映画『EXIT イグジット』災害映画だけれど若者の現状を描いたハイクオリティな作品

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映画『EXITイグジット』、毒ガスからの脱出を描いたサバイバル・アクション映画なので、見ていても腕や足に思わず力が入ってしまうハラハラドキドキシーンの連続ですが、社会的メッセージもあって見ごたえ充分でした。

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映画『EXIT イグジット』

2019年7月公開(韓国)
4 (2)

監督:イ・サングン
(この作品が長編デビュー作)

ヨンナム:チョ・ジョンソク
大学では山岳部でたくさんの賞をとったりもしたが、就職がうまくいかずにいるフリーター。

ウィジュ:少女時代のユナ
ヨンナムの大学時代の後輩で、かつてヨンナムを振ったことがある。宴会場の副店長とはいえ、就労条件はあまりよくなさそう。

あらすじ
就職できなくて家族の中でも肩身の狭いヨンナムは、
両親の古希祝いの会場で、昔振られたウィジュに出会う。
パーティーの最中に起きた毒ガスパニックで、
救助ヘリコプターに乗り切れなかったヨンナムとウィジュは、
学生時代のクライミングの技術を駆使して、生き残るために毒ガスと闘う。

予告編

韓国でも高い評価

韓国でも900万を超える観客を動員するほど、非常に高く評価されています。
どのように評価されているかというと、

無理矢理なお涙頂戴シーンがない!

というのが最大の賛辞になっています。
これまでの災害映画というと(災害映画に限らず)、

親や子のために犠牲になって死んでいくとか、
大事な人を助けきれずに自責にかられるとか、

お決まりの感動シーンというのがあったわけですが、
この『イグジット』にはそれがありません。

もう一つは、

主人公がスーパーヒーローじゃない!

これまでの災害映画だと、
主人公が火事場のばか力を発揮したり、
絶望的な場面でも超人的精神力で諦めなかったり、

というスーパーヒーローぶりを見せていましたが、
この『イグジット』のチョ・ジョンソクは、
不安に押しつぶされると、泣きます。

三つ目が、

設定に無理がない!

これまでの映画だと、
逃げていたら偶然、仲間と出会えたとか、
逃げていたら偶然、安全な空間が残っていたとか、

そんな都合のいいことがあるもんか、
という「興覚め」シーンがあるものですが、
この『イグジット』にはそれがありません。

そんなこんなで、『EXIT イグジット』は、
これまでの限界を打ち破り新境地を開拓した、
という評判です。

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若者たちの生きづらさ

そして、災害が津波や地震やタワービルの火災じゃなくて、
毒ガス
というのが、うまいチョイスだと思います。

不安の塊が足元からもくもくわいてきて、
徐々に息ができなくなっていく・・・
という現代社会の不安感が、まさに毒ガスのようですから。

絶体絶命の不安のなかに、ささやかな希望が見えるのですが、
それが、
誰かが見ていてくれる、という他者の目の存在。
やっぱり、孤独・孤立が一番の「敵」なんだなあ、としみじみ思いました。
この「誰かが見ていてくれる」ツールが、
ドローン
というのも、なんとも今っぽいです。

いわゆる「勝ち組」「負け組」でいうと、
ヨンナムは完全なる「負け組」なのですが、
「勝ち組」たちが持ち合わせていなかった

絶対ピンチの時の判断力・行動力
ピンチに打ち勝つ体力・技術

というものを、ヨンナムが見せつけてくれました。

毒ガスのような厳しい現実に直面している若者たちへの
暖かいエール
という評もありますが、
いやはや、あんなタフにはなれません・・・
というのが正直なところです(笑)。

俳優たちの好演

主人公ヨンナムを演じたチョ・ジョンソク
4

12月に日本公開の
『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』
では、ものすごい悪役を演じています。


この人も、芸幅ひろいですよね。

もう一人の主人公ウィジュを演じた少女時代のイム・ユナ
8
正直、特に印象になかったのですが、好印象を残してくれました。

この手の映画によくある災害対策がとれない無能な政府批判とかはなく、
その分、主人公のサバイバルに集中していたので、それもよかったと思います。

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