映画『消された女』社会問題の告発だけでない、最後のどんでん返しに唖然

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キャスト・あらすじ

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原題:날, 보러와요(私に会いに来て)
監督:イ・チョルハ
(「愛なんかいらない」の監督さん)

カン・イェウォン:カン・スア
(強制入院させられた被害者)
イ・サンユン:  ナ・ナムス
(ドキュメンタリーのPD)
チェ・ジノ:   チャン院長
(強制入院の制度で私腹を肥やす悪人)

あらすじ
日中の大都会を1人で歩いていたカン・スアは突然、何者かに誘拐され、精神病院に監禁される。1年後、彼女が病院での記録を書き留めた手帳がテレビプロデューサーのナ・ナムスの手に渡り、ナムスは調査を始める。

予告編

映画の背景

予告編にもある通り、
精神保健法第24条保護者2人の同意と精神科専門医の診断があれば患者本人の同意なしに強制入院させることができる。

これを利用して、財産や出世などに都合の悪い人物を精神病院に隔離するという事件が数多く発生している、という現実を告発する内容です。

この法律に対する問題提起は、2013年1月26日に放映されたテレビ番組「これが知りたい(그것이 알고 싶다)」でもされていました。

そして2016年4月14日、精神保健法第24条が憲法裁判所で違憲かどうかの議論が始まります。
『消された女(날 보러와요)』の韓国での公開が2016年4月7日だったので、憲法裁判所での議論は大きな注目を浴びました。

強制入院が必要な場合も

2016年5月19日、国会本会議で精神保健法の改定案「精神健康増進及び精神疾患者福祉サービス支援に関する法律」が国会本会議を通過しました。

これまでは専門医1名の診断で強制入院が可能だったところ、専門医2名の診断が必要になりました。
「もう一人買収すればいいだけだ」という声が当然ながらあがり、まだまだ不十分ではありますが、とりあえず一歩前進という評価です。

さらに、その直前2016年5月17日に精神分裂病を患っていた男性が、ソウル江南の男女共用トイレで女性を殺害するという事件が発生しました。

さっそく警察側が「犯罪の危険が高い精神疾患者を警察が入院させられる制度が必要」だと主張し、公権力による強制入院の乱用が心配されています。

あれやこれや「精神保健法24条」をめぐる議論が熱い中、『消された女』が上映されたわけです。

実話を基にした映画ですが

イ・チョルハ監督はインタビューで、
「この映画は、一つの事件を元にした作品というより、今まで起きたいくつかの事件を集めて脚色した作品」
と説明しています。

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2度見たくなる仕掛け

これから先、ネタバレです。
2度目を見る手間を省くために、ネタバレしてから見に行くというのもアリかもしれません。





1年前に火災があった精神病院の跡地に、火傷のひどい男性「ハン・ドンシク」が残っていました。その火災関連の資料に、カン・スアという女性の手帳があり、そこに強制入院の実態が記されていました。

調べてみると、ある精神病院の火災の日に警察署長が殺される事件があり、被害者の娘であるカン・スアはその犯人とされていました。

ナPDの調査報道で、警察署長が娘を強制入院させていたこと、警察署長は自殺だったことが明らかになり、カン・スアは無事、無罪放免となりました。

ところが、釈放されてナPDにお礼を言いながら、
「精神病院では、ボールペンも凶器になるから使えないのよ」と一言残します。
つまり!
強制入院させられていたのは、カン・スアの母親だった。警察署長を殺したのはやはりカン・スアだった!カン・スアの手帳は作り物だった!

え?え?え?え?
無数の疑問が沸き上がります。

カン・スアは病院に居なかったのに、精神病院での実態をどうやって知り得たのか。
カン・スアは母親が失踪したといって探し回っていたので、カン・スアが病院に居なかったことはわかるのではないか。
途中でハン・ドンシクが突然消えたのは、カン・スアの仕業だったのか。
そもそもハン・ドンシクは1年間も重症火傷の状態でいたのも不自然。
カン・スアとハン・ドンシクは「共犯」なのか?

どこかの映画レビューに「必ず2度見たくなる作品」とありました。
確かに、もう一度見て確認したくなります。

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