映画『ベテラン』-ベテラン俳優たちとユ・アインの悪役っぷり-
ベテラン刑事のお話ですが、出演俳優たちのベテランぶりが際立っていました。
キャスト
監督:リュ・スンワン(류승완)
ソ・ドチョル:ファン・ジョンミン(황정민)
チョ・テオ:ユ・アイン(유아인)
チェ常務:ユ・ヘジン(유해진)
オ チーム長:オ・ダルス(오달수)
ミス・ボン:チャン・ユンジュ(장윤주)
あらすじ
悪は絶対に許さない武闘派ベテラン刑事ドチョルを筆頭に、個性的な5人による特殊強力事件担当・広域捜査隊。
あるパーティーでドチョルは財閥3世テオに出会い、犯罪の臭いを感じる。
仕事で世話になった運転手が自殺を図り、裏にテオが絡んでいると疑うドチョルは、単独で捜査をはじめる。しかしテオは権力と金で隠ぺいをはかり、警察上層部も財閥の圧力に屈する。
困難の中でもドチョルはあきらめず、上司を説得し、テオを追い詰めていく。
photo:公式HPより
感想
財閥の横暴は、よくドラマにも出てくるので、きっと韓国社会では「リアル」なのでしょう。
警察と財閥の癒着やマスコミへの圧力、これも「リアル」。
「正義漢の刑事ドチョル」だけが、空想のスーパーヒーローです。
お金があれば不正も犯罪も揉み消す、アホなボンボンでも就職できる、
報道されるはずの事件もニュースにならない・・・
多くの人々が「許せない」と感じることだけど、
「くやしかったら、出世してみろ」とあざ笑われるだけ。
そういう現実に、架空のヒーローが「正義」を通してくれるのですから、
たまらない爽快感があります。
でも現実社会にドチョルはいない・・・。
では、私はドチョルになれるだろうか。
そんなことを問われているわけではありませんが、ちょっと考えてしまいます。
セリフに日本語の「顔・かお」が!
映画の中で、いくつか日本語が使われていました。
忘れないように覚えておこうと思ったのに、映画の迫力で忘れてしまいました。
記憶しているのは「かお」가오
管轄外の警察署の刑事が、テオたちと一緒に、自殺した運転手さんの奥さんのところへ行った場面。
ドチョルが刑事を呼び止めて、
돈이 없어도 가오까지 없냐?
お金はないけど、カオまでないのか?
(金はなくても、プライドってもんがあるだろ)
というようなセリフがあったと思います。
日本語の「顔」も、「顔を立てる」「顔に泥を塗る」など、「メンツ」の意味で使います。
字幕で「かお」は「プライド」と訳されていたと思います。
植民地支配の名残がまだあるんですね。
とくに「業界用語」として定着しているものがいくつかあります。
ドカタ、シマイ、マンタン・・・
日本語由来だとは知らないで使っている人も多いと思います。
天才ファン・ジョンミン
ドチョルを演じたファン・ジョンミンといえば、
去年のヒット作、『国際市場で会いましょう』の印象がまだ強く残っていますね。
私にとって、ファン・ジョンミンといえば、『ユア・マイ・サンシャイン』です。
エイズ患者を扱った映画ということで、見に行ったのですが、
映画館で嗚咽するまで泣いたのは、後にも先にもこれだけです。
一途に女性を愛する男性『ユア・マイ・サンシャイン』、
韓国現代史を生きぬいた頑固者『国際市場で会いましょう』、
お調子者で腕っぷしの強い正義漢『ベテラン』、
キャストの名前見るまで、同一人物と気が付きませんでした。
よく見ると意外と(失礼!)ハンサムですし、三作目にして惚れました。
悪役のユ・アイン
この人、本当に麻薬中毒なのかしらと思うほど、
本当に人を痛めつけて楽しいのかしらと思うほど、
人格破綻者っぷりが似合っていました。
今の時期、ユ・アインといえば、『六龍が飛ぶ』のイ・バンウォン役。
たくさんの作品に出ている売れっ子だからこそ、
イメージが固定するという心配なく、悪役が演じられるのかもしれませんね。
ミン・ジュングクが!!SPの田中が!!
映画をみながら、「あ!」と声をあげそうになったのが、
テオ(ユ・アイン)のせいで自殺に追い込まれた「ペ運転手さん」。
『君の声が聞こえる』で最大級の悪役ミン・ジュングク(민준국)を演じたチョン・ウンイン(정웅인)でした。
今回は被害者でしたが、口の中血だらけの姿をみると、やっぱりミン・ジュングク・・・。
それから、予告編やチラシを見たときから気になっていたのですが、
テオの右腕「チェ常務」が「SP」の田中に見える・・・。
岡田准一と堤真一が出ていた刑事モノの「SP」です。
チェ常務
photo:公式HPより
SPの田中
photo:SP予告編ユーチューブより
「日本タレント名鑑」の写真から「田中」役の野間口徹さん。
爽快なストーリー展開と、ベテラン俳優の怪演?と、
見どころ満載で満足度の高い作品でした。
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皆さまの韓国語の勉強に少しでもお役にたちますように!
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