ネットフリックス『おつかれさま』いろいろ語りたくなる手の込んだドラマ

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まだ最初の4話までしか公開されていませんが、細部までこだわった演出、気の利いたセリフ、俳優さんたちの名演技など、すでに名作!の声が上がっています。

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『おつかれさま』の概要について

出演俳優さんがあちこちのユーチューブチャンネルに登場して
番組宣伝をしているなかで、

たった2秒しか映らない場面でも、
監督さんが小物や背景などの演出にこだわった

衣装がもっとくたびれている感じを出したいとき
指示するだけでなく、監督さん自らが
衣装をごしごし洗ってくたびれ感を出した

などのエピソードを紹介していました。

その「こだわり」はセリフにも感じられます。

味わいのあるセリフ

『おつかれさま』の登場人物の中で、
主人公エスンの、お母さんの海女仲間おばさんたち
の存在感が、とても好きです。

でも、彼女たちの会話がとても難しいんですね。
1960年代の済州島が舞台なので、
方言もあるし、時代的な言い回しもあるし、
字幕翻訳者さんの苦労がしのばれます。

第3話のクライマックス
駆け落ちに失敗して、
グァンシクが船に乗って済州島を去る場面。

グァンシクが「船を戻してくれ!」と騒いで、
エスンのナレーション

あの時走らなかったら
走りさえしなかったら

この後の海女おばさんのセリフ

애들 잡지, 잡어
可哀そうに

台詞:김우진이, 윤심덕이가 괜히 그추룩 그추룩 됐나?
直訳:キム・ウジンとユン・シムドクが理由なくああなった?
字幕:死んだらどうするのさ

그추륵그렇게(そのように)の方言

字幕では省略されてしまった
김우진윤심덕という名前

なんとなく、記憶にあるなと思ったら、

イ・ジョンソク主演でドラマになっているんですね。
ネットフリックスで『死の讃美』

キム・ウジンが劇作家で、
ユン・シムドクがソプラノ歌手です。

キム・ウジンには妻がいたのですが、
二人は恋仲になって、
なんと、釜山行の船から突然消えてしまいました。

1926年の出来事で、
朝鮮で最初の情死事件として、世間をにぎわせたそうです。

『おつかれさま』のこの場面が1960年代ですから、
船から身を投げるといったら、
40年前のこの事件を思い浮かべるのでしょう。

ネットフリックスで「死の讃美」を検索すると、
配信日に通知
というウィンドウが開くので、
残念ながら現時点では見られないようです。

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走るか飛び込むか

エシンのナレーション部分のセリフも味わいがあります。

あの時走らなかったら
그때 뛰지 않았더라면

走りさえしなかったら
뛰지만 않았더라면

ここで使われている뛰다という動詞。
「走る、跳ぶ」という意味なので、

この場面だと
船から飛び降りる
という意味にもとれるんですね。

字幕では「走る」だから
エスンが港に走っていかなければ
だけで訳が統一されていますが、

グァンシクが船から飛び降りなければ
という意味にもとれるんですね。

一つ一つの場面を丹精込めて作っているというのが
とても感じられるので、
2度、3度見直すたびに、あらたな発見があります。

よろしかったらお願いします!

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

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コメント

  1. 流石、キム・ウォンソク監督!といった感じでしょうか(^^)

      • sokjon2016
      • 2025年 3月 12日

      津木田政也さま!
      なんと、こちらにもいらっしゃってくださって、ありがとうございます!
      どのドラマを見ようかなというとき、
      最初は出演俳優さんで選び、
      そのうち脚本家さんを見るようになり、
      最近演出家さんの重要さを感じるようになりました。
      また時々いらっしゃってくださいませ~。

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