『六龍が飛ぶ』の無名、『根の深い木』の密本、架空の組織が主張すること

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『根の深い木』を見たとき、密本という組織が実在したのかどうか、必死で調べてしまいました。そのおかげで『六龍が飛ぶ』の無名はさすがに、架空の組織だろうとすぐに気が付きました。

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「無名」の名前の由来

『六龍が飛ぶ』『根の深い木』は同じ脚本家で、さらに『善徳女王』もおなじ脚本家です。
『善徳女王』は見ていないのですが、ビダムと一緒に反乱を起こしたヨムジョンが無名を作ったことになっています。ピダムとヨムジョンが花郎になったときのグループ名が「無名之徒」なんですね。

ピダムをキム・ナムギルが演じていたんですね。
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無名と鄭道伝の対決

『六龍が飛ぶ』の第37話で、無名の頭目ヨンヒャンと鄭道伝が対決します。
鄭道伝は、新しい国「朝鮮」を作るにあたり、土地改革をしようと考えています。が、無名はこれに反対し邪魔をしていました。
その理由は。

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“인간은 이를 쫓고 시대는 인간은 쫓는다.” 그것이 우리의 신념입니다. 헌데 새 나라는 이에 대한 인간의 .위대한 욕망을 부정합니다.사전혁파는 더 많은 땅을 갖고 싶은 인간의 욕망을 근원적으로 봉쇄합니다.
「人は利を追い、時代は人間を追う」それが我々の信念です。新しい国は人の偉大な欲望を否定します。私田の廃止は、土地を所有したがる人の欲望を閉じ込めます。

鄭道伝の反論。
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그 욕망이라는 것이 고려를 이 지경까지 만들었소, 그 사전이라는 제도가.
その欲が高麗を貶めたのです。あの私田という制度が。

無名は、私田制度のメリットとして、
人は土地欲しさに必死に土地を開墾するから、農地が飛躍的に増え豊かになる。
欲望が道を作り豊かさを作る、と主張。

鄭道伝は、私田制度のデメリットとして、
全国土の7割以上を権門勢族と寺刹が占め、民の土地はなく追われた異郷で餓死している、と主張。

鄭道伝が進めたい政策は、頭数で土地を分け与える「井田制」です。
誰もが平等に増やせないから、百姓たちは土地を奪われる心配がなくなります。

しかし無名は、欲望を封じ込めると発展がなくなるといい、
鄭道伝は、利を追う人の欲望を儒教の理想が占めるだろう。民が君子になる国を作る、と主張し、無名と決裂。

密本と世宗の対決

無名を滅ぼした鄭道伝は密本を作りました。
鄭道伝は李芳遠に殺されました。二人が対立した原因は、鄭道伝が宰相総裁制(王は形だけ、実際の政治は宰相が行う)に基づいた国を作ろうとしたからでした。

『根の深い木』では、李芳遠の息子・世宗と、鄭道伝の甥・チョン・ギジュンの対立になります。

*チョン・ギジュンは、鄭道伝(チョン・ドジョン)の弟チョン・ドグァンの息子、という設定ですが、チョン・ドグァンもチョン・ギジュンも架空の人物です。

『根の深い木』第10話で、世宗とチョン・ギジュンの対決場面があります。

世宗の主張
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為政者=王を諫める存在が必要だが、それをすべき士大夫(官吏)たちも欲望を持ち既得権を守るために腐敗していくだろう。だから民と意志を疎通するために文字を作った

考え方としては、「王は万能ではない」という前提に立つ宰相総裁制に近いものです。

チョン・ギジュンの反論
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士大夫が欲望を持つというのであれば、民の欲望はどうするのか。民の欲望を統制するために、孔子や孟子が現れたのではないか。お前の文字は、欲望の統制を破壊するものだ。

キーワードは「欲望」ですね。
無名:欲望があるから働き、国が発展する。
密本:民の欲望は政治に向かう。愚かな民は国を亡ぼす。
世宗:民が文字を持ち学べば、欲望をコントロールできる。

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政治の責任とは

『根の深い木』では、世宗の作った「文字」をめぐって、
民衆を自立させ、王の政治が成熟するのか、
民衆に欲望をもたせ、政治が滅びるのか、
という議論になります。

チョン・ギジュンは、政治は責任だ、
世宗は責任を民に押し付けている、と主張します。
つまり、
病気が流行れば、隅々まで薬を届けるのが王の役割なのに、
世宗は「文字で説明を書いたから、勝手に薬を飲め」というのは、無責任だと。

チョン・ギジュンのたとえ話は、今にも通じるものでした。
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한 사내가 여인을 사랑하여 여인을 만나고 집에 바래다 준다. 넌 그것이 귀찮아 칼을 하나 사서 쥐어주며 이젠 스스로 지켜라. 그렇게 말하는 것이다 . 그것이 어찌 사랑이라 말할 수 있는 것이냐?
男は愛する女を家まで送ってやるものだが、面倒なので「刀をやるから自分の身は自分で守れ」そういうことだ。

男女関係でも、親子関係でも、
「私がいないとこの人(子)は何もできない」という関係を作って、それが「愛」だと思い込むことがよくあります。
でも本当の「愛」は、一人で生きていける力をつけさせること。

プニ、じゃなくてソイはちゃんと理解しています。それが愛だと。
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사랑이옵니다.사랑이라고 하시옵소서
愛です。愛だとおっしゃってください。

文字を持つこと=学ぶこと=自立すること
愛ですね。

無名にしろ、密本にしろ、架空の組織ですが、
こういう反対勢力が登場することで、鄭道伝や世宗の主張をわかりやすく伝わってきます。

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