チョ・ジョンソクが王！『魅惑の人』に出て来る韓国語のキーワード
ネットフリックスで始まった時代劇ドラマ『魅惑の人』。『賢い医師生活』や映画『建築学概論』でコミカルな演技で笑わせてくれたチョ・ジョンソクが、笑顔を封印してシリアスな王様役を演じています。
『魅惑の人』
2024年1月21日から3月3日tvN
キャスト
イ・イン：チョ・ジョンソク
『賢い医師生活』のイ・イクチュン
ヒス：シン・セギョン
時代劇のヒロインですが最近では『ランオン』のオ・ミジュ
ミョンハ：イ・シンヨン
『愛の不時着』で北朝鮮兵士チームのイケメン君
イ・ソン：チェ・デフン
『ウ・ヨンウ』でミョンソク弁護士の同期の嫌な奴を演じていました
あらすじ
イ・インは王イ・ソンの弟。
仲の良い兄弟だったが、兄イ・ソンは政権争いにより、
弟を疑うほどの人間不信になってしまう。
兄が毒殺され、イ・インは「弟を王にする」と遺言があったと
嘘をついて王座につく。
ヒスは碁を通じてイ・インと親しくなっていたが、
王座に就いたとたん、冷たくなったイ・インに戸惑う。
あらぬ疑いで捕まったヒスたちを見捨てたイ・インに
ヒスは復讐を誓う。
予告動画はこちら。
タイトルについて
韓国語のタイトルは、
세작, 미혹된 자들
日本語タイトルは
魅惑の人
韓国語のタイトルを直訳すると、
세작, 미혹된 자들
細作、魅惑された人々
세작(細作)は、スパイのことです。
時代劇だと、密偵・間諜・間者・諜報員といったところでしょうか。
権力争いが背景にあるので、
自分が権力の座に就くために、スパイをあちこちに忍ばせる。
それほど、権力に惑わされた人々
という意味のタイトルだと思います。
日本語タイトルに、
「スパイ」が抜けて、さらに
「魅惑の人」というと「魅惑する人＝魅力的な人」
という、権力欲にまみれた印象がなくなっています。
ドラマの中では、
イ・インが清のスパイだと疑われるので、
청나라의 세작 清の国のスパイ
チョンナラエ セジャク
세작인다 スパイなのか
セジャギンガ
などのセリフがよく出てきます。
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兄と弟の悲劇
王のイ・ソンは第3話の最後に亡くなり、
第4話でチョ・ジョンソク演じるイ・インが王になります。
イ・ソンを演じたチェ・デフンさんが本当に上手で、
人間不信で気がおかしくなってしまった王様が、
本当に気の毒でした。
清の国も、朝鮮の国力を弱めるために、
兄弟を仲たがいさせるために、弟イ・インを国に戻し、
それに乗じて、王妃の親族たちがイ・イン間諜説をまき散らします。
この場面では
이간질 仲たがい
イガンジル
という言葉が出てきます。
이간は「離間」という漢字で、
질は、動作や行動をあらわす言葉です。
男装の麗人
韓国ドラマは、
남장 여자(男装の麗人)がよく出てきますね。
時代劇だと
パク・ボゴム『雲が描いた月明り』の
ホン・ラオン（キム・ユンジョン）
をすぐに思い出します。
ちょっと古くは
『成均館スキャンダル』の
キム・ユンシク（パク・ミニョン）
『魅惑の人』では、
シン・セギョンが男装で出てきます。
清に人質に連れていかれた人々を取り戻すために
賭け碁 내기 바둑
をしてお金を稼いでいる、という設定です。
シン・セギョン演じるヒスは
賭け碁師 내기 바둑꾼 ネギバドゥックン
と呼ばれています。
내기は「賭け事」の意味で、
後ろに하다(する)をつけると動詞になります。
賭けようか？ 내기할까? ネギハルカ
とか、ドラマで耳にすることがあります。
바둑が「碁」、꾼は「それを生業にする人」の意味です。
ただ、ちょっと蔑んだ意味で使うこともあります。
사기꾼 詐欺
도망꾼 逃亡者
『応答せよ1988』のチェ・テク(パク・ボゴム)のような
碁を生業にする専門家は、
바둑 기사 碁の棋士
といいます。
『魅惑の人』第6話まで見た感想
第3話まで、イ・ソンが死ぬまでは、
とても面白く見ました。
イ・インとヒスの対立がメインストーリーなのですが、
それが始まる第4話からは、若干、緊張感が落ちました。
そもそも、男装モノを見る時、
なんでばれないの？
という疑問が、ドラマへの没頭を邪魔します。
そして『魅惑の人』では、
ヒスの復讐の動機に、感情移入できないんですね。
朝廷の権力争いは父親を通じて知っているのだから、
イ・インが、自ら進んでヒスらを見捨てたわけではなく、
権力争いにイ・インが苦しんでいることも想像つくのではないか。
あれこれ不満はあるものの、
チョ・ジョンソクの王様演技をもう少し見たい
という動機で、最後まで見ようかなと思っています。
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