映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』公開初日に見てきた感想その①見どころ

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韓国での公開が去年2024年8月だったので、日本上陸まで1年もかかったわけですね。イ・ソンギュンさんの事実上の遺作となるので、いろいろな意味で非常に心待ちにしていた作品です。見ごたえありましたが、期待が大きかった分、残念な部分も目につきました。言いたいことがたくさんあるので、何回かにわけて感想を綴ります。

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映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』

韓国での公開:2024年8月14日
日本での公開:2025年8月22日

監督:チュ・チャンミン
「王になった男」(イ・ビョンホンが2役演じた名作)の監督さん

キャスト
チョン・インフ:チョ・ジョンソク
パク・テジュの弁護士
パク・テジュ:イ・ソンギュン
大統領暗殺の容疑者、軍人
チョン・サンドゥ:ユン・ジェミョン
全斗煥

あらすじ
1979年10月26日に起きた全斗煥暗殺事件。
主犯の中央情報部長、キム・ヨンイルの腹心、パク・テジュ大佐の弁護人を
チョン・インフンが担当することになった。
死刑が確実視されるなか、容疑者のうち唯一の軍人であり、
命令に絶対服従という軍規を理由に、インフンは命だけは助けたいと奔走するが・・・

予告編はこちら

10月26日の暗殺事件そのものを描いたのが、
『KCIA 南山の部長たち』(2020年)
イ・ビョンホンが「部長」を演じました。

10月26日の事件を機に全斗煥が権力を握るまでを描いたのが
『ソウルの春』(2023年)
ファン・ジョンミンが全斗煥を演じました。

『大統領暗殺裁判』は、上のふたつの映画の間の出来事を描いています。

『大統領暗殺裁判』映画の背景

韓国現代史シリーズともいえる一連の作品。

『KCIA 南山の部長たち』
1979年までの朴正熙政権がどんな感じで
10月26日の暗殺がなぜ起きたのか、

『大統領暗殺裁判』
暗殺事件の裁判において
重要な証人が12月12日の軍事クーデターで消えてしまう

『ソウルの春』
暗殺事件のあと全斗煥がどのように台頭して
12月12日の軍事クーデターをどうやって起こしたのか

『タクシー運転手』
大統領暗殺で民主化に希望を持った光州の民主化運動を
全斗煥が軍事力で鎮圧した事件(1980年5月18日)

『1987』
1987年、全斗煥による軍事独裁政権下で学生が拷問死
それを機に湧き上がるソウルの民主化運動

これらの映画は、ドキュメンタリーではありませんので、
事実とことなるフィクション要素もありますが、
それでも、当時なにがあったのか、その背景はなんだったのかを
知る手掛かりにはなります。

特に1979年を扱っている3作品は、
登場人物(歴史上の実在の人物)の多くが重なっているので、
おなじ人物を異なる俳優がどのように演じているか
を味わることができます。

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歴史上の人物を演じる俳優

一番うなったのは、
全斗煥を演じたファン・ジョンミン(ソウルの春)と、
ユ・ジェミョン(大統領暗殺裁判)。

実際の全斗煥は、冗談を言ったり品がなかったり
という逸話があるので、
『ソウルの春』でファン・ジョンミンが演じた姿が、
実際の姿に近かったと思われます。

こんなバカが大統領になってしまったのか、
多くの人が映画を見て血圧が上がったと話題になりました。

でも、『大統領暗殺裁判』でユ・ジェミョンが演じた全斗煥は、
冷静沈着で、カリスマがあり、得体のしれない恐ろしさを感じました。

弁護士役のチョ・ジョンソクをはじめとする弁護団、
さらには国民たちが対峙する、絶大な権力を象徴するのが全斗煥。

私たちはすでに歴史で、この裁判が負けることを知っているわけです。
どうやっても勝ち目がなかった当時の軍部代表・全斗煥。
ユ・ジェミョンの全斗煥でなければ、説得力がなかったと思います。

タイトルについて

『大統領暗殺裁判』の韓国語原題は、
행복의 나라幸せの国

映画の途中と最後エンディングロールの部分で流れる挿入曲が
행복의 나라로幸せの国へ

나는 행복의 나라로 갈 테야
私は幸せの国に行くよ

という歌詞の日本語訳が字幕にでてくるので、
邦題も「幸せの国」のままでよかったんじゃないでしょうか。

映画の内容は幸せではないけれど、
逆説的な意味をこめてタイトルにしたのではないかと思います。

あとまだまだ、語りたいことがあるので、続きます。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

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