アナザーストーリーズ 運命の分岐点 「その時、市民は軍と闘った~韓国の夜明け 光州事件~」を作成したディレクターのお話

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2018年6月12日に、NHKのアナザーストーリーズで「その時、市民は軍と闘った~韓国の夜明け 光州事件~」が放送されるという話が、SNSなどで複数ながれてきました。熱い話題を提供してくれた、その番組の作り手がお話をするというので、出かけてきました。

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アナザーストーリーズ 運命の分岐点

話題になった番組は、こちらのNHKのサイトに詳しい説明があります。
「その時、市民は軍と闘った~韓国の夜明け 光州事件~」

便利な時代になったもので、216円でいつでも見れるそうです。
オンデマンド・アナザーストーリーズ

アナザーストーリーズは、2016年の放送『“冬のソナタ”が起こした奇跡 韓流ブームの発火点』をこちらでも紹介したことがあります。

今回の光州事件についての番組では、
友達と歩いていただけで、突然軍の暴行されたという一般市民と、
鎮圧軍側にいた元軍人の、両サイドからのお話が聞けました。

さらに、1987年の民主化運動の象徴的な存在、李韓烈(イ・ハンニョル)君は、光州出身で、光州事件への思いからデモの最前列にいた―――
歴史が続いていることが強調されていました。

制作したディレクターのお話

2018年8月25日 (土) 19:00 – 20:00
『タクシー運転手』から『1987』へ ― ドキュメンタリー番組制作の裏側を聞く
お話:ドキュメンタリー・ディレクター、田容承(チョン・ヨンスン)

『タクシー運転手』のインパクト

1993年に来日、日本語とジャーナリズムを学び、そのままテレビ番組制作会社に就職し、現在はフリーランス。日本での生活が人生の半分を超えた、そうです。

アナザーストーリーズの冒頭でも、映画「タクシー運転手」のヒットが紹介されています。韓国でヒットしたのはわかりますが、日本でもロングラン上映されているのが、ディレクター・チョンさんにも驚きだそうです。

実際、チョンさんの周囲にいる制作関係者たちに、光州事件を知る人はいなかったけれど、映画を見たという人は口々に「すごかった」「よかった」と感激していたそうです。

映画は、ドイツ人記者のヒンツペーターさんが光州で取材したいきさつを描いていますが、ペーターさんは光州入りする前、日本に居ました。
ディレクター・チョンさんは、当時のペーターさんを知る日本人記者たちを探したそうです。

光州で取材した日本人記者たちも何人かいるそうですが、そういう「チャレンジャー」な記者たちは、ベトナム取材経験があったりするので、
ベトナムの方が悲惨だった
とかなんとか、言っていたそうです。

わたし
日本で光州の実態を報道しない、できない言い訳なんだろうな。悲惨さなんて比較するようなものじゃない、って本人が一番わかっているだろうに。

李韓烈君のお母さん

アナザーストーリーで、李韓烈君のお母さんが語ってくれていました。

光州事件の時に、家の外でとても残虐なことが起きていた。
子供にこんな光景を見せてはいけないと、外に出さなかった。

大学生になった韓烈は、光州事件の写真を見て、小さな子供まで犠牲になったことに大きなショックを受け、デモの最前列に立つことになった。
私が悪かったんだ・・・。

韓国では『タクシー運転手』のあと、民主化運動に関する映画が続いて公開されました。大統領直接選挙を認めさせた1987年の民主化運動を描いた『1987』です。この民主化運動のさ中に、死亡した李韓烈君を、俳優カン・ドンウォンが演じたことでも話題になりました。

韓烈君のお母さんは、文在寅大統領とともに『1987』の試写会に招かれたけれど、映画を見ずに帰ったと。そのこにディレクター・チョンさんは、大変驚いたそうです。大統領を置いて、帰ったのか、と。それで、お母さんに出演してもらうことにしたそうです。

息子が死ぬシーンを、見ることができない。
そうですよね・・・。

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私も『1987』の映画が公開されたころ、ユーチューブで関連映像をたくさんみました。
試写会前の座談会の模様。(写真クリックでユーチューブにとびます)
1
真ん中にカン・ドンウォン、左側がお母さん、右側に大統領。

お母さんのお話(写真クリックでユーチューブにとびます)
2
毎年6月になると、延世大学に息子の大きな写真が掲げられます。写真を見ることができなくて、あれはただの絵だと思うようにしたけれど、やはり、なんで息子が、あんなところに・・・、そう思いながら30年経ちました。

そうしたら映画になると聞きました。まだ見ていませんが、でも想像がつきます。
息子が、笑って登場するなら一番前の席で見ますが、そうじゃないのはわかりますから、見ることができません。

日本で働くディレクター・チョンさん

韓国や中国に対するヘイトがなくならない日本で働いていると、やはり「韓国人」として嫌な思いをすることも多いようです。

でも、チョンさんは「とてもニュートラル」だと。つまり日本の肩ももたず、韓国の肩ももたず。
核心的な政権の時には、だからこそ見えてくることがある。
保守的な政権の時にも、だからこそ見えてくることがある。

なるほど、浮かれもせず、悲観もせず。

ジャーナリストに必要な、冷静さと賢明さを、ものすごく感じました。
私に最も欠けているものかもな~と反省しながら。

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