもがいると職場で不利益を被る。

ジソンの上司が、子どもがいる女は迷惑だことの、仕事与えてやっているだことの、とても嫌な奴です。

離婚調停ではみんな敵

夫は家庭を顧みないどころか不倫中なのに、経済力があるから娘の親権は夫に認められてしまいます。母親役は姑がいるという理由で。調停員も弁護士もみんな男。最初から、ジソンは犯罪者のような扱いを受けています。見ているだけでも腹が立ちます。

農村の外国人花嫁

日本でも、嫁がこない地方都市でフィリピンやベトナムから嫁を「買ってくる」という問題が新聞をにぎわしたことがありました。
言葉の問題はもちろん、ただで使える労働力だとか、子育てをめぐっての文化衝突など、ネガティブな面がクローズアップされていましたが、行政による支援も確立してきて、最近は「多文化」になることのメリットも注目されています。
映画でも、ハンメの隣人夫婦は、幸せそうな国際結婚家庭でした。

家父長制の弊害

ハンメは「外国人花嫁」のネガティブな面、つまり安い労働力であり、韓国語を身に着けると逃亡するといって閉じ込めらるなど、屈辱的な生活を送っていました。ようやく子供ができて、人間らしい待遇をしてもらえると思ったら、
「女の子だから医療費がもったいない。また産めばいい、今度は男の子を!」
と言われてしまいます。

サスペンス映画?

見ていて、これは女性が作った映画だろうと思ったら、
やはりイ・オンヒ監督は女性でした。
そして、主演女優ふたりの熱演。
チラシ写真のコン・ヒョジンのアップ写真、ほくろがたくさんあります。
ジソン役のオム・ジウォンも、最初は背筋の伸びたキャリアウーマンですが、子を盗られた母親の狂気、本当に怖かった。

一応、サスペンス映画という触れ込みで、子どもを見つけるまでの謎解き
のような作りになっていますが、
まあ、ハンメ(コン・ヒョジン)にもなんらか事情があるようだ、
というのはすぐにわかるので、サスペンスと思って見た人たちは、
若干がっかり、という感想もあります。

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大統領も見た映画

韓国での劇場公開は2016年11月でしたが、今年2017年10月の、
釜山国際映画祭でこの映画が上映され、ムン・ジェイン大統領も観覧、
主演女優とのツーショット写真とともに大きな話題になりました。

釜山国際映画祭は、セウォル号を扱った映画の上映をめぐり釜山市が政治的介入をしたことで、多くの映画人が参加をボイコットするなど、荒れた状況にあるなかでの大統領訪問。それだけでも大きなニュースなのですが、
「大統領が見た映画」ということで注目を浴びたというのもうれしいことです。

ムン・ジェイン大統領の映画鑑賞後の感想は
「(原題の)消えた女性という副題に、この社会に生きる女性が疎外されている、女性の声が消されているという二重の意味と問題意識が込められている」
と語っています。

ネタバレの感想

これからこの映画ごご覧になろうという方は、この後、スルーしてくださいませ。







ハンメの赤ちゃんは腎臓の病気で、
姑と夫からは、治療費出せないと言われ、
病院でも滞納しているから出ていけと言われ、

ジソンの赤ちゃんが病気になった時に、医者の夫が、
「この滞納の子を追い出してベッドを空けろ」
といったために、病院を追い出されて、赤ちゃんが死亡。

ハンメはブローカーに夫の殺害を依頼し、報酬として、
ジソンの赤ちゃんを連れてくるから、売り飛ばすなりなんなりしてくれ、
という話だったわけです。

でも、ハンメは赤ちゃんと一緒に暮らしたくなり、
誘拐して、中国に帰って静かに暮らそうと船に乗ります。

映画のラストは、
ハンメは赤ちゃんを警察にわたし、ハンメは海におち、
自分の赤ちゃんと天国で幸せに・・・
というサッド・エンド。

ハンメが海に落ちたとき、ジソンはハンメを助けようと海に入りますが、
ハンメは、ジソンの手を振りほどきました。

そりゃ、ハンメにとってジソンは「かたき」ですが、
一緒に暮らしながら、ハンメもジソンの辛さがわかっているはず。
二人、手をつないでほしかった。

そして、ジソンの夫や、弁護士・警察・職場の上司という男たちの鼻を明かしてやってほしかった。
中国に一緒にわたって、ハンメとジソンと娘と三人で幸せに暮らしました、
という結末にしてほしかった。
映画『お嬢さん』の衝撃的なハッピーエンドもありましたし。

もちろん、中国に行ったところで、女性はもっと生きにくいかもしれないし、ハンメやジソンに、行く場所はないのかもしれません。

そして何より、ハンメは自分の夫を殺害しているので、
やはり映画の中でハンメは償うべき罪を負ってしまっているので、
ハンメを生きさせ、ハッピーエンドにする選択はなかったのでしょう。

ジソンが自分の赤ちゃんを腕に抱いて映画は終わります。
でも、ジソンの夫や姑に、この後、娘誘拐の責任を理不尽に問われ、
離婚調停もさらに不利になってしまうんじゃないかとか、
仕事でたくさん穴をあけてしまって、失業してしまっているんじゃないかとか、
ジソンとその娘の、「厳しいその後」を想像せざるを得ません。

「ハンメとジソンと娘の3人でハッピーエンド」を見たいのに、
現実は厳しいぞ、という映画でした。

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